2023年7月6日 (木)、福岡でShopiy配送アプリShip&coとグローバルな物流サービスFedEx Expressの2社によるミートアップが開催されました。

本イベントでは、九州在住のShopify利用者の方々を対象に、Shopifyを使ったEC店舗の集客方法や越境EC販売に役立つ設定についての情報を提供しました。また、FedEx Expressは、越境EC販売に人気の日本の商品や海外発送時の注意事項などについて詳しく解説しました。さらに、Shopifyマーチャント同士が交流し、ネットワーキングの機会が設けられました。

登壇者紹介
本イベントでは、株式会社BERTRAND(Ship&coとBento&co)の代表であるベルトラン・トマが登壇しました。ベルトランは自身もShopify利用者として、店舗運営のコツについて詳しく解説しました。続いて、FedEx Express地域担当営業の岡田義正氏は、越境ECのトレンドや海外発送前に知っておくべき注意事項を紹介しました。

それでは一緒に、イベントの内容を振り返っていきましょう!

Shopifyで集客するには?

Shopify店舗を立ち上げた後、さまざまなECサイトのマーケティング施策を試し、その結果を学びながら改善していくことが重要です。

今回のミートアップでは、Ship&coとBento&coの代表であるベルトランの経験に基づき、予算をかけずに集客する方法として、SEO対策、SNS運用、コラボマーケティングなどを紹介しました。さらに、SNS広告やGoogle広告などの広告方法についても解説しました。

SNSを活用して顧客接点を創出する

Shopifyで自社のECサイトを立ち上げた後、無料で集客する方法として「SNS運用」がお勧めです。これは、予算をかけずにすぐに実施できるマーケティング施策です。

Bento&coでは、日本の弁当箱を海外に向けて販売しているため、SNS運用のターゲット層は日本に興味を持つ人々です。コンテンツには商品の紹介だけでなく、日本旅行の雰囲気や日本の文化なども取り入れています。Facebook、Instagram、TikTok、Pinterestなどのプラットフォームを活用し、これらのSNSは顧客との接点となるため、ShopifyストアのURLへのアクセスを容易にするためのリンク設定も行っています。

また、それぞれのSNSプラットフォームは、独自のユーザーの属性を持っているため、自社のブランドに最も適したものを見つけることが重要です。たとえば、今回の福岡のミートアップで出会ったレトロゲームの販売業者は、Discord、Reddit、YouTubeなどで関心の高い海外の顧客を見つけ、そこからビジネスを展開したそうです。

Podcastなど新しい接点として活用してみる

SNS運用に加えて、新たなマーケティング手法を探求し、ブランドの可視性を向上させることも重要です。Bento&coでは、2023年から英語のPodcastを始めました。日本食文化に興味を持つ海外の人気ブロガーやシェフを招き、興味深いトピックで配信しています。

これらの戦略は、高額な広告に比べてより多くの価値を提供し、ブランドイメージを構築し、広いターゲット層にアピールするのに役立ちます。

越境EC販売の売上を倍にするメルマガ配信

越境ECでは、メルマガの活用が非常に重要です。Shopifyストアで商品を購入する際、顧客は必ずメールアドレスを入力します。

その方法から取得したメールアドレスを活用して顧客をグループに分け、クーポンの配布やセール情報などのプロモーションを配信することができます。

Bento&coでは、Shopifyのメルマガ配信アプリ「Klaviyo」を使用しています。特定の顧客セグメントに対してメルマガを配信したり、メールコンテンツのA/Bテストを行うことができます。Shopifyアプリストアに登録されているメルマガアプリを利用して、顧客との直接的なつながりを提供し、パーソナライズされたコンテンツを提供することでエンゲージメントとコンバージョンを促進しましょう。

Google広告、Meta広告でEC売上アップ

Shopify店舗を一定期間運営し、一定の安定した売上を得た後は、広告に予算を割くことをおすすめします。Google広告やメタ広告を活用して、自社のECサイトの販売を向上させることができます。初めは難しいかもしれませんが、広告費を最適化し、リーチを拡大するために広告代理店の利用も検討することをおすすめします。

コラボレーションマーケティングでファンを増やす

コラボレーションマーケティングは、他の企業やブランドと協力関係を築くことで、ファンの拡大とブランドの知名度向上を図る有力な手段です。

Bento&coでは、フランス人の有名なシェフでありYouTuberでもある「Gastronogeek」とのコラボレーションマーケティングに取り組みました。BtoBのコラボレーションによって、新たなファン層を獲得し、ブランドの知名度を高めることを実現できました。

EC物流管理、Ship&coを開発した背景

次に、ベルトランがShip&coを開発した背景について語りました。

最初にShopify店舗を立ち上げた頃、ベルトランはFedExなどの運送会社の送り状発行システムを使用して手動で送り状を作成していました。しかし、この作業は非常に時間がかかるものでした。特にクリスマス前などの繁忙期には、1日に100件もの荷物をFedExで発送する必要があり、送り状の作成に一日中費やす日もありました。そんな煩雑な出荷作業の効率化を目指し、送り状発行システムShip&coを社内で開発しました。

Ship&coアプリは、Shopifyストアからの受注データを自動的に同期し、配送ラベルを作成することができます。発行された送り状の追跡番号はShopifyの管理画面に同期され、購入者への発送通知メールもShopifyから自動的に送信されます。つまり、Ship&coを使用することで、出荷作業の一連の流れを効率的に管理できるようになります。

Ship&coアプリの利点は、「配送エラーの削減」と「時間の大幅な節約」という二つの点にあります。送り状作成の手間やミスを減らし、迅速かつ正確な出荷が可能となります。これにより、顧客満足度の向上や作業効率の改善に繋がります。

越境ECに便利なShopifyの設定

Shopifyは越境EC販売に強く、便利な機能がたくさんあります。その中で、以下の点について紹介しました。

Shopify商品管理ページに通関情報を設定

Shopifyの商品管理ページでは、各商品に通関情報を設定することができます。これにより、商品のHSコード、カテゴリ名、原産国などの通関に必要な情報を登録することができます。越境EC販売では、正確な通関情報の管理が重要です。Shopifyの商品管理ページを活用することで、スムーズな通関手続きを行うことができます。

Shopifyオーダータグ機能を利用し、注文を管理する

Shopifyのオーダータグ機能を活用することで、注文の管理が容易になります。オーダータグは、注文に特定のキーワードやカテゴリを関連付けるためのラベルのようなものです。

たとえば、ラッピングやメッセージカードが必要な注文、また急ぎの注文などにタグ機能を使うことができて、とても便利です。 これにより、越境EC販売における注文管理が効率化され、スムーズな処理が可能となります。

また、Ship&coはShopifyのオーダータグと連携していますので、Ship&coに同期されたオーダーリストをタグ毎に絞り込むこともできます。

海外発送上の注意事項

第2セッションでは、FedEx Expressより、直近の日本発越境ECの人気商品と輸送上の注意点についての案内がありました。

海外に人気な日本の商品と取り扱いに関する注意点

FedExの岡田氏より、以下の点が述べられました。

「最近、中東でお茶の人気が出てきていると聞きます。宗教上飲酒が禁止されているため、お茶が注目されているようです。また、アメリカ向けに食品の輸送をご検討の際には、FDAの認証が必要となります。その他、化粧品についても特別な注意が必要です。香水などアルコール濃度の高いものは危険物となりますので、発送には特別な準備が必要となります。日焼け止めやマニキュアも危険物に該当する場合があります。身近なものが航空輸送では危険物として扱われることがあるので、必ず発送前には確認しておくべきです。」

スムーズな通関手続きに関するポイント

スムーズな通関手続きを行うには、以下の3つのポイントを理解しておきましょう。

  • 輸出入規制や条例を遵守すること(発送する商品が航空危険物に該当しないか確認すること)
  • 航空貨物運送状やインボイスなどの通関書類に正確な情報を記載すること。
  • HSコードの記載や荷受人の連絡先を正しく提供すること。

上記の対応により、通関手続きの円滑化が図れます。前述のとおり、Shopifyでは通関情報の事前登録が可能であるため、越境EC販売にはとても便利です。

多様な業界の事業者が導入しているShopify

イベントのネットワーキングセッションでは、多くのEC関係者が積極的に交流をしていました。参加者の皆さんは、Shopifyを活用して事業を拡大することの利点を理解し、実際、以前はECモールに限定されていた事業者も、自社のブランディングを始めるためにShopifyを導入することを決めました。

Shopifyは、国内EC販売において高度な技術を提供するだけでなく、特に越境ECにおいても強力なプラットフォームです。Shopifyの導入により、事業拡大のスピードを加速させることができます。さらに、マーケットプレイスとの連携も優れており、幅広い販売チャネルを活用することが可能です。

今回のイベントでは、お茶を販売する事業者や馬肉を販売する事業者、自動車部品を販売する事業者など、さまざまな業界の事業者と出会う事ができました。日本では、個人事業主から大手企業まで、国内向けの販売だけでなく越境ECにも積極的に取り組むマーチャントが多く存在し、Shopifyは日本で急速に成長していることを実感しました。Shopifyのエコシステムは、ここ日本でさらなる成長を遂げていることは間違いありません。


送り状発行システムShip&coとは?

Ship&coは、EC事業者が配送業務において直面する課題を解決するために開発された、送り状発行システムです。シンプルで使いやすいWebダッシュボードと出荷APIを提供しており、注文情報を自動的に同期し、FedEx、UPS、DHL、ヤマト運輸、佐川急便などの配送会社の配送ラベルとコマーシャルインボイスを簡単に作成することができます。Ship&coを使うことで、煩雑な手作業を省くことができ、配送業務の効率化と正確性の向上を実現できます。

アカウントの作成はこちらからどうぞ。ご不明点がございましたら、hello@shipandco.comまでお気軽にお問い合わせください。

皆様の発送業務をより簡単になりますように全力でサポートして参ります!