「最近よく聞く越境ECって何?」
「海外にも販路を広げたい」
「ECサイトの運営を効率化したい」
こんな思いのある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
昨今ではスマートフォンやパソコンの普及に伴い、気軽にインターネットで商品を購入できるようになりました。商品を販売するのも容易になり、個人でECサイトを運営している方も増えています。なかでも近年注目を集めているのが、海外との取引を行う越境ECです。
ただ越境ECについてはよく知らない方も多いため、本記事では越境ECの概要やメリット・デメリット、始め方などを詳しく解説します。
越境ECにおすすめのシステムも紹介するので、ECサイトの運営にお役立てください。
越境ECとは?
ECとはElectronic Commerce(電子商取引)の略で、インターネットを介して商品やサービスの取引を行うことを指します。近年では自宅で気軽にネットショッピングができるようになったために、EC市場は大きく広がりました。
そして越境ECは、国を超えて行う電子商取引を指します。日本から海外の商品を注文するケースもあれば、反対に海外の顧客が日本の商品を注文するケースもありますよ。
アメリカのAmazonやeBay、中国の天猫国際、シンガポールのShopeeなど、越境ECに対応したECモールも増えています。
近年の越境EC市場規模は拡大している
経済産業省の報告によると、2022年の日本における越境EC購入額は3,954億円でした。これは前年比+6.1%となっています。
同様にアメリカでは2兆2,111億円(前年比+8.3%)、中国では5兆68億円(前年比+6.2%)となっており、越境ECは世界的に急激な拡大を見せています。
なかでも中国は市場規模が大きく、日本からの配送コストも抑えられるというメリットがあります。そのためこれから越境ECを始める方にとっては、おすすめの国の一つです。
今後のEC市場も拡大が続き、市場規模としては2022年の5.44兆USドルから、2026年には7.62兆USドルにまで上がると予想されています。
参考:電子商取引に関する市場調査の結果(METI/経済産業省)
インバウンド需要の増加が越境ECの拡大につながる
インバウンド需要とは、外国人観光客が日本を訪れた際、日本の商品やサービスを購入することです。私は中国人観光客が爆買いしている様子をテレビで見た経験がありますが、これもインバウンド需要の一つです。
そしてインバウンド需要が増えると、越境ECにも影響を与えます。それは外国人観光客が日本で購入した商品を、現地に戻ってからECサイトで再購入するケースがあるため。帰国後のリピート購入を狙ってインバウンド需要を取り込むのも、越境ECの拡大につながるのです。
反対に日本人が海外で消費活動をすることは、アウトバウンド需要と呼ばれます。アウトバウンド需要も同様に、越境ECの拡大に影響しています。
越境ECのメリット3つ
ECサイトの運営者が越境ECサイトを持つことには、さまざまなメリットがあります。主なものに、以下の3点が挙げられます。
1.販路拡大につながる
越境ECを行えば、国内だけでなく海外の顧客も取り込めるので、販路拡大・売上増加につながります。日本より市場規模の大きい中国やアメリカをターゲットにすれば、より大きな需要拡大が見込めるかもしれません。
商品やサービスの種類によっては、国内需要よりも国外需要のほうが高くなる可能性もあります。国内向けのECサイトでは需要拡大が見込めないケースでも、越境ECが現状を打開する一助となるでしょう。
2.低リスクで出店・運営ができる
海外に実店舗を出すには、かなりの労力や費用がかかります。言葉や習慣などの壁もあるため、現地で人を雇用、運営していくのも大変ですよね。一方でECショップの場合は、個人経営でも低コストかつ低リスクで出店することが可能です。
既存のECプラットフォームなどを利用すれば出店までに時間がかからないうえ、運営の負担も軽く済みます。
実店舗と比べて出店も運営もしやすいため、海外展開を狙っている方は、まず越境ECから始めても良いでしょう。
3.ライバルが少ない可能性がある
商品によっては、たとえ日本国内の競合他社が多くても、海外ではあまりライバルがいないというケースがあります。さらに日本製品の品質の良さは海外でも評価されることが多く、「日本製」ということが一つの付加価値になるケースも珍しくありません。
そのためうまくリサーチしながら越境ECを行えば、ライバルが少ないなかで多くの需要を取り込むことができるでしょう。
越境ECのデメリット3つ
越境ECには多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。あらかじめデメリットについても理解しておき、対策を練っておきましょう。
1.言語や習慣が異なる
国によって言語が異なるため、多言語対応が必須です。商品説明を英語にする、問い合わせに対して複数言語で答えるなど、国に合わせた対応が求められます。
さらに言語だけでなく商習慣も大きく異なるため、「日本の当たり前」を捨てて考えなければなりません。もちろん国によって法律や規制も異なります。下調べを入念に行い、うっかり違反することのないよう注意してください。
2.配送にコストと時間がかかる
日本から海外へ発送するには、国内発送と比べて多大なコストや手間がかかります。発送手段によっても変わりますが、受注してから実際に顧客の手元に届くまでの日数も長くなってしまうでしょう。
配送料だけでなく、手数料や関税がかかってくる場合もあります。商品の価格設定によっては売上がコストを下回るリスクもあるため、事前に試算しておくと良いですね。
3.為替変動の影響を受ける
外貨での取引は、為替変動の影響を受けてしまいます。たとえば1ドル=100円の場合、10ドルの商品が売れれば1,000円の売上となりますね。一方で1ドル=90円の場合は、10ドルの商品が売れても売上高が900円に下がってしまいます。
もちろん自社のECサイトがあれば、日本円で決済をすることも可能です。その場合は為替変動の影響は受けませんが、海外顧客にとっては利便性が低下する可能性があります。利便性のために為替変動のリスクをとるか、利便性を下げてリスクを回避するか選ばなければなりません。
越境ECのやり方【4つの方法】
越境ECを始める大まかな流れは、以下のとおりです。
- 取り扱う商品を選定する
- ターゲットを設定する
- 出店方法を決める
まずは海外で売りたい商品、つまり越境ECで取り扱う商品を選定しましょう。
国内向けの商品とはラインナップも変わってくるはずです。ただ、国や地域によっては取扱いが難しい商品もあるので、下調べが大切になります。
商品が決まったら、ターゲットを設定してください。
初心者には、市場規模が大きく物流コストも抑えられる中国がおすすめですよ。ターゲットが決まったら、法律や関税についても詳しく調べておきます。
そして越境ECの出店方法は、大きく4種類に分けられます。詳しく見ていきましょう。
①ECモールに出店する
最も始めやすいのが、既存のECモールに出店する方法です。ECモールとは、オンライン上に複数の店舗が集まっている百貨店のようなもの。
越境ECに対応しているモールには、たとえば以下があります。
- 日本:海外パートナー旗艦店(楽天)
- アメリカ:Amazon、eBay
- 中国:天猫国際、JD.com
- シンガポール:Shopee など
ECモールに出店する場合、すでにモールそのものに顧客がついているため、ゼロから集客する必要がありません。出店の手間もかからないので、初心者が越境ECを始める際にはおすすめです。
一方で手数料が高く、月額料金も発生します。コストがかかる分、利益率が下がる点はデメリットといえるでしょう。
②自社のECサイトを作る
自社で越境ECサイトを構築すれば、手数料はかかりません。運営ルールやデザインを自分で決められるのもメリットといえます。一方でデメリットは、既存顧客がいないため、ゼロから集客しなければならない点です。
自社のECサイトを作るには、自分で開発するか、ECプラットフォームを活用します。
以下は越境ECに対応しているプラットフォームの例です。
- Shopify
- BASE
- STORES
- Wix など
Shopifyはカスタマイズ性に富み、独自性を出しやすいのが特徴です。BASEやSTORESは独自性が出しにくい分、簡単にサイト構築ができますよ。またWixは、多言語対応のホームページ作成に強いです。
③保税区を活用する
保税区とは、課税されない状態で外国貨物の保管ができる区域を指します。
通常の越境ECでは、日本から海外へ荷物を届ける際に関税がかかります。また国を超えて発送するため、届くまでに時間がかかってしまいます。
一方、日本から一括発送して現地の保税区に商品を保管すれば、発送にかかるコストを抑えることができます。また注文が入った際は、倉庫から直接荷物を発送することができるため、配送時間も短縮できるのです。
中国国内には複数の保税区があるため、越境ECのターゲットとして中国を考えている方にはメリットの大きい方法です。ただし倉庫保管には費用がかかるので、安定した需要が見込める企業向きといえるでしょう。
④代行サービスを利用する
運営代行サービスや販売代行サービスを使えば、法律や言語、関税などの問題をすべて任せられるので、簡単に越境ECを始めることができます。
越境ECに強い代行サービスとしては、以下のものがあります。
- 株式会社飛躍
- j-Grab
- JUTOU株式会社
- 株式会社fcafe など
ただし代行サービスを利用すると手間がかからない分、代行費用がかかります。予算に余裕がある方は検討してみても良いでしょう。
このように、越境ECを始める方法はさまざまです。扱う商品や個人のスキルによって適した方法は異なるので、自分に合ったやり方を見つけてください。
越境ECを始める前の注意点
出店方法が決まったら、いよいよ越境ECサイトの構築・運営がスタートします。
その際は、以下の3点に注意しておきましょう。
- 取り扱う商品:国によっては輸出入ができない物がある
- 決済方法:慣習が異なるのでターゲットに合わせる
- 現地の市場調査:入念にマーケティング戦略を立てる
世界でも多く使われているのが、クレジットカード決済やデビットカード決済です。中国ではモバイル決済が盛んですし、PayPalなどのサードパーティがよく使われる地域もあります。
日本とはマーケティング戦略の立て方も異なります。たとえばSNSを使った集客も増えていますが、主流となるSNSは国ごとに違うため、下調べが重要です。
越境ECにおすすめの出荷管理システムShip& co
国内向けのECでも、「ピッキングに時間がかかる」「配送ミスが多い」など、出荷作業に課題を抱えているケースは珍しくありません。そして越境ECの場合、より配送に時間や手間がかかるため、どれだけ出荷作業を改善できるかがポイントとなります。
そこでここでは、越境EC向けの出荷管理システムShip&coについてご紹介します。
発送業務を効率化することで、出荷にかかる時間を大幅に短縮できますよ。
ShopifyなどのECプラットフォームに幅広く対応
- 従量課金プラン:33円/件
- 月額割引プラン:20円/件 ※月50件以上扱う場合
- 連携可能なECプラットフォーム:Amazon、eBay、Shopify、BASEなど
- 連携可能な運送会社:ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、Ninja Van、FedExなど
Ship&coは人気の高いECプラットフォーム・Shopifyをはじめ、さまざまなECプラットフォームと連携できるシステムです。さらに国内はもちろん、海外の運送会社とも幅広く連携可能。越境ECに必要なシステムをすべてつなげることができます。
クラウドベースの出荷管理システムなので、簡単に導入できるのもポイント。導入後も丁寧なサポートが受けられますよ。
発送業務を効率化して作業時間を90%短縮
Ship&coを使うと、2クリックで送り状の発行が完了します。最大50件まで一括で送り状の作成ができるため、出荷業務にかかる時間を20秒以内に短縮。運送会社のアカウントと連携しておけば、出荷ラベルの印刷もスムーズです。
送り状を発行したら、ECサイトで注文を「発送済み」としてマークし、追跡番号を連携します。ここの作業は自動化されるので、業務効率化が実現できます。
また、複数の運送会社の配送料が比較できるのもポイントです。より安い発送手段が一目でわかるため、越境ECの発送コストを下げることができるでしょう。
API連携で自社システムの機能強化も可能
Webアプリで利用するだけでなく、API連携にも対応しているのも特徴です。
API連携を行えば、自社システムに送り状の発行、配送状況の確認などの機能を実装可能。複数の倉庫を抱えていても、Ship&coでまとめて管理できますよ。
APIを導入した企業からは「導入コストを削減できた」「システムがリアルタイムで連動できるようになった」などの声が挙がっています。
越境ECで販路を拡大し売上アップを目指そう
本記事では、越境ECについて詳しく知りたい方に向け、越境ECとは何か、そして越境ECのメリット・デメリットや概要、越境ECの始め方を解説しました。
越境ECの市場規模は大きく、今後もより拡大していくと予想されています。言語や法律の違いなどの注意点はありますが、販路拡大の方法として、海外市場を検討するのも良いでしょう。
また越境ECは国内と比べて配送時間が長く、コストもかかるため、商品の配送が課題となります。
そこで出荷管理システムのShip&coを使えば、出荷にかかる時間を大幅に短縮し、発送業務を効率化することが可能です。複数の海外運送会社とも連携できますよ。
14日間の無料トライアルも可能なので、気になる方はぜひ試してみてください。
アカウントの作成はこちらからどうぞ。ご不明点がございましたら、hello@shipandco.comまでお気軽にお問い合わせください。
皆様の出荷業務がより簡単になりますよう、全力でサポートして参ります!