「付加価値税(VAT)ってどうやって支払うの?」

「EUへ輸出するときの申告や納付を効率化したい」

「IOSS番号を記載した出荷ラベルを発行したい」

こんな課題のある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

本記事では、ヨーロッパへの輸出入で税金に関するプロセス効率化を考えている方に向けて、EUの付加価値税(VAT)の概要やIOSS制度を解説していきます。

またヨーロッパの輸入VATの申告および納税プロセスを簡素化できる「EAS Solutions」サービスもご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

EUの付加価値税(VAT)とは?

EUの付加価値税(VAT)とは?

付加価値税(以下VAT)とは、「Value Added Tax」の頭文字の略でヨーロッパやアジアなどの国で物を購入した時に課せられる消費税のようなものです。

EU加盟国はVATの導入が義務付けられています。また輸入時に発生する関税とは異なり、VATは通関後に課されるため、顧客は商品を受け取る際に支払う必要があります。

そしてヨーロッパ各国が独自の税率を設定しており、特定の商品に異なる税率が適用されることがあります。

付加価値税(VAT)のよくある質問

ここでは、付加価値税(VAT)に関するよくある質問を紹介しています。

VATと消費税の違いはなんですか?

ヨーロッパでは付加価値税(VAT)、日本では消費税と名称が異なりますが、同じ間接税です。

税は国に納めるものであるため、購入者である顧客が支払って、販売者である事業者が国に納める形態となっています。

ヨーロッパの付加価値税の税率は?

EU加盟国はVAT指令により標準税率が最低15%と定められています。

その税率の上限は設けられておらず、加盟各国が権限を持って設定できるため、国によって標準税率は15%〜27%と差があります。

日常生活に欠かせない飲食料品や医薬品などは軽減税率の適用が認められています。

事業者向けの制度 IOSS(Import One-Stop-Shop)

事業者向けの制度IOSS(Import One-Stop-shop)

IOSSとは、Import One Stop Shop(輸入ワンストップショップ)の略で、EUに輸入される電子商取引貨物についてVATの申告と支払いプロセスを簡素化できるようにする制度です。

2021年7月1日より、EU加盟国に輸入される22ユーロ未満の商品に対してのVAT免税が廃止され、金額に関わらず全ての商品にVATが課せられるようになりました。

あわせて、EUに向けて発送する事業者を支援し、VATの徴税納付が簡素化されたIOSS制度が導入されました。

通常、顧客は商品を受け取る際にVATを支払う必要がありますが、IOSS制度を利用することにより、オンラインで商品購入する際に商品代金とVATを含んだ金額で支払うことが可能となります。

これにより、顧客が予期せずVATを負担することなくスムーズな取引を実現できます。

IOSSの登録には仲介業者が必要?

EU域外の事業者がIOSSを登録するには、EU域内で設立された仲介業者を任命して、IOSSの登録、輸入VATの申告および納税を代行してもらう必要があります。

これにより、EUを拠点とする仲介業者を通じて月次の輸入VATの申告および納税が行われるため、事業者および顧客はヨーロッパ各国でVAT申告が不要となります。

IOSSが適用される商品

IOSSの適用は、以下の条件を満たしているかで決まります。

  1. EU加盟国以外の国や地域から発送される商品
  2. 税金、送料、または保険などの他の手数料を含まない商品価格が、150ユーロ以下である
  3. 物品税の対象とならない商品(例:IOSSを使用してベルギーに紅茶を発送することはできません)

IOSSが適用される場合、顧客はVATを商品代金と一緒に事業者へ支払うことになります。そして顧客が支払ったVATは事業者がEUの税務当局へ送金します。

出荷ラベルを作成する際に、IOSS登録で取得したIOSS番号を記載することで、「VATは支払い済み」であることを申告することができるのです。

IOSSの登録からVATの納税まで! EASサービス

マーケットプレイス(AmazonやeBayなど)には既に割り当てられたIOSS番号があるため、該当のマーケットプレイスを利用している事業者は、別途IOSSの登録をする必要がありません。

もちろん、自社のIOSS番号を取得したい方やその他のプラットフォームをご利用の事業者の方は、ご自身でIOSSの登録をすることも可能です。

その場合、煩雑なIOSSの登録プロセスを簡素化できるEASのご利用もおすすめです。

EASとは?

EAS

EASは、マーケットプレイスのデータを収集し、煩雑なヨーロッパの輸入VATの支払いを自動化できるサービスです。

EASを使用することで、顧客は商品代金と併せてVATを支払いうことができるため、商品を受け取る際に支払う必要がなくなります。

またEASのIOSSサービスにはIOSSの登録と仲介サービスが含まれているため、登録手数料がかからないのも嬉しいポイントです。

EASを導入後は、ECサイト内で顧客が支払ったVATを、EASが事業者に毎月請求する仕組みとなっています。

EASの登録方法

  1. EASアカウントを作成します
  2. IOSS/OSS登録のサポートをリクエストします
  3. EASチームのサポートで自社のECサイトにアプリを設定します
  4. ヨーロッパへの販売を開始します
  5. 完全自動化されたIOSS VAT支払いプロセスが、ECサイトに統合されます

EASでは、Shopifyアプリだけでなく、MagentoやWoocommerceなど他のECサイトプラットフォーム用のプラグインもあります。情報を提供することで導入までのプロセスは数時間で完了することができます。

なお、日本語でのサポートはなく、英語もしくはヨーロッパで使用されている言語でのサービス提供となります。

EASアプリの導入事例: Bento&co

BENTO&CO

IOSS制度を利用することでVATの申告・納税が簡素化できることがわかりました。

ここではオンラインストアBento&coが実際にEASサービスを導入した事例を紹介しています。

・Bento&coが直面した課題

Bento&coは日本の弁当箱に特化したオンラインストアで、京都府に拠点を置いて国内外へ出荷を行なっています。

ヨーロッパの顧客は荷物の受け取り時に注文総額に上乗せされたVATを支払う必要があり、これが不満や多くのクレームを引き起こすという困難に直面していました。

VATに関連したコンプレインは週に複数回あり、これに対処するためにBento&coはフランスに倉庫を設立することを検討するほどの問題となっていました。

・EASによるBento&coのプロセス改善

そこで、2023年10月にEASサービスを導入。

Bento&coではVATに関連する問題の取り扱いにおいて大きく改善することができました。

EASサービスを導入する前は顧客にVATについて予め通知するため、ストアページのポップアップやバナーに頼っていました。

しかし、EASを使用することで、150ユーロ未満の注文に対してアプリが自動でIOSSトークンを生成し(どの配送業者を利用しても)、顧客の住所と商品に基づいてVATを計算することができます。

これにより、注文手続きのページでVATの金額が明確に表示され、支払いプロセスがスムーズになりました。

・導入後の結果

EASを導入後、Bento&coではVATに関連する顧客からのコンプレインが著しく減少しました。

さらに、注文手続きを行う際にVATを請求できる機能は、売上の増加につながり、高いコンバージョン率に寄与しました。

EASの有用性を認識しつつも、ショップオーナーは積極的に顧客にIOSSシステムとVATについて通知することが重要です。

Bento&coでは、ヨーロッパの顧客向けのショップに「EUへの注文にはVATが含まれています!(最大150ユーロまで、すべての費用込み)」と明記するバナーを表示。

ヨーロッパの輸入VATに関する専用ページを追加したり、VATの情報をソーシャルメディアやニュースレターで共有するなど、意識を高めるための対策を続けています。

Ship&coによるIOSSサービス提供

Ship&coによるIOSSサービス提供

先に述べたように、IOSS制度を利用する場合はIOSS番号を出荷ラベルやインボイスに記載することで、VATの申告が不要となります。

つまり、IOSS番号の記載が漏れてしまうと、EU加盟国の税務当局にVATが支払われていないと判断され、顧客が商品を受け取る際にもう一度VATの支払い請求がされてしまうのです。

二重請求などの新たなトラブルにつながってしまう可能性を回避するためにも、必ずIOSS番号を記載しなければいけません。

その問題を解決するために、EASサービスの活用と送り状発行システムShip&coの連携がおすすめです。

Ship&coのシステムにIOSS番号を登録することで、DHL、FedEx、UPS、国際郵便の送り状を発行する際、自動的にIOSS番号が出荷データに反映されます。

Ship&coは海外の運送会社との連携においてIOSS番号を自動サポートしており、EASアプリとShopifyの設定がシームレスに機能するために不可欠な要素となっています。

ShopifyとShip&coの連携、EASサービスを活用すれば、VATの支払い・申告からIOSSを記載した出荷ラベルの発行まで業務の効率化を実現できます。

まとめ

本記事では、EUの付加価値税(VAT)とは何か、IOSS制度の概要、そしてVATソリューションであるEASサービスについて導入事例を交えて解説しました。

今後拡大していくと予想されている越境ECを展開していく中で、EUへ輸出する際にVATの対応が課題となっていた事業者もいるでしょう。

EASサービスを導入することで、煩雑なヨーロッパの輸入VATの支払い・申告を簡素化し、EU域外に拠点を置いているオンラインショップでも簡単にIOSSの登録からVATの納税ができるようになります。

これにより、顧客は商品の受け取り時にVATと運送会社の手数料を支払う必要がなくなることでスムーズな取引が可能となり、顧客満足度の向上にもつながります。

EASはEU加盟国への販売ビジネスにとって欠かせない存在として、ヨーロッパの輸入VATプロセスを効率的に進めるEC事業者を支援しています。

ShopifyとShip&coの連携にEASサービスを活用して、EUへの販路拡大・売上増加を目指しましょう!

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