通関手続きの遅れを回避するための6つのコツ

通関手続きの遅れは、ビジネスにとって大きな問題です。遅延によって生じる余分なコストや損失は、企業にとって大きな打撃となります。そういった問題を回避するためには、適切な手続きと計画が必要ですので、今回は「通関手続きの遅延を回避するための6つのコツ」について紹介します。

これらのコツを実践することで、通関手続きの遅延を回避し、越境ECの発送・通関をスムーズに進めることができます。ぜひ参考にしてみてください。

通関手続きとは

通関手続き(Customs clearance process)とは、国境を越えた商品の輸出入において、税関などの関係機関が定める法令や手続きに従って行う手続きのことを意味します。具体的には、輸出入申告書の提出、関税・消費税・輸入付加価値税等の支払い、商品の品目分類、検査・調査などが含まれます。

通関手続きは、国境を越えた商品の移動を適法に行うために必要な手続きであり、国際貿易において欠かせない重要な役割を担っています。

海外に向けて商品を販売するEC事業者にとって重要で欠かせないステップです。通関手続きを適切に行うことで、海外にいる購入者へスムーズに商品を届けることが可能になります。

一方で、通関手続きに関する知識がない場合、手続きの複雑さが増してしまいます。それが原因で、手続きの遅れや誤りが生じてしまいます。そうなると、貨物の受け取りや配送などに影響が出るため、ビジネスにとっては重大な課題の一つです。

通関手続きの遅れを回避するための6つのコツ

越境EC販売を成功させるために、通関手続きの遅れができるだけ発生しないように適切な対応を取っておく必要があります。

それでは、通関手続きの遅れを回避するためのコツについて解説していきます。

1. 通関手続きに必要なすべての書類を正確に用意する

通関手続きに必要な書類は、輸出入によって異なります。EC事業者は、目的地国の関連法規や規制を確認し、必要な書類を把握することが重要です。例えば、輸出入申告書、コマーシャルインボイス、パッキングリスト、運送書類(ラベル)などがあります。

海外発送に必要な書類の作成におすすめしたいのは、シッピングツールの導入すす。FedExの場合、FedEx Ship Manager、DHLの場合、MyDHL+、UPSの場合、UPS WorldShipソフトウェアなどがあります。また、複数の運送会社を利用する場合、EC事業者向けの送り状発行システムShip&coもありますので、自社の配送業務に合っているシステムを選ぶことが大切です。

2. コマーシャルインボイスに貨物の詳細を明確に記載する

コマーシャルインボイスとは、輸出入において重要な書類の一つであり、正確な商品の説明を含むことで、通関手続きを円滑に進めることができます。

貨物の詳細に含まれる情報は以下の通りです。

  • 商品の名称
  • 数量と単位
  • 重量
  • 価格と通貨
  • 貿易条件(インコタームズ)
  • HSコード
  • 製造国・原産国

例えば、自社ECサイトでお弁当箱を販売する場合、商品の名称を「Bento box」ではなく、「Plastics; tableware and kitchenware」など素材や用途を分かるように表示すれば、通関手続きがよりスムーズになります。

商品の詳細が明確ではない場合、別途貨物の詳細を求められ、通関手続きが止まってしまう可能性があります。商品をスピーディーに届けるためにも、このポイントをしっかりと押さえておきましょう。

3. 貨物の価格を正確に申告する

税関へ輸出申告の際、商品の価値を正確に申告し、通関手続きを適切に行うことが求められます。

国によって異なりますが、インボイス記載の金額が申告価格(課税価格)とは限りません。支払価格に運賃・保険料・その他の加算要素を算入し、課税価格が計算されます。

EC事業者は、輸出貨物に対して実際に支払われた金額を申告する必要があります。また、関当局から要求された場合は取引の証明も提供しなければなりません。

覚えておくべき事は、貨物が贈り物や無償サンプルの場合でも、内容品の価格を記入しなければならない、ということです。内容品の価格が記入されていない場合、通関が遅れたり受取人に税関から確認連絡が入ることがありますので、できる正確に申告しておきましょう。


コマーシャルインボイスの記入方法については、以下リンクを参考にしてください。

販促キャンペーン適用時の、コマーシャルインボイスの記入方法について
この記事では、越境ECショップの販売促進で以下の様なサービスを提供する際のコマーシャルインボイスの記入方法や、通関の際に必要な注意点ついてご紹介します。

4. 通関申告書に貨物の輸送目的を記載する

EMSで発送する場合、「内容品種別」という欄があります。FedEx、DHL、UPSの場合も、貨物の輸送目的を記入しなければなりません。「輸出される商品が何であるか」、「何のために輸送されるのか」などの詳細を説明するための情報です。

内容品種別:贈物、商品見本(サンプル)、書類(無償)、商品、返送品、修理品、身の回り品、その他

5. 通関手続きに必要な追加の書類があるか確認する

通関手続きに必要な書類が不足している場合、関税・消費税の支払いが遅れることがあるため、必要な書類が揃っていることを確認することが重要です。

例えば、アメリカに食品を送る場合、FDA の事前申告番号(Prior Notice Confirmation Number - PNC#)を取得し、税関告知書に記載しておく必要があります。

また、危険物とみなされるリチウム電池が含まれる場合、安全な輸送のために規制に準拠した取り扱いが必要となるため、リチウム電池マークなどを梱包材に貼付する必要があります。

商品を輸出する際、商品が規制品・禁制品(リチウムバッテリー・危険物)類に含まれるかどうか、運送会社に確認してください。

6. 国によって通貨の規則が異なることを理解する

輸出入において、国によって通貨に関するルールが異なることを考慮することが重要です。最近、欧州で適用されたIOSS制度は、その例の一つです。

越境ECサイト運営を成功させるためにも、「国ごとに税関レート・課税対象額の合計金額が異なること」を意識しておきましょう。

まとめ

今回は、通関手続きの遅れを回避するための6つのコツをご紹介しました。

  1. 通関手続きに必要なすべての書類を正確に用意する
  2. コマーシャルインボイスに貨物の詳細を明確に記載する
  3. 貨物の価格を正確に申告する
  4. 通関申告書に貨物の輸送目的を記載する
  5. 通関手続きに必要な追加の書類があるか確認する
  6. 国によって通貨の規則が異なることを理解する

これらのコツを実践することで、通関手続きにおける遅延を最小限に抑えることができます。EC事業者として海外販売を行う場合、事前に適切な準備を行い、通関手続きをスムーズに進めることが重要です。


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Ship&coは、EC事業者が配送業務において直面する課題を解決するために開発された、送り状発行システムです。シンプルで使いやすいWebダッシュボードと出荷APIを提供しており、注文情報を自動的に同期し、FedEx、UPS、DHL、ヤマト運輸、佐川急便などの配送会社の配送ラベルとコマーシャルインボイスを簡単に作成することができます。Ship&coを使うことで、煩雑な手作業を省くことができ、配送業務の効率化と正確性の向上を実現できます。

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