Shopifyで海外発送する方法は?送料設定や流れ、注意点を解説
Shopifyは「Shopify ペイメント」や多数のアプリがあり、越境ECにも適しています。海外発送のための配送エリアや送料、関税などの設定方法を解説。
Shopifyで世界へ販路を広げたいと思う一方で、海外発送に不安を感じる方は少なくありません。国内販売とは異なる実務的な障壁を前に、グローバル展開を躊躇しているケースも多いでしょう。
そこで本記事は、Shopifyの海外発送設定から実際に配送を行う際の流れ、関税への対応までを解説します。適正な送料設定や海外発送の注意点についてもお伝えしていきます。
Shopifyが海外発送に向いている理由

海外を視野に入れたEC展開には、対応力の高いプラットフォームが必要です。Shopify(ショッピファイ)は海外販売向けの機能を多数備えており、発送業務や決済対応を効率化できます。
Shopify ペイメントで海外の決済手段に対応
海外顧客との取引では、現地で一般的に使用される決済手段に対応しているかが重要です。Shopifyでは「Shopify ペイメント」を導入すると、主要なクレジットカードはもちろん、Apple PayやGoogle Pay、PayPalなど多様な決済方法が利用できます。
複数通貨に対応しているため、顧客は自国通貨で支払うことが可能です。事業者側も為替レートの自動換算機能を活用でき、価格設定の手間を減らせます。また、Shopifyの管理画面から一元管理できるため、売上の確認や入金管理もスムーズです。海外販売を始めるにあたって、決済面のハードルを下げてくれるのは大きな魅力といえるでしょう。
Shopify App Storeで役立つアプリを導入
Shopify App Storeには、配送業務を効率化するアプリが豊富に揃っています。例えば、送り状やインボイス(輸出時に必要な貨物明細書)を自動発行する機能を加えれば、手書きや手入力のミスを大幅に削減できるでしょう。また、関税の自動計算機能を導入して、チェックアウト時に正確な総額を提示し、商品到着時のトラブルを未然に防くこともできます。
さらに、サイトの多言語化や多通貨表示をサポートするアプリを活用すれば、現地の言語に合わせたユーザーフレンドリーなショップ運営が可能です。配送業者と連携し、最新の送料をリアルタイムで反映させる仕組みも構築できます。
事業規模やターゲット国に合わせて、必要な機能だけを選んで柔軟にカスタマイズできるため、海外展開のハードルを大きく下げられるでしょう。
Shopifyの海外発送の設定方法
グローバル販売を展開するには、Shopify独自の配送設定を理解する必要があります。配送エリアの絞り込みや、複雑な送料・関税計算の自動化など設定の手順を確認しましょう。
配送エリア

Shopifyでは、初期設定の段階で世界中への配送が可能になっています。しかし、バージョンによっては設定が変わっていることも考えられるため、配送エリアが正しく登録されているかを確認しておきましょう。
【確認手順】
- 管理画面を開く
- 「設定>配送と配達」を開く
- 「配送」セクションで、現在の設定を確認する
一覧に海外が含まれていれば、海外発送が有効になっています。表示されていない場合は「配送プロファイル>配送エリア」から「配送エリアを追加」を選び、配送先の国や地域を追加しましょう。これにより、対象エリアへの発送が可能になります。
関連記事:Shopifyで越境ECを始める方法|メリットやアプリも紹介
送料

Shopifyでは、配送エリアごとに海外発送の送料を細かく設定できます。送料は、配送業者、荷物のサイズや重さ、発送先の国、為替レートなどによって変わるため、これらを考慮して適切に設定しましょう。
【送料設定の手順】
- 管理画面を開く
- 「設定>配送と配達」を開く
- 「配送プロファイル>配送エリア」の登録ゾーン名横の「…」をクリック
- 「ゾーンを編集」を選択
- 必要な地域にチェックを入れ、不要な地域のチェックを外す
- 「配送料金を追加」をクリックし、設定したいカスタム料金名や価格を入力して完了
関連記事:Shopifyの送料設定方法は?地域や重量、商品ごとの設定方法を解説
関税

海外発送では、関税の取り扱いも重要なポイントです。関税とは、輸入品に対して課される税金で、通常は購入者が負担します。トラブルを防ぐためにも、商品ページや決済画面に関税の有無や負担者を明記しておくことが大切です。
【関税設定の手順】
チェックアウト時に関税および輸入税を徴収する場合
- 管理画面を開く
- 「設定>関税と税金」を開く
- 「関税および輸入税」を選択
- 「チェックアウト時に関税および輸入税を徴収します。>設定する」をクリック
- 「マーケットの選択 > International」を選択して完了
HSコードは、関税の計算に必要な国際的な品目分類コードです。同じジャンルの商品でも、使用されている素材や用途によって分類が異なるため、税関の公式サイトに掲載されている「輸出統計品目表」を参照するか、専門家に相談して、原産国と併せて各商品管理ページに正確な情報を入力しましょう。
Shopifyで海外発送を行う流れ

越境ECをスムーズに運営するには、発送の流れを理解しておくことが欠かせません。ここでは、Shopifyで海外発送を行う手順を具体的に紹介します。
1. Shopifyの設定
海外発送を開始する前に、まずはShopifyの管理画面で基本設定を行いましょう。Shopifyは標準機能で海外販売が可能な、越境ECを強力にサポートするプラットフォームですが、実際の運用には詳細なカスタマイズが不可欠です。
まず「配送プロファイル」を確認し、対象となる国や地域が正しく有効化されているかをチェックします。送料については、配送エリアや商品の総重量に基づいた緻密なシミュレーションを行い、利益を圧迫しない適切な料金を設定しましょう。
また、関税の負担者(購入者か販売者か)の明記や、正確なHSコードの入力も重要なポイントです。通関時の遅延や予期せぬトラブルを未然に防ぐため、設定には細心の注意を払う必要があります。
2. 商品を梱包
梱包は、長距離輸送や繰り返される積み替えに耐えられるように耐久性を重視しましょう。まず、商品を緩衝材で丁寧に包み、箱の中で動かないよう隙間を埋めて固定します。
箱の継ぎ目や角は、輸送中の衝撃で破損しやすい箇所です。厚手の粘着テープを使用し、継ぎ目を完全に塞ぐように補強すると、箱全体の剛性を高めることができます。最後に、壊れやすい物には「FRAGILE(取扱注意)」ステッカーを貼付し、現地の作業員の配慮を促せる状態で発送しましょう。
3. 重量の計測
商品の梱包が終わったら、次に重量の測定を行います。国際配送の料金は、一般的に梱包材を含めた全体の重さによって段階的に設定されます。商品単体の重さで計算すると、実際の送料が予算を超えてしまうことがあるため注意してください。
また、国際貨物では「実重量」と、荷物の寸法から算出する「容積重量」の大きい方が料金に適用されるため、箱の縦・横・高さも計測します。重量は送料設定や配送業者の選定にも関わるため、丁寧に測りましょう。
日本郵便のEMSなどは、重量ごとの料金表が公開されているため、事前に確認しておくと送料の目安がつかめます。
4. 配送業者の選定
越境ECでは、どの配送業者を使うかによって、コストや配送スピードが大きく変わります。契約は事前に済ませておき、発送先や商品内容に応じて、最適な業者を選定しましょう。以下の表で代表的な業者とその特徴をまとめました。
関連記事:海外発送が安い会社は?大手6社の比較と料金を安くする方法
5. 必要書類の作成
海外発送では、国ごとに異なる通関手続きがあるため、必要な書類を事前に把握しておきましょう。送り状に加え、通関時に必須となるのが「コマーシャルインボイス」です。これは、商品の内容・価格・数量などを記載する書類で、関税や輸入可否の判断に使用されます。記載内容に不備があると、通関の遅延や返送の原因となるため、正確に作成することが重要です。
「パッキングリスト」は梱包された商品の内容や数量、サイズ・重量などをまとめた一覧表で、通関時の確認を補助する書類として利用されます。必須書類ではありませんが、一部の国や取引条件(特にB2B取引)では提出を求められる場合があります。
また、発送先によっては「原産地証明書」や「輸出許可証」などの追加書類が必要となることもあります。これらは商品の種類や輸入国の規制によって異なるため、事前に各国の輸入条件を確認しておくことが大切です。書類の不備は通関の遅延や返送の原因になるため、万全の準備を心がけましょう。
6. 送り状・インボイスの発行
送り状やインボイスは、税関や配送業者が荷物を確認するための重要書類です。送り状には配送ルートや追跡番号を、インボイスには品名、数量、単価、原産国などを正確に記載する必要があります。発行した書類は印刷し、荷物の見えやすい位置に貼付しましょう。
送り状やインボイスは、わずかな記載ミスがあっても通関遅延や返送トラブルに直結するため、手入力ではなく自動化が推奨されます。Shopifyアプリ「Ship&co」を活用すれば、注文情報から必要な書類を瞬時に自動作成可能です。複数の配送業者と連携しており、作業効率の劇的な向上が望めます。下記のように配送アプリの項目から簡単に選ぶことができます。

Shopifyで海外発送する際の注意点
越境ECでは、国内向けの販売とは異なる点に注意が必要です。より確実で顧客満足度の高い取引を可能にするため、注意点を事前に確認し、現地のルールや文化に合わせた調整を行いましょう。
関税やVATなどの税金制度を確認する
国ごとに関税の算出方法や免税範囲は異なります。また、欧州などではVAT(付加価値税)のような消費税が課されます。これらを商品価格に含めるのか、あるいは購入者が受取時に支払うのかは必ず明示しましょう。
近年、輸入時に税金を徴収する制度を強化する国が増えており、対応を誤ると受取拒否や荷物の強制返送などの大きなトラブルを招きます。Shopifyの関税自動計算機能を活用し、チェックアウト時に透明性のある金額を表示すると、こうしたリスクを未然に防ぐことが可能です。
Shopifyでは国別の税率設定が可能ですが、世界の税制は頻繁にアップデートされます。常に最新情報のキャッチアップに努め、販売対象国のルールに合わせて設定を最適化し続けることが、ビジネスのグローバル展開を成功させる鍵となります。
対象国のユーザーの特徴を理解する
海外販売を成功させるためには、ターゲットとする国の言語による表示が欠かせません。Shopifyでは多言語対応のアプリによって、英語やその他の言語に自動翻訳することが可能です。
また、現地で一般的に使われている決済手段が利用できるかも重要なポイントです。クレジットカードだけでなく、PayPalやApple Payなど、地域ごとのニーズに合わせた決済方法を用意すれば、購入率の向上が期待できます。文化や購買傾向の違いも考慮し、商品説明やプロモーションの内容を調整するのも効果的です。
販売先の国の法律を調べる
海外に商品を販売する際は、販売先の国の法律や規制を事前に調べておくことも必要です。国によっては、特定の商品が輸入禁止になっていたり、ラベル表示や成分に関するルールが非常に厳しかったりします。
例えば、食品や化粧品、医療関連商品などは、輸出入に特別な許可や検査が必要な場合があり、違反すると商品が通関で止められたり、罰金が科されたりします。販売前に、各国の税関や政府機関の公式サイトで最新の情報を確認し、必要な手続きを把握しておきましょう。
また、現地の法律に合わせた商品説明や広告表現を心がけることも大切です。リスクを回避し健全な運営を続けるために、専門的な情報を収集し、現地のルールを遵守する体制を整えましょう。
強度の高い梱包資材を使う
海を越える長距離輸送では、荷物が何度も積み替えられるため、国内発送と同じような梱包では、到着時に箱が潰れて商品が破損することがあります。これを防ぐために、段ボールは厚みのある二層構造のものを選び、角が潰れないよう補強しましょう。
箱の隙間にはエアクッションなどの緩衝材を詰めて、商品が中で動かないようしっかりと固定してください。また、配送過程の湿気対策として、商品をビニール袋で包むなどの工夫も必要です。
梱包の外側は強度のある布テープなどで「H貼り」を行い、継ぎ目もしっかり補強しましょう。丁寧な梱包は、顧客満足度向上にもつながります。
配送に時間がかかる
海外への配送は、国内と比べて時間がかかります。配送先の国や地域、配送方法によっては、数週間かかることもあります。
また、通関手続きや現地の配送事情によって、予想外の遅延が発生することもあります。こうした事情を踏まえ、発送後に発行される「追跡番号」を必ず顧客へ通知し、荷物がどこにあるのかを常時確認できるようにしましょう。
配送の遅延があると、顧客は「本当に届くのか」と不安を感じます。正確な案内と情報の共有が事前にあれば、不安を最小限に抑え、クレームを未然に防止できるでしょう。
サポート体制を整える
海外のユーザーに安心して購入してもらうには、しっかりとしたサポート体制が必要です。言語の壁や時差の影響で、問い合わせへの返答が遅れることもあるため、あらかじめ対応可能な時間帯を明記しておくと安心感を与えられます。
また、英語などの主要言語で、よくある質問をまとめたFAQページを用意したり、自動返信メッセージを設定したりするのも効果的です。
Shopifyには、多言語対応のチャットツールや高機能な問い合わせフォームアプリが豊富に揃っています。これらを活用し、コミュニケーション環境を整えることが、グローバル展開の第一歩となります。
まとめ
Shopifyは、海外決済を支える「Shopifyペイメント」に加え、多言語対応や関税計算を支援するアプリが非常に充実しています。配送エリアや送料の設定も柔軟にカスタマイズできるため、越境ECに挑戦する事業者に最適なプラットフォームといえるでしょう。
実際の運用では、正確な基本設定から厳重な梱包、配送業者の選定、そしてミスのないインボイス発行まで、各ステップで入念な準備が求められます。併せて各国の税制把握や丁寧なサポート体制を整えることが、グローバル市場の成功への近道となります。
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