消費者であろうとオンラインセラーであろうと、オンラインショッピングにおいて消費者の購買決定に影響する最も大きな要因の1つは「送料」であるという事実はご存知かと思います。

Pitney Bowesの2018年のグローバルEコマース調査によると、世界中で「送料」がオンラインショッピングの中断を招いた1番の理由でした。

引用:Pitney Bowes 2018年 グローバルEコマース調査

また、Rakuten and Slice Intelligenceの2018年の調査では、「送料」と「返品」がオンラインショップの消費者にとって不満材料の1番の理由であることがわかっています。

特に、消費者にとって早くて安い発送方法が当たり前になった日本ではさらに顕著に現れています。Netshopによる消費者調査では、「送料が高い」ことがオンライン消費者の不満の最大の原因という結果が出ています。

引用:Netshop

以上のことから、オンラインセラーにとって、送料の設定​​は売上と利益の両方に大きな影響を与える重要な決定項目であることがわかります。しかしながら、これは決して簡単な作業ではありません。考慮すべき多くのポイントがあります。それでは、どのような点を考慮すべきなのか、見ていきましょう!

送料設定における戦略

まず初めに、送料の設定における様々な戦略を理解しておくことが重要です。戦略は、主に2つあります。

送料無料

送料無料は、消費者満足度が一番高く、実装するのが簡単な戦略です。また、集客数を増やすためのマーケティング戦略にもなります。ただし、送料無料といっても必ずしも"無料"である必要はなく、何らかの形で利益を得るための方法もあります。

1)セラーが100%負担する:一番シンプルなのは、セラーが送料の100%を負担することです。しかしながら、やはりコストがかかることですので、まず現在のマージンがいくらなのか、そして送料100%を負担することによってカットされるマージンがいくらになるのか、事前に予想しておくことが大切です。

2)消費者が100%負担する:オンラインショップ画面では「送料無料」と表示しますが、送料を100%、商品価格に上乗せする方法です。

例えば、2,000円で商品を販売する予定で、送料が500円の場合、2,500円を商品価格として請求して「送料無料」にします。この方法は、単価が高い商品だとうまく利用できますが、単価の安い商品の場合は実装が困難です。

3)セラーと消費者の両方で負担する:セラーは送料の100%を負担するのではなく、部分的に負担する方法です。

例えば、購入画面では「送料無料」と表示しますが、商品代金に送料の50%を上乗せし、残りの50%はセラー側で負担します(例:2,000円の商品を2,250円で販売し、送料の残り250円はセラーが負担する)。

または、商品代金に送料の25%を上乗せし、25%を送料として請求し、残りの50%はセラー側が負担します(例:2,000円の商品を2,125円で販売し、送料として125円請求し、送料の残り250円はセラーが負担する)。これだと、たとえ送料がかかったとしても通常の4分の1の値段なので印象は悪くありません。

送料を直接請求する

当然、発生する送料を直接消費者に請求することもできます。送料の設定方法は以下の3つが挙げられます。

1)一律料金:荷物の重さやサイズ、宛先にかかわらず、一律の料金を設定する方法です。これは単純で手間のかからない方法ですが、基本的には重さやサイズがほぼ同じアイテムを扱っているセラー様におすすめです。

2)テーブルレート:取り扱っているアイテムの重さやサイズが異なる場合は、宛先、重量、アイテム数、合計金額などの要素を使って、レート表を作り、それに基づいて送料を設定できます。

3)ライブレート:一部のEコマースプラットフォームでは、運送会社の料金をリアルタイムで確認できます。このようにして、チェックアウト時に消費者に対して送料を100%公開することで、お店の利益を保持することもできます。

必ずしもどちらがいいという答えはありません。
送料無料で提供するのが一番良いと思われますか?興味深いことに、Netshopが行った別の調査では、消費者の48%が送料を売り手と買い手で分担するべきだと考えているのに対し、売り手が全額負担しなければならないと考えているのは15%のみなのです。

引用:Netshop

これは、送料設定において従うべき厳密な「ルール」がないことを意味しますが、各セラーは自身のビジネスに最適な戦略を考え出す必要があります。送料無料にするか送料を請求するか、どちらかに決めるのではなく、色々な組み合わせも存在します。以下に一般的な例を挙げてみましょう。

通常配送のみ送料無料にする:通常配送の場合のみ送料無料を提供し、翌日または同日配達の場合は送料を請求します。

ある特定の重量までは送料無料にする:制限重量を決めて、その重量までの貨物に対して送料無料を提供します。それ以上の場合は、送料が高くなる可能性があるため、一部または全額送料を請求します。

一定額以上は送料無料にする:これは、うまく設定すればより多く買ってもらえるチャンスにもつながります。例えば、平均購買料金が8,000円の場合、顧客の購買料金を伸ばすために1万円以上で送料無料を提供します。そうすると、送料をまかなうためのマージンを増やすことができます。

店内ピックアップ:オンラインショップの他に実店舗がある場合は、顧客が店でピックアップするオプションを提供することで、セラーと顧客との新たなを交流を生み出す良い機会にもなる可能性があります。

まとめ

送料設定は、様々なことを考慮する必要があるので、決して簡単なことではありません。

もし今、これからECを始めようと思っていたり、配送について見直そうとお考えなら、何が1番の目的なのか優先順位をはっきりと明確にすることが大切です。例えば、目的があなたのブランドの認知を高め、短期間で急速に注文数を増やすことであるならば、送料無料を使用することはとても良いマーケティング戦略かもしれません。

どのオプションを選択するにしても、最も重要なポイントはテストをしてみることです。実際に試してみて、シミュレーション結果を確認してください。結果から学び、より良いものに変え、そしてもう一度テストしてください。多少時間がかかるかもしれませんが、ビジネスにおける様々な段階で、この繰り返しのプロセスを通して最適なものが生まれるのは確かです。