EC市場が急成長する中、海外進出 (越境EC) を目指す企業は年々増えていますが、海外への販路拡大は簡単なものではありません。そこで今回は、英語越境ECサイトのWEBマーケティングサービスを提供し、コンサルティング業において数多くの実績を持つ世界ヘボカン株式会社 徳田祐希氏に、成功している企業の特徴や最近のトレンドを交えて「越境ECにおけるマーケティングのコツ」を伝授いただきました。


1. 顧客層について教えてください。どんなセラーさんが多いですか?また、どんなショップを使っていらっしゃいますか?

セラーさんの業種で言うと、中古車、中古医療機器、抹茶、化粧筆、ボクシンググローブ、剣道の防具、甲冑、サプリメント、化粧品、日本酒、現代アート、BtoB商材等、幅広く携わらせて頂いております。

使っているカートシステムはShopify、Magento、スクラッチの順番で多いですかね。

越境ECに取り組む2つのフェーズの企業
大きく分けて2種類のフェーズのお客さまがおります。
1つ目はこれまで国内でビジネスをしていて、これから越境ECに取り組む企業さま
2つ目は越境ECに取り組んでいたものの、伸び悩んでいる企業さまです。

前者の、これから越境ECに取り組む企業さまは、国内の需要減少に伴い、海外に目を向けております。国内の成功体験を生かしつつも、しっかり海外向けに調査やテストマーケティングを時間、コストをかけて進めている企業さまは成功率が高いです。

逆に国内の成功体験をそのまま再現しようとすると、市場の特性もユーザー属性も異なる為、痛い目に合う事が多いです。

一方で、後者の伸び悩んでいる企業さまは、越境ECビジネスを中心に取り組まれているケースが多く、これまで我流で海外の売上を伸ばせていたものの、更に売上を伸ばしていくために専門家に広告の運用やコンテンツマーケティング、戦略の見直しを行いたいとお考えの企業さまが多いです。

実際に私たちに相談頂いてマーケティング戦略を見直したことで年商30億→500億に伸ばした企業さまや売り上げが40倍に伸びた企業さまもおります。

2. Shopifyのメリットは何だと思われますか?

Shopifyのメリットはスタートラインに立つスピードが他のカートシステムと比べて圧倒的に早い事、そして運用コストが低い事だと考えています。

私たちは約12年にわたり越境ECのウェブマーケティングに携わっていますが、Shopifyの他にMagento、EC-Orange、Volusion、BigCommerce、スクラッチ等、様々なカートに日々触れています。

その中でShopifyが圧倒的にスタートラインに立つまでのスピードが早く、他のカートではエンジニアの介入が必要となるGoogle Analyticsのeコマーストラッキングや、かご落ちメールの設定がデフォルトの機能で対応可能です。

また、フィード広告周りの設定や会員登録促進施策等、ECサイトを運営する上で実施しなくてはならない施策もアプリを活用すればすぐに実施可能です。Ship&coのような発送の手間を軽減するようなアプリもあります。

越境EC対応のカートシステムの多くは国内でエンジニアが不足しており、ちょっとした修正でもコストがかかるものが多いです。そのせいもあって、スタートラインに立つまでにコストがかかり過ぎて、肝心のマーケティングに費用がかけられなかったり、コストがかかり過ぎてしまったりで越境ECサイトを作って終わりになってしまう事象が本当に多いです。

その点、Shopifyであれば制作や運用コストを抑え、マーケティングに予算を投下していけるため、最も越境ECで成功し易いカートだと言えます。サイトオーナーがサイト運営ではなく、より上流の戦略を考えるのに時間を使えるようになります。

3. 最近のオンラインマーケティングのトレンドについて、教えてください。

最近のトレンドとしてインフルエンサーを活用したマーケティングがあります。アジア、アメリカ、オセアニア、ヨーロッパ、どのエリアに販路を拡大するにしても、インフルエンサーは欠かせません。

また、ユーザーもマーケティングされていることに慣れています。その為、ただインフルエンサーを活用するだけでなく、インフルエンサーの特性と商品特性を組み合わせてどういった企画で拡散するかという部分がとても重要です。ただセレブリティがInstagaramで商品と共に写真を撮影するだけでは、意図したほど購買意欲は高まりません。

また、ソーシャルメディアだけでなく、自社サイト以外の外部メディアサイトで商品について言及してもらうPR活動は、商品を知ってもらうきっかけ作りとしてとても重要です。

アジアではInstagram、Youtube、Facebookが使われているもののTwitterはそこまで使われていない等、国やエリアに応じて使用されているSNSは異なる為、市場の傾向を把握しながらターゲットするエリアに応じてどういった施策をどういった順番で実施していくか考えていく必要があります。

また、トレンドを追いかける事も重要ですが、
・自社の商品がどういった悩みや課題を持っている人の役立つものなのか考える
・自分たちの伝えたい情報だけではなく、ユーザーの知りたい事をサイト上で伝える
・競合、市場を調査し、自社がどういったポジションを築いていくのか戦略を考える
といったマーケティングの本質的な部分をおさえた上で、時流にそったマーケティング施策を実施していく事が重要です。

4. どの国向けにどんな商品がよく売れていますか?

この質問はよく頂きます。(笑)

かつては東アフリカ向けに中古車がとても良く売れました。また、今で言うと化粧筆やお菓子の詰め合わせボックスが欧米で人気です。売れる国と商品の組み合わせは複数存在しますが、多くの企業が参入してきてブルーオーシャン(*1) が1年足らずでレッドオーシャン(*2) になってしまう事は少なくありません。
(*1) ブルーオーシャン: 競合相手がいない新しい市場
(*2) レッドオーシャン: ニーズが多い分参入企業も多く、飽和状態になっている市場

どういった市場に参入するにしても自社の商品力を高め続け、ポジションを築いていく。築いたポジションを崩されないようにしながらも、徐々にエリアやシェアを広げていく努力をし続ける必要があります。これは国内も海外も変わりませんね。

5. 国内EC、越境ECでマーケティングのポイントの違いは?

先程申し上げたように、マーケティングの本質的な部分は国内も海外も変わりません。その為、手法については大きくは変わりません。ただ言語、文化 (商習慣) が異なる為、市場の理解が不可欠です。

例えば、サイトに集客したとしてもターゲットするエリアで使用されている決済手段を採用していなければカート落ちしてしまいます。また、集客しようとしても彼らがどういった方法で情報収集し、意思決定しているかを知らずに広告を打っていれば、部分最適になってしまい、購買に導く事は難しいです。

現地の検索エンジンで商品を表すキーワードで検索した際に表示される競合サイトを見て、
① どのような決済手段が使われているか
② ECサイト内で訴求されている共通の判断基準のポイントは何か
③ 競合サイトのレビューを見た時にどんなユーザーがどんな事に価値を感じているのか
を見るだけでも市場、顧客の理解は深まるでしょう。

私たちが調査する際は、このような調査は勿論の事、実際に競合サイトから商品を購入し、実際に使用してみる。ターゲットユーザーに依頼し、自社、競合サイトを使ってみてもらい、改善の余地が無いかアドバイスをもらう等、徹底して研究するようにしています。

越境ECで継続的に売上を伸ばしていこうとする場合は、市場や顧客の理解を深めていく事は避けて通れません。管理画面の先にユーザーがおり、彼らの悩みや課題を解決しようとする姿勢、すぐに結果が出なくても諦めず取り組み続ける心が越境ECに取り組む企業さまには不可欠です。


世界ヘボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 (トクダユウキ)
1986年生まれ神奈川県出身。海外WEBマーケティングを専門で行う企業の取締役を経て、28歳の時に英語圏向け越境ECサイトに特化してWEBマーケティングを行う、世界ヘボカン株式会社を設立。欧米向け抹茶販売サイトの売上を20倍、東アフリカ向け中古車販売サイトで売上14.7倍 (35億→500億円) に伸ばす等、英語圏の越境ECプロジェクトで数多くの実績を残している。

英語越境ECサイトの改善コンサルティング、運用型広告、コンテンツマーケティング、SEOを得意とする。

世界ヘボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希氏

今回のインタビュー内容は以上となります。

海外向けのWEBマーケティングについて専門家の力を借りたいと思われている方、ぜひ一度世界へボカン株式会社に問い合わせをされてみては如何でしょうか。