Shopify店舗を立ち上げる際、自社に合うShopifyアプリを選ぶことはとても大切です。中でも出荷に便利な「配送アプリ」においては、自社の独特な出荷プロセスに合うアプリをよく吟味しなければいけません。
国内向けに発送しているEC店舗でも、近い将来、越境ECにも販路を拡大する可能性があるため、長く使い続けられる配送アプリを最初から導入しておくと良いでしょう。
とはいっても、ストア立ち上げ時から、各アプリの特徴や違いをはっきり理解することは簡単ではありません。
そんな課題に直面しているShopifyマーチャント様に向けて、日本のShopifyアプリストアに登録された「Shopify配送アプリ」について具体的にご説明します。
この記事を読めば、Ship&coアプリ、プラスシッピングアプリ(+Shipping)、Japan order CSVアプリ、配送マネージャーアプリの違いがわかるようになるので、Shopify配送アプリの選定の役に立てるかと思います。
*配送アプリについてよく分からないという方は、以下リンクを参考にしてみてください。
日本生まれのShopify配送アプリのサービス概要
まずは、Ship&coアプリ、プラスシッピングアプリ(+Shipping)、Japan order CSVアプリ、配送マネージャーアプリ、それぞれの特徴を簡単にご紹介します。
1. Ship&coとは
Ship&co(シップアンドコー)とは、店舗から受注データをリアルタイムに同期し、国内・海外の運送会社の送り状・インボイスを簡単に発行できる配送管理アプリです。エクセルやCSVを使わずにShip&coの店舗との自動連携で出荷処理を完了できます。
Ship&coアプリは、「複数EC店舗のオーダーの一元管理」から、「送料の比較」「送り状・インボイスの発行」「受注ステイタスの自動更新」「追跡番号の同期」「発送通知メールの自動送信」までの一連の出荷作業を1つのインターフェイスで完了します。
このアプリは、2008年にShopifyにて弁当箱輸出事業 (Bento&co) を開始し、約100カ国のお客様に向けて発送しているShopifyマーチャント 兼 Shopifyパートナーである株式会社BERTRANDが直面した物流の課題を解決するために自社で開発した、ShopifyセラーによるShopifyセラーのための配送管理アプリです。
2. プラスシッピング(+Shipping)とは
プラスシッピング(+Shipping)とは、Shopify店舗の管理画面から、ゆうパック・ゆうパケットの送り状を簡単に発行できる配送管理アプリです。
プラスシッピング(+Shipping)は、Shopify店舗の管理画面内で送り状のかんたん発行から、日本郵便の「ゆうパック・ゆうパケット」の配送料金の事前決済といった特徴のほか、プラスシッピングユーザー限定に提供される日本郵便の配送料で便利に良いコスパで出荷できるという大きなメリットがあります。
このアプリは、日本を代表する三井物産株式会社が2022年に開発・提供開始したShopifyアプリです。EC初心者にとって手間のかかる配送会社との個別契約が不要になるので、「割高な運賃」課題を解決するための配送管理アプリです。
3. Japan order CSVとは
Japan order CSVとは、Shopifyの受注データCSVをShopifyの標準CSVと同じ構造のまま、文字化けしないShift-JISフォーマットで出力できる配送管理アプリです。
Japan order CSVは、ヤマト・佐川・日本郵便のフォーマットに対応しており、ヤマト運輸「B2クラウド」(ネコポス含む)、佐川急便「e-飛伝Pro/e-飛伝II/e-飛伝III」、日本郵便「ゆうパック」「クリックポスト」のフォーマットを出力できる機能があります。
このアプリは、Shopify Plus パートナーのフラッグシップ株式会社が2018年に提供を開始しました。各運送会社が提供する送り状発行システム(オンラインシッピングツール)で送り状をスムーズに発行できるように適切なCSVフォーマットを用意するための配送管理アプリです。
4. 配送マネージャーとは
配送マネージャーとは、Japan order CSVと同じく、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の送り状作成CSVフォーマットをShopify管理画面内で用意することができる配送管理アプリです。
配送マネージャーは、国内発送にフォーカスしており、注文情報の一括出力、運送会社の送り状発行システムで発行した追跡番号をShopifyに取り込むことができます。「ヤマトB2クラウド」、「佐川e-飛伝」、「ゆうパックプリント」でのShopify外部の送り状発行業務を簡単に済ませることができます。
このアプリは、マーケティングとクリエイティブのエージェンシー、株式会社カシミラが開発したShopifyアプリで、CSVアップロード・ダウンロード業務をカンタンにスムーズに行うことを支援する配送管理アプリです。
日本生まれのShopify配送アプリを比較
ここからは、Ship&coアプリ、プラスシッピングアプリ(+Shipping)、Japan order CSVアプリ、配送マネージャーアプリ、それぞれの特徴を比較していきます。
1. Shopify管理画面内・外の操作
Ship&coの場合、Shopify管理画面外から操作して送り状を発行します。アプリ画面は、以下のようになっています。
プラスシッピングの場合、Shopify管理画面内から操作し、送料を支払い、送り状を発行します。アプリの操作画面は、以下の通りです。
Japan order CSVの場合、Shopify管理画面内から操作し、CSVファイルをダウンロードします。アプリの操作画面は、以下の通りです。
配送マネージャーの場合、Shopify管理画面内から操作し、CSVファイルをダウンロードします。アプリの操作画面は、以下の通りです。
Shopify管理画面内で操作する場合、一つの画面から全てを管理できるというメリットがあります。一方でデメリットとして、出荷の担当者が直接注文情報を触ることになるので、誤って注文を編集するなどのミスが発生しやすい点があります。
2. 送り状発行機能
アプリ内から送り状を発行できるのは、Ship&coとプラスシッピングの2つです。
Japan order CSVアプリと配送マネージャーアプリの場合、上記にも記載の通り、CSVファイル出力のためのアプリとなっているので、「ヤマトB2クラウド」、「佐川e-飛伝」、「ゆうパックプリント」などの運送会社のシッピングツールを使って、Shopify外部で送り状発行業務を行う必要があります。
3. 国内発送機能
Ship&coアプリの場合、日本郵便(ゆうパック・ゆうパケット)、ヤマト運輸、佐川急便での発送に対応しています。一方で、プラスシッピングの場合、日本郵便(ゆうパック・ゆうパケット)にのみ対応しています。
Japan order CSVアプリと配送マネージャーアプリの場合、「ヤマトB2クラウド」、「佐川e-飛伝」、「ゆうパックプリント」の送り状を発行できるCSVフォーマットを用意する機能があります。アプリ内から直接送り状を発行する機能ではありませんが、CSV取り込みにより、日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便の全ての配送オプションに対応できるとも言えるでしょう。
4. 海外発送機能
海外発送に対応しているのは、Ship&coのみです。
プラスシッピング、Japan order CSV、配送マネージャーの場合、国内発送にフォーカスしてサービスを提供しています。Ship&coの場合、FedEx、DHL、UPS、国際郵便での発送にも対応しています。
5. 自社の運送会社契約アカウント利用
自社でお持ちの運送会社契約アカウントを利用できるのは、Ship&co、Japan order CSV、配送マネージャーです。
ヤマト運輸の「クロネコメンバーズカード」や佐川急便の「スマートクラブ for business」など法人割引契約を既にお持ちの事業者におすすめです。
プラスシッピングの場合、プラスシッピングユーザー向けの割引を利用して発送できるため、契約アカウントがない小規模事業者におすすめです。
6. 複数EC店舗対応
プラスシッピング、Japan order CSV、配送マネージャーの場合、Shopify管理画面から操作するアプリなので、Shopifyのみ連携しています。
一方、Ship&coアプリは、Shopify以外に、eBay、Amazon、Etsy、BASE、カラーミーなど複数のECショップに対応しています。
7. 注文データ自動同期
Ship&coの場合、注文データをリアルタイムで同期し、そのままデータを利用して送り状を発行できます。プラスシッピングの場合、Shopify管理画面からそのままデータを利用して送り状を発行できます。
一方、Japan order CSVと配送マネージャーの場合、注文の自動同期ができず、CSVファイルの出力と取込を通じて、外部システム(運送会社のウェブシッピングツール)で送り状を発行できます。
8. アプリ上での発送通知メール自動送信
アプリ上で送り状を発行したタイミングと同時に購入者への発送通知が可能なアプリは、Ship&coとプラスシッピングです。
配送マネージャーとJapan Order CSVは、運送会社から発行された追跡番号を一括出力したタイミングで、購入者に発送通知の送信が可能のようですが、手動の対応が必要となるので、自動ではありません。
9. 配送日時指定
「配送日時」を自動的に指定できる機能が備わっているのは、配送マネージャーとプラスシッピングのみです。
しかし、「送り状を発行する際に配送日時を指定すること」は、Ship&co、プラスシッピング、Japan Order CSV、配送マネージャー、のどのアプリでも可能です。
Ship&coアプリの場合、Shopifyの配達日時指定アプリをご利用の場合、Shopify管理画面にて「詳細 / Note Attributes」と表示され、その情報は、送り状を発行する際にShip&co画面にも反映され、確認できるような仕様になっています。
10. 月額利用料
Ship&coの場合、ご利用量 (送り状発行件数) に応じて、送り状発行費用のみ請求する仕組みです。例えば、出荷件数1件の場合$0.25、出荷件数50件の場合$9、出荷件数2000件の場合$240など、出荷数が多ければ多いほどお得に送り状を発行できます。(※配送料は運送会社に直接支払います)
プラスシッピングの場合、ご利用量によってサービスの費用が異なり、「送り状発行費用」と「配送料」をプラスシッピングに直接支払う仕組みです。例えば、出荷件数50件の場合$14.90〜、出荷件数51件~100件の場合$20.80〜、出荷件数101件以上の場合$29.70〜などです。
Japan Order CSVの場合、無料プランですと1度に100件までCSV出力ができますが、有料のコンプリートプランに登録すると$29.99が発生し、1度に2,500件までCSV出力が可能になるほか、ダウンロードできるCSVフォーマットに違いがあります。(※配送料は運送会社に直接支払います)
配送マネージャーの場合、無料プランですと1度に10件までCSV出力ができますが、有料のコンプリートプランに登録すると$9.9が発生し、また、使える機能が多くなります。(※配送料は運送会社に直接支払います)
まとめ
以上、各Shopify配送アプリの違いについて、少し主観も混ぜながらお伝えしてきました。
Shopify配送アプリが提供している機能はそれぞれ異なるので、Shopifyストアを準備する際、実際にアプリを使ってみて、自社に合う・使いやすいと感じた方を使うのが最善だと思います。
送り状発行システムShip&coとは?
Ship&coは、EC事業者が配送業務において直面する課題を解決するために開発された、送り状発行システムです。シンプルで使いやすいWebダッシュボードと出荷APIを提供しており、注文情報を自動的に同期し、FedEx、UPS、DHL、ヤマト運輸、佐川急便などの配送会社の配送ラベルとコマーシャルインボイスを簡単に作成することができます。Ship&coを使うことで、煩雑な手作業を省くことができ、配送業務の効率化と正確性の向上を実現できます。
アカウントの作成はこちらからどうぞ。ご不明点がございましたら、hello@shipandco.comまでお気軽にお問い合わせください。
皆様の発送業務をより簡単になりますように全力でサポートして参ります!