EC業界では、「新規顧客を獲得しにくい」、「売上が横ばいになってしまう」といったセラーの悩みをよく耳にします。

待望のShopifyネットショップをローンチした後、できるだけ、このような課題を避けるためにも、ストア立ち上げ時からグロース施策を考慮する必要があります。しかし、EC事業者や小売企業が目指すべきグロース施策とはどのようなものか、よくわからないという方が多いでしょう。その答えを探すために、Shopifyのストア立ち上げから、自力でグロース施策を回せるようになるまで支援する『株式会社StoreHero』様に話を伺いました。

本記事では、Shopifyでサイト構築を考えている事業者様に向けた、新規ECサイト立ち上げ期の手間のかかるグロース施策で成果を出して軌道に載せていくまでの取り組み などを紹介します。

自社ECサイトの課題

まず、EC事業者には、どういった課題があるか一緒に見ていきましょう。

EC担当者向けの調査(2020)で「自社ECサイトにおける課題」を聞いたところ、トップは「売上拡大」で47.0%で、次いで「新規顧客獲得」が43.5%となるようです。また、以下のように他にも様々な課題に直面しています。

参考:ECの課題は「売上拡大」「新規獲得」。効果が高いと感じるSNSは「YouTube」

Shopifyストアの立ち上げ期のグロース施策は?

ストアの立ち上げ期のグロース施策とは主に何をすることなのか、StoreHero代表の黒瀬淳一様にポイントを説明していただきました。

1. ストア作りのポイント

ネットショップを制作するにあたり、売上の規模によって注意すべきことが異なりますが、共通のポイントもあります。ここでは、その共通点をご紹介します。

  • シンプルさ
    必要以上に複雑な仕様にせず「事業者にとって運用しやすいECサイト」を構築することです。複雑な仕様にすると運用コストが高くなります。立ち上げフェーズでは売り方を様々にテストしながらの運用になりますので、変更工数が高くなるような複雑な仕様は避けるべきです。
  • プラットフォームから評価されやすい設計
    現状、Instagram、Google、Twitter、Pinterestなどのプラットフォームを活用せずしてグロースすることは難しいです。各種SNSでシェアされやすいコンテンツ設計になっていることや検索エンジンから評価されやすいサイト構造やマークアップにしておくことは、最低限、気をつけておきたいポイントです。
  • データ収集/活用のしやすさ
    顧客をよく知るためにデータを集めることも大事です。データを集めるのも2つの意味があり、1つ目はアンケートフォームや診断、お気に入りなど、顧客にオプトインしてもらって収集するデータ。。2つ目は、Google AnalyticsやGoogleタグマネージャーなどで、無意識なものも含んだ行動データです(後者のデータもGDPRにより同意を得なければいけない流れになっています)。サードパーティCookieの活用が難しくなる中、こういったファーストパーティのデータを収集して商品開発、CRM、広告などに活用していくことがグロースにおいて重要になってきています。

立ち上げ時期のECストアは、こういった点を踏まえて、シンプルな仕様で立ち上げ、サイト公開後、データを少しずつ確認し、顧客と対話をしながらご自身の事業に合わせた売り方を作っていくことをおすすめします。

2. リリース前のマーケティング

ストアをリリースする前は顧客リストやフォロワーを収集するマーケティングが必要になります。事前にメール・LINEの登録者やSNSのフォロワーを集める施策を十分に行ってからリリースできれば、初日から売上を獲得することができます。

具体的には、ティザーページで登録者特典をつけてメール・LINEのリストを収集したり、SNSでのコミュニケーションやコンテンツ発信を通じてフォロワーを集めたりします。有名な事例では、カミソリのD2CブランドのHarr’sは立ち上げ時にティザーページにリファーラルプログラムを組み合わせて多くのリスト収集に成功し、その後の同社のグロースに大きく貢献しました。Harr’sと同じ手法は今はあまり通用しづらくなっていますが、リリース前に見込み顧客を集める施策は、依然として重要です。

3. リリース直後のUGC施策

UGCというのは、User Generated Contentsの略で、ユーザー生成コンテンツを意味します。新しいブランドは信頼性が低いため、UGCによって第三者から評価してもらうことが非常に重要です。リリース初日からUGCを集めるべく、購入者にメールやDMでSNS投稿やレビューを依頼します。

UGC投稿をすると、クーポンなどの特典が付与されるというキャンペーンもよく見る手法の一つです。UGCにインセンティブをつける施策を多用するとUGCの信頼性を落としますが、顧客が少ない初期にUGCをブーストさせる手法として実施しても良いでしょう。

4. 起動に乗るまでのオーディエンスビルディング

EC事業者は、広告を積極的に配信する前にオーディエンスを構築すべき、と黒瀬様は言います。

GoogleやMetaの広告は、学習データが蓄積されることで精度が高くなります。立ち上げフェーズは、購入者が少ないため、学習データが少なく、広告の配信精度が良くない事が多いです。更には、立ち上げ時期は、上述したUGCも少なくCVRも低いため、広告の費用対効果が悪くなりがちです。

そこで、立ち上げフェーズでは、GoogleやMetaの広告の学習を促すためのオーディエンス作りに注力することが重要です。リリース前から収集しておいたメールリストやSNSフォロワーが、そのオーディエンスにあたります。

リスト収集の方法は色々とありますが、診断コンテンツは便利な方法の1つです。例えば、悩み診断コンテンツを使って、質問メールアドレスを収集する場合、商品購入よりハードルが低いため、メールアドレスが取得しやすくなります。

5. 広告、CRM、SNS運用などの基本的なデジタルマーケティング

「売上獲得」「見込み顧客獲得」「新規集客」の3つの柱を軸に、バランス良く最適化することがグロースの運用において大事です。

StoreHeroの代表 黒瀬様は、次のように説明してくださいました。

「デジタルを活用してコマース事業をグロースさせていくには、多様なチャネルを横断的に活用することになります。

ECサイトだけ、広告だけ、SNSだけで売上が伸びることはありません。広告で初回接触を持った後、すぐには買わず、SNSのフォローをして日常的に接するようになり、商品に興味を持ち、第三者のレビューやSNSにも接触し、メルマガも購読するようになり、最終的に購入する、といったように、様々なチャネルを横断して購買に至ることが多いです。

それを踏まえると「広告・CRM・SNSなどのコミュニケーションを分断せずに連動させること」がポイントです。小規模な事業者であれば、1人でやっていたりするので自然と連動できている場合が多いですが、会社によっては部署が分かれていたりすることもあるので、広告では新商品の告知しているのに、SNSでは売れ残った在庫の再提案をしているなど、訴求が一貫してないこともあります。訴求がブレていると、顧客が混乱しCVRが低下します。そこは、チャネルが違えど、同じオーディエンスに対しては、同じコミュニケーションを取っていく部署や担当者間の連動性が大切です。」

StoreHeroのグロース支援サービス

最後に、StoreHeroのグロース支援サービスとは何か、ご説明します。

「2023年、StoreHeroはグロースワークフローを武器にShopify×グロース分野でグローバルNo.1を目指します、と宣言させていただきました。

StoreHero - Shopifyコンサルティング・構築 | Shopify Consulting & Development (ストアヒーロー) - Shopifyで10年後のコマースのスタンダードを作る
StoreHeroはコマースビジネスの10年後のスタンダードとなるマーケティングチャネルをShopify上に作るべく事業展開しています。Shopify×グロースハック、Shopifyストア構築・機能開発、Shopify活用ソリューションの提供をグローバルに行っています。

継続的に売り上げを伸ばしていこうとすると、市場機会を見つけて、その機会をものにするために広告、CRM、SNSなど、各種施策を連動させて素早く実行することが大切です。月商数百万円ぐらいまででしたら、ある程度経験のある方でしたら1人できるため、連動性が問題にならないかもしれませんが、それ以上の規模になってくると、複数の人が関わってくるので連動性が悪くなりやすいです。

そうならないために、グロース施策のベストプラクティスを、ブランドや商品、チームに合わせて落とし込んだワークフロー作って運用できるように支援をさせていただいています。

そうすることで、部門横断での売上を作る動きが自然にできるようになり、チームメンバーが増えたり、リテラシーが高くないメンバーが入ってきても、着実にグロースを続けることができるようになります。

なので、広告運用のアドバイスやSNSのアルゴリズムの攻略方法などのテクニックももちろん大事ですが、そのテクニックをワークフロー化して社内に定着しているのかを重要視しています。グロースワークフローをコマース事業者さんに実装して、それを通じて継続的に売り上げを伸ばしていくことが我々のサービスの根幹です。

1000万円程の売り上げがある中小規模の会社は、ECのためにたくさんの人員(5〜10人など)を割り当てる事は少ないのに、事業を軌道に乗せるためには意外にやる事が多いので、1人にかかってくる負荷が結構大きいと思っています。そのため、Ship&coのようなサービスを使ってバッグヤードの業務を効率化して、余った時間をグロースのために使って売り上げを伸ばしていただくのは大変意義があると思います。」

さあ、グロースモデルで事業を拡大してみたらいかがですか?

自社ECサイト立ち上げ期のグロース施策をご紹介しました。Shopifyストアを立ち上げたい事業者、Shopifyストア運営を始めたばかりの事業者など、それぞれの施策を皆様の事業に合わせて一度検討してみてはいかがですか?

繰り返しになりますが、Shopifyストア構築をして、基本的なデジタルマーケティングを導入すると、ある程度までは売り上げを伸ばすことができます。ただし、売上が横ばいにならないように、右肩上がりを目指すには、オーディエンスビルディングに向けたアクションを起こすことはとても重要になります。

StoreHeroについて詳しく知りたい方は、こちらのリンクをご確認ください。