「Shopifyで越境ECはできるの?」

「越境ECを行うためには何をすれば良いんだろう」

「越境ECに役立つShopifyアプリが知りたい」

この記事では、こんな疑問を解消していきます。

本記事では、越境ECを始めたいと考えている方に向け、Shopifyを使った越境ECの始め方を解説します。

Shopifyには越境EC向きの機能が豊富に搭載されており、初めての方でもスムーズに越境ECサイトの構築ができますよ。あわせて注意点やおすすめアプリについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

越境ECは海外展開の第一歩

越境ECは海外展開の第一歩

EC(Electronic Commerce、Eコマース)とは電子商取引のことで、インターネットを通して行う商品やサービスの取引を指します。

そして越境ECは、日本国内だけでなく、国や地域を超えて行う取引のこと。近年の越境EC市場は年々拡大しており、今後もさらなる成長が予想されています。

越境ECでは、商品やサービスの海外販売を行います。日本よりはるかに大きな世界市場で取引できるため、うまく運営できれば大幅な売上増が見込めるでしょう。

越境ECを行えば、海外に実店舗を出すよりも低リスク・低コストで海外展開できるというメリットもあります。

越境ECの主流は「モール出店」と「自社サイト構築」

越境ECには、主に2つの始め方があります。

  • 海外向けのECモールに出店する
  • 自社で越境ECサイトを構築する

AmazoneBayなどのECモールに出店する方法は、最も簡単です。手数料はかかりますが、モール自体に顧客が付いており、ゼロから集客しなくて良いというメリットもあります。

一方でECサイトを構築する場合は、集客の手間がかかる反面、オリジナリティの高いサイトを作れる点がメリットです。

すべて自社開発しても良いですし、ECプラットフォームを利用しても良いでしょう。なかでもShopifyは人気が高く、越境ECを始める方にも多く選ばれているプラットフォームの一つです。

Shopify(ショッピファイ)が越境ECにおすすめの理由5つ

Shopify(ショッピファイ)が越境ECにおすすめの理由5つ

カナダ発のECプラットフォームであるShopifyには、カスタマイズ性が高く使いやすいという特徴があります。

また越境ECに必要な機能も多く搭載されているため、これから越境ECサイトを構築したいと考えている方にもおすすめです。

ここではShopifyが越境ECに向いている理由を5つご紹介します。

1.多言語・多通貨に対応している

Shopifyには「テーマ」と呼ばれるデザインテンプレートがあり、その種類は190種類を超えています。

その多くが多言語対応しており、言語を切り替えてもレイアウトを変える必要はありません。

50言語に対応しているので、多くの国に向けて利用できます。ただしテーマごとに対応言語が異なるので、テーマ選択時に確認しておきましょう。

さらに130カ国以上の通貨に対応しているのも特徴です。

まずは「Shopify Payment」を有効にし、「設定」「決済」「管理する」を順にクリックしましょう。

最後に必要な通貨を選んで追加すれば、自動で為替レートが変換されるようになりますよ。

2.決済手段が多い

利用者規模が世界最大ともいわれるPayPalをはじめ、多様な決済方法に対応している点も、Shopifyの大きなメリットです。

  • クレジットカード決済
  • 携帯キャリア決済
  • Google Pay
  • PayPal
  • NP後払い など

このほか、全部で100種類以上の決済手段があります。

決済方法が多ければ、顧客は自分の使いやすい手段を選ぶことができるので、利便性が高まるでしょう。

国によってもメジャーな決済方法は違うので、越境ECを始めるなら多くの選択肢を準備したいところです。

3.配送手続きがスムーズ

越境ECの課題は、配送手続きが煩雑になってしまう点です。

たとえば配送料の設定や関税の計算、送り状の作成といった業務が必要になるため、国内向けECと比べて多くの手間やコストがかかります。

その点Shopifyでは、事前に設定しておけばこうした業務をスムーズに進めることができますよ。

Shopifyはもともと海外発送に対応していますが、「設定」「配送と配達」「送料を管理する」とクリックし、海外発送の適用有無を確認しておきましょう。

必要に応じて「配送エリアを作成する」から、新規配送エリアを設定してください。

4.マーケティングツールが豊富

上述のとおり、自社でECサイトを作る際のデメリットとして、集客の難しさが挙げられます。とはいえShopifyの場合は、標準機能に以下のマーケティングツールが揃っているため、効果的なマーケティング戦略を考えることができますよ。

  • 基本的なSEO対策
  • ブログ機能
  • メールマーケティング
  • SNSや大手ECモールとの連携
  • ストア分析、レポート

なかでもSNSは海外での影響力が大きいため、越境ECにおける主力チャネルになれるでしょう。

またストアの分析機能を使えば、売上やコンバージョン率を確認し、具体的な改善策を考えることができます。

5.Shopifyアプリを使えば機能拡張がしやすい

Shopifyの標準機能でも越境ECサイトの構築は可能ですが、より機能を拡張するにはShopifyアプリを導入するのもおすすめです。

「SEO対策を強化したい」「SNSとの連携をスムーズにしたい」など、目的に合わせたアプリを導入することで、より良いECサイトを作ることができますよ。

ShopifyアプリはShopifyアプリストアで手に入れることができ、その種類は8,000を超えています。

無料のアプリや日本製のアプリもあるので、自分に合うものを選んでください。

Shopifyアプリを導入することで、越境ECサイトの構築・運営がしやすくなるはずです。

Shopifyで越境ECを始める方法

Shopifyで越境ECを始める方法

Shopifyで越境ECを始めるには、大きく2つの方法があります。

1つめは標準機能を活用し、適切な設定を行うことで越境ECサイトを構築する方法。

もう1つは2021年9月にリリースされた新機能「Shopify Markets」を利用する方法です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

マーケットを追加し越境EC向けの設定を行う

Shopifyのアカウントを持っていない方は、まずアカウントを作成し、商品を登録してください。

そのうえで以下の順に設定していきます。

  1. 「設定」>「マーケット」>「マーケットを追加」をクリックし、新規マーケットを作成する
  2. マーケット名を入力し、国・地域を選択して保存する
  3. 言語や通貨、決済方法を設定する
  4. 「設定」>「配送と配達」>「エリアを作成」をクリックし、配送料等を設定する

画面の案内に沿って進めていけば、そう難しい作業ではありません。

編み物用品を販売しているAmirisu、食品サンプルの専門店・Fake food Japanなど、Shopifyで越境ECを成功させた事例は多々ありますよ。

参考:越境ECで活躍するShopifyストアの事例を大紹介! 日本の商品を海外に販売しよう

Shopify Marketsに登録し一元管理する

Shopify Marketsは、越境ECをより簡単かつ効率化するためにリリースされました。

主な機能は以下のとおりです。

  • 多言語・多通貨対応
  • 国際ドメインを用いたSEO対策
  • 多様な決済方法
  • 関税や輸入税の明確化

マーケットごとに設定をカスタマイズし、それを一元管理できるので、効率的な運営が可能になります。ShopifyプレミアムあるいはShopify Plusを利用していれば、Shopify Marketsの全機能が利用できますよ。

またさらに機能を拡張させたければ、Shopify Markets Proを利用しても良いでしょう。月額料金はかからず、取引成立時に手数料がかかる形式なので、低リスクで始められます。

越境ECに便利なShopifyアプリ6選

越境ECに便利なShopifyアプリ6選

Shopifyは越境EC向きのプラットフォームであり、設定しだいですぐに越境ECを始めることができます。とはいえストアによっては、標準機能のままだと使いづらい部分や、より強化したい部分も出てくるでしょう。

そんな時に便利なのが、手軽にECサイトの機能を拡張できるShopifyアプリです。ただShopifyアプリにはさまざまな種類があるため、なかなか選びにくいかもしれません。

そのためここでは、越境ECを成功させるためにおすすめのShopifyアプリを6つご紹介します。

①【配送管理】Ship&co|送り状&インボイス作成を自動化!送料の比較もできる

Ship&co

引用:Ship&co|Shopify app store

  • 料金:33円/件~ ※従量課金制 ※件数によって割引あり
  • 平均評価:★4.7

Ship&coは越境ECに対応している出荷管理アプリです。

大きな特徴は、送り状やインボイスの自動作成ができること。

ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便といった日本の運送会社だけでなく、FedexやUPS・DHLなど国際運送会社との連携も可能です。海外発送の場合、国際郵便で最大50件まで送り状の一括発行ができますよ。

また、連携している運送会社の海外送料は概算表示されるので、配送料の比較が容易です。越境ECでは高くなりがちな配送コストを、最小限に抑えることができるでしょう。

さらに送り状発行後は、ECサイトのステイタスを「発送済み」に自動更新してくれます。

⇨14日間の無料トライアルも可能なので、この機会にぜひお試しください!アカウントの作成はこちらからどうぞ

②【配送料金】Easy Rates Japan Post |日本郵便向けの配送料金計算アプリ

Easy Rates Japan Post

引用:Easy Rates Japan Post|Shopify app store

  • 料金:9.90$/月
  • 平均評価:★4.8

Easy Rates Japan Postは、日本郵便の国際郵便サービスに対応している配送料金計算アプリです。配送料金を自動計算してくれるため、自分で配送料の計算や設定をする必要がありません。

日本郵便のサーバーと同期されているため、常に最新の料金が反映されています。日本語に対応しているので安心して使えますね。

カスタマイズ性も高く、追加手数料を上乗せしたり、一定の金額を超えたら送料無料にしたりと、柔軟な設定ができるのも大きな強み。ECサイトに合わせた設定を行い、スムーズな運営を目指しましょう。

③【多言語対応】Trancy|ボタンを押すだけで翻訳&通貨換算が完了

Trancy

引用:Trancy|Shopify app store

  • 料金:無料~
  • 平均評価:★4.8

TrancyはAIによる自動翻訳アプリで、ボタン一つで現在のECサイトを丸ごと他言語に翻訳することができます。手間をかけずに高品質な翻訳ができるので、すぐに越境ECサイトを作りたい方にもおすすめです。

1言語への変換は無料ですが、複数言語に対応させたいなら有料プランを利用しましょう。

言語だけでなく、通貨も変換できるのが嬉しいところ。常に為替レートに合わせた通貨換算を行うので、顧客にとっても便利です。またこのアプリは日本語に対応しています。そのため安心して操作できますよ。

④【多言語対応】Weglot|プロ翻訳者による自然な翻訳文が魅力!SEO対策も万全

Weglot

引用:Weglot|Shopify app store

  • 料金:無料~
  • 平均評価:★4.6

Weglotは100種類以上の言語に対応した自動翻訳アプリです。

翻訳された文章の編集やプロの翻訳者への依頼もできるので、より自然な文章を作ることができます。翻訳された文章でもSEO対策は万全なので心強いですね。導入までのステップが少ないため、英語が苦手な方でも導入しやすいと思います。

ただしプランによって文字数制限があるので、その点は注意が必要です。無料プランは2,000単語までとなっており、文字数の少ないECサイトであれば十分にまかなえるでしょう。

⑤【多通貨対応】BEST Currency Converter|簡単なセットアップで通貨変換が可能

BEST Currency Converter

引用:BEST Currency Converter|Shopify app store

  • 料金:無料~
  • 平均評価:★4.7

BEST Currency Converterの無料プランでは、5種類の通貨を設定・変換することができます。

ボタン一つで通貨の追加ができるなど、操作性が高いのも魅力。ユーザーレビューではセットアップしやすく、サポートが手厚いと評価されています。

さらに有料プランには、顧客の所在地に応じて通貨を自動変換する機能が付いています。また小数点以下は削除できるので、分かりやすい料金表示ができますよ。

有料プランは9.95$/月ですが、30日間は無料体験できるので試してみるのも良いでしょう。

⑥【多通貨対応】自動通貨スイッチャー|無料プランあり!200種類以上の通貨に対応

自動通貨スイッチャー

引用:自動通貨スイッチャー|Shopify app store

  • 料金:無料~
  • 平均評価:★4.8

自動通貨スイッチャーは、無料プランのある通貨コンバーターアプリです。

自動価格変換機能が付いているため、多通貨での価格表示や決済が可能になります。200種類以上のISO通貨に対応しており、顧客が手動で通貨を選択することもできますよ。

さらに有料プランでは、IPアドレスからアクセス元の国を検出。自動で国に合わせた通貨表示をしてくれます。

サポートチームのレスポンスが速く、スムーズに利用できる点も、ユーザーから高く評価されているポイントです。

越境ECを成功させるための注意点3つ

越境ECを成功させるための注意点3つ

越境ECを始めることで、日本だけでなく海外でも商品・サービスの取引ができるようになります。

そしてShopifyは越境EC向きのプラットフォームであり、誰でも簡単に越境ECサイトを構築することが可能です。

一方で越境ECを始めるにあたっては、いくつかの点に注意しなければなりません。国内向けECサイトとは異なる準備が必要なので、事前に確認しておいてください。

1.多言語対応は必須

越境ECを始めるうえで、多言語対応は必須です。

商品説明が自分に分からない言語で書かれていたら、顧客はすぐにページを離れてしまうでしょう。反対に母語で書かれたECサイトなら、顧客満足度は高まり、コンバージョン率や売上の増加にもつながります。

そして多言語対応を行う際は、メインページだけでなく配送画面や注文確認メールまで翻訳できているか確認してください。

翻訳後はレイアウトが崩れていないか、ボタンの配置場所に問題はないかなど、全体のデザイン調整も必要です。また自動翻訳機能を使った場合は、翻訳におかしなところがないか確認しておくと安心ですね。

あわせて決済方法や配送手段も多様化しておきましょう。

2.国ごとのニーズを把握する

商品の海外販売を行う際は、国ごとのニーズを把握しておかなければなりません。日本で売れていた商品をそのまま海外販売しても、ニーズに合わずに売れないというケースはままあります。

顧客アンケ―トなどを行ったり、その国の文化や習慣について学習したりするなかで、少しずつニーズが見えてくるでしょう。

また効率的にマーケティングを行うためにも、ぜひ市場調査を行ってください。そのうえで具体的にターゲットを絞り、ペルソナを設定すると良いですね。

越境ECを成功させるには、その国に合った商品を展開することが重要です。

3.国の法律を確認しておく

越境ECを行う際は、国によって取扱いできない商品があったり、個人情報の規制が日本と異なっていたりと、法規制に関する課題もあります。

前もって審査や登録が必要な商品もあるので、事前にその国の法律を確認しましょう。違反してしまった場合は、罰金や刑事処罰が科せられる可能性もあります。

関税や税金についても情報確認が必要です。特に関税は購入者に支払い義務があるため、顧客の想定より高い金額となってしまうと、商品の受け取り拒否などのトラブルにつながりかねません。

関税については、ECサイト上で明確に表示しておくことをおすすめします。

通関手続きの遅れを回避するための6つのコツ
越境EC事業者が通関手続きで直面する可能性がある「通関手続きの遅れ」という課題を回避するための6つのコツをご紹介します。これらのコツを実践することで、通関手続きの遅れを回避し、海外市場でのビジネスを成功させることができるので、ぜひ確認しておいてください。
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Shopifyで越境ECサイトを構築して海外市場へ展開しよう

Shopifyで越境ECサイトを構築して海外市場へ展開しよう

本記事ではShopifyでの越境ECサイト運営を考えている方に向け、Shopifyの越境EC向け機能やShopifyを使った越境ECの始め方、おすすめのShopifyアプリなどを紹介してきました。

越境ECは実店舗を展開するよりも簡単に商品の海外販売ができるため、市場拡大を考えている方におすすめです。

そしてShopifyをうまく使えば、初心者でも簡単に越境ECサイトの構築・運営が可能です。機能が足りない部分はアプリを使って補いながら、企業に合った越境ECサイトを作成してください。

Shopifyでの越境ECサイト運営を成功させるには「Ship&co」がおすすめ

Shopifyアプリのなかでも、Ship&co出荷管理に特化したアプリです。

複数店舗のオーダーをまとめて管理できるうえ、送り状やインボイスの発行を自動化します。

煩雑な出荷業務を効率化することで、スムーズにECサイトの運営ができますよ。

運送会社ごとの送料比較も簡単にできるので、最安の発送方法を選択することが可能です。そのため発送コストを最小限に抑えられます。

インストールは無料なので、気になる方はぜひ試してみてくださいね。

アカウントの作成はこちらからどうぞ。ご不明点がございましたら、hello@shipandco.comまでお気軽にお問い合わせください。

皆様の出荷業務がより簡単になりますよう、全力でサポートして参ります!