越境ECビジネスにおいて、税金がどのように扱われるか方を把握しておくことは大切です。今回は、この 「税金の扱い」についてお話しようと思います。

税金は、商品を受け取る際にお客様に支払い義務が発生します。商品を海外へ販売する場合は、国内販売にはなりませんので日本の販売に関する税金は課せられず、国内の処理においては「輸出売上」となり税率は0%として計上されます。

国や地域によって、また商品によって税率が異なりますので、お客様は商品を受け取る際に、定められた税率に従って関税・消費税を支払う事になります。税額の計算は、Commercial Invoice (商業送り状) に記載されている価格に基づいて計算されますので、ここに商品価格と送料を明記しておく必要があります。損害保険を付けた場合は、それも記載します。

Commercial Invoiceの金額が安くなると税金も下がりますので、お客様から「インボイスの金額を安く表示してほしい」というようなリクエストを受ける事もあるかもしれませんが、これに応えるのは止めましょう。これはUnder Value (アンダーバリュー) といって法律違反となり、脱税の片棒を担ぐことになるので、お断りするのが正解です。

越境ECで海外に荷物を発送する際、多く使われているのがDDU (Delivered Duty Unpaid / 仕向地持ち込み渡し・関税抜き条件) です。価格に、商品代と通関料を含む輸送の全額は含まれていますが、お客様側での税金は含まれていません。税金は、お客様が商品を受け取る際に払っていただきます。

*現在のインコタームズ2010では、DDUの代わりにDAP (Delivered at Place) を新しい条件としています。DAPがDDUと違う点は、「輸入通関前にその後のコストとリスクが輸入者に転移する」貿易条件であるというところです。クーリエで発送する場合、DDUでもDAPでも、輸出者が目的地までの送料を負担し、輸入者が輸入手続き、および関税を負担するという点は同じですが、「現地での輸送のリスクをDDUなら輸出者、DAPなら輸入者が負担する」という違いがあります。

また、DDP (Delivery Duty Paid / 関税込み持ち込み渡し) という条件もあります。これは、価格に商品代と通関料を含む輸送の全額に加えて、税金も含まれているものです。発送する側が税金まで払う必要がある場合に使い、Ship&coでもFedEx、DHL、UPSの送り状発行において、この設定ができます。海外の輸入者の中には、通関など面倒なことを嫌がってDDPを要求してくることがありますが、高額の関税負担で損失をこうむる場合もありますので、現地 (相手国) の関税率を把握したうえで対応する事がベストです。

購入者がある日突然税関から連絡を受け、税金の支払いを要求されて困惑したり、受け取り拒否などの事態になるのを未然に防ぐ為にも、自社サイトのポリシーページや各商品ページには、これら税金の条件を明確に記すことが大事です。そうすることで、お客様も安心して買い物ができ、購入決定率やリピート率も確実にアップするでしょう。