アメリカ向け越境ECガイド!始め方や関税、配送方法などを解説

アメリカは世界でも大きなEC市場を持ち、越境ECで日本から販路を広げる際の有力な選択肢です。しかし言語や文化の違いに加え、現地の法律や税金、返品手続きなど、国内とは大きな違いがあります。「どの方法で販売すれば良いのか」「関税や配送はどうなるのか」と迷う事業者も多いでしょう。

この記事では、アメリカのEC市場の特徴や越境ECの始め方、関税・売上税、配送方法を解説します。

アメリカ国内のEC市場規模

出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書

2024年のアメリカのEC市場規模は、前年比約6.7%増の1兆1,902億米ドルでした。小売市場全体に占めるEC化率は約16.1%まで伸びており、日本のEC化率9.8%を大きく上回ります。

四半期ごとの推移を見ると、成長の勢いがより鮮明になります。米国勢調査局のデータによると、2022年第1四半期の売上高は2530億ドル、EC化率は14.5%でした。その後、2024年第4四半期には売上高3090億ドル、EC化率16.4%と、12四半期を通じて堅調な成長を続けています。前年同期比の伸び率は四半期ごとに6.9〜11%の範囲で変動しながらも、一貫してプラス圏を維持している点も見逃せません。

EC化率が伸び続けている背景には、2020年第2四半期に新型コロナウイルスの感染拡大で実店舗が閉鎖され、外出も制限されたことをきっかけとした消費行動の変化があります。その後、2021年から2022年にかけては14%台で足踏みが続いたものの、2023年には15.4%、2024年には16.1%へ上昇しました。各種調査会社の予測では、2028年までにEC化率は20%を超える水準に達すると見られています。

物価上昇が続く中、実店舗よりも価格を抑えやすいECへ消費者の購買行動がシフトしている点も、成長を後押しする要因の一つです。市場規模・EC化率とも順調に拡大していることから、アメリカは今後も有力な越境ECの販売先候補であり続けるでしょう。

なお、これらの数値は2026年8月時点の調査結果です。詳細は最新の発表を確認してください。

日本からアメリカ向け越境EC市場規模

出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書

2024年のデータによると、アメリカの消費者が日本のECサイトなどから購入した金額は、1兆5,978億円でした。これは、アメリカの消費者による対中国の購入額(1兆1,166億円)を上回る規模です。中国の巨大市場と比べても、日本はアメリカの消費者から一定の支持を得ているといえるでしょう。

一方、日本の消費者がアメリカのECサイトから購入した金額は、3,945億円にとどまります。ただし、日本の越境EC購入額全体(4,410億円)で見ると、アメリカのECサイトからの購入額が約89.5%を占めています。市場規模こそ小さいものの、日本人が海外通販を利用する際の選択肢は、アメリカに大きく偏っているといえるでしょう。

これらの情報よりわかることは、日本からアメリカへの販売額(1兆5,978億円)が、日本によるアメリカ製品の購入額(3,945億円)を大きく上回っていることです。日本にとっては明確な売り越し(輸出超過)となっており、アメリカ市場は日本の事業者が商品を売り込む先として、引き続き有望と考えられるでしょう。なお、これらの数値も年度ごとに更新されるので、事業計画を立てる際は最新の調査結果を確認してください。

アメリカのEC市場の特徴

アメリカのEC市場では、価格だけでなく、季節のイベントやギフト需要、商品の独自性が購買に影響します。アメリカで販売する際は、現地の文化や価値観に合わせて訴求を変えることが重要です。

アメリカEC市場の主な特徴は次のとおりです。

  • 誕生日やクリスマス、結婚、卒業に加え、父の日や母の日、ベビーシャワーなど贈り物をする機会が多く、ギフト需要が高い
  • アニメ関連商品や美容品、文房具、伝統工芸品など、日本独自の商品が選ばれることがある
  • 品質や耐久性、細やかな仕上げを重視する消費者も多い
  • サステナビリティやセルフケアなど、生活上の価値観と商品の相性も購入理由になり得る

「日本製」という点だけで訴求するのではなく、誰のどの需要に合う商品なのかをわかりやすい形で販売ページに反映すると、現地の消費者に価値が伝わるでしょう。

アメリカ向け越境ECを始めるメリット

アメリカ向け越境ECには、単なる販路拡大にとどまらない魅力があります。

日本よりも大規模な市場にアクセスできる

アメリカへの越境EC進出の大きなメリットは、規模の大きいEC市場にアクセスできることです。前述のとおり、アメリカのEC市場は1兆米ドルを超えており、日本からの購入額も高い水準にあります。

市場が大きい分、特定ジャンルに絞っても一定の需要があればビジネスとして成立しやすい点は魅力です。アニメ関連商品や美容品、文房具など、日本ならではの商品が現地で選ばれるケースもあります。アメリカ市場は、国内の売上を補う新たな販路として検討する価値があるでしょう。

為替相場を追い風にできる場合がある

アメリカ向けの越境ECでは、ドル建てで販売・決済するのが一般的です。円安の局面では、同じ現地価格で販売しても、売上を日本円に換算した際の金額は大きくなります。仕入れや製造コストが円建ての場合は、さらに円安が利益を押し上げる要因になるでしょう。

もっとも、為替は常に変動しており、円高に振れれば逆の影響を受けます。また、国際送料や広告費などドル建てのコストが多い場合は、円安によって費用が増えることもあります。為替動向を定期的に確認しながら、価格設定や利益計画を見直すことが大切です。

アメリカ向け越境ECを始める際の課題

アメリカ向け越境ECには、大きな市場へ販路を広げられる反面、国内販売とは異なる課題があります。

競合性の高さ

アメリカのEC市場では、現地企業だけでなく、世界各国のショップが商品を販売しています。利益を出すにはこの市場で選ばれなければならず、出品するだけで購入につながるわけではありません。

販売数を伸ばすには、日本製というブランドだけに頼らず、品質やデザイン、現地では入手しにくい商品など、自社製品が選ばれる理由を明確にする必要があります。参入前には競合商品の価格やレビュー、商品説明を調べ、どの顧客に何を訴求するのか確認しておきましょう。

言語や文化の違い

商品ページを英語に翻訳すれば、そのままアメリカで通用するわけではありません。商品名や説明文だけでなく、問い合わせへの返答も英語が基本になります。直訳した文章では意味は伝わっても、細かなニュアンスまで伝えきれないことがあるでしょう。

もう一つ考えておきたいのが、文化の違いです。日本で好まれる見せ方でも、アメリカでは違った受け取られ方をする場合があります。セール時期やギフトを贈る習慣にも違いがあるので、視覚的な嗜好や買い物の習慣を調べた上で、商品ページを作る必要があります。

配送のコストの高さ

東京からアメリカの購入者へ商品を発送する場合、国内と比べてはるかに高い送料がかかります。国際配送料は商品の重さやサイズ、配送先によって変わるだけでなく、関税なども関係してきます。

返品された際の費用も考慮しなければなりません。日本まで商品を送り返すのか、現地で処理するのかによっても、手間と金額は変わります。出荷量が増えた場合は、アメリカ国内の倉庫を使う選択肢もあるでしょう。

法律や規制の厳しさ

何を販売するかで、確認すべき連邦法の規制は異なります。食品や化粧品ならFDA(米国食品医薬品局)、通信機能を持つ電子機器などではFCC(連邦通信委員会)などが関係してきます。

アメリカでは連邦レベルの規制だけでなく、州ごとのルールにも注意が必要です。州によって独自の規制が設けられている場合もあるので、販売予定の商品と販売先を決めたら、州法の規制を最新の公式情報から確認しましょう。

アメリカ向け越境ECを始める方法

アメリカ向け越境ECへの参入方法は大きく分けて3つあり、それぞれ強みや運用方法が異なります。

ECモールで出店する

最も参入ハードルが低いのが、既存のECモールに出店する方法です。すでに集客力を持つプラットフォーム上で販売できるので、集客にリソースを割くことなく、早い段階で販売を始められます。

Amazon
Amazon USは、アメリカで圧倒的な利用者数を誇るECプラットフォームです。多くの消費者が最初の検索先として利用するので、出店するだけである程度の露出が見込めます。

特筆すべきはFBA(フルフィルメント by Amazon:在庫の保管から梱包、配送、返品までAmazonが代行するサービス)です。現地に倉庫や物流網を持たなくても、注文から配送までを一括して任せられるので、物流体制を一から構築する余裕がない事業者でも、初期投資を抑えながら参入できます。

しかし、出店数が膨大なので、参入者数が多いカテゴリーでは価格競争が起きやすく、差別化の工夫は欠かせません。

eBay
eBayは、オークション形式と即決価格形式(Buy It Now)の両方を利用できるプラットフォームです。希少性の高いものだと、中古品でも入札を通じて相場以上の価格がつくことがあります。出店の手続きや決済システムの構築が比較的シンプルなので、個人事業主が参入しやすいのも魅力です。

掘り出し物を探す消費者層が集まるのも、eBayの大きな特徴です。コレクター需要のある商品や、生産数が限られた商品を扱う場合、特に相性の良い販売チャネルになるでしょう。

Etsy
Etsyは、ハンドメイド商品や工芸品に特化したECモールです。量産品でなく作り手の技術やこだわりを尊重する消費者が集まっており、日本の伝統工芸品や職人の手仕事による商品との相性が良いといえます。プラットフォーム側がクリエイター向けのマーケティング機能を用意しており、商品ページで制作背景やブランドストーリーを丁寧に伝えられる点も魅力です。

単に安さで選ぶのではなく、商品の背景に共感して購入する消費者が多いので、価格競争に巻き込まれにくい傾向もあります。個性や物語性を武器にできる商品を扱う際に、検討したいチャネルです。

自社ECサイトを構築する

自社でオンラインストアを立ち上げ、アメリカの顧客に直接販売する方法です。ShopifyやWixなどのサービスを使えば、越境販売を見越したサイトを比較的スムーズに構築できます。最大の利点は、デザインを含めブランドの世界観を自由に表現して、ブランディングをコントロールできる点です。モールに支払う販売手数料がかからないので、利益率も確保しやすくなります。

一方で、認知度ゼロの状態からショップがスタートするので、SEOや広告、SNSを用いた集客が不可欠です。決済や問い合わせ対応もすべて自社で担うことになり、運用の負担は軽くありません。時間をかけてブランドを育てていく方針の事業者や、マーケティング施策にリソースを十分割ける事業者に向いています。

関連記事:越境EC販売に挑戦!ECモール VS. 自社ECサイト、どちらが良い?

現地の小売店に卸売りする

自社で販売するのではなく、アメリカの小売店や卸売業者に商品を卸し、現地の店舗やECサイトを通じて販売してもらうことも可能です。いわゆるBtoBtoC(企業が企業を経由して消費者に商品を届ける取引形態)にあたります。

販売や顧客とのやり取りの大部分を現地パートナーに任せられるので、運用負担は他の方法より小さくなります。ただし卸売価格での取引になるので、収益性は下がりやすく、価格やブランディングのコントロールもパートナー任せになりがちです。すでに一定の生産体制が整っている場合だけでなく、まだ知名度がなくても、パートナー企業の信用力や販売網を借りたい事業者にも向いた方法といえます。

アメリカ向け越境ECの税金

アメリカ向け越境ECでは、日本国内の取引とは異なる税金が発生するため、その仕組みを理解しておく必要があります。

関税

2025年7月30日、アメリカ大統領令によってデミニミス(800米ドル以下の少額輸入品に適用されてきた免税措置)の停止が発表され、同年8月29日には実際に停止されました。

日本郵便は、制度変更への対応のため販売品などの引受けを一時停止した後、2026年4月14日から、原則として内容品価格800米ドル以下の対象郵便物は、差出し前に関税などを支払い、DDPラベルを作成する方式で引受けを再開しました。加えて、内容品の合計価格が20万円を超えるときは、DDPとは別に日本の税関への輸出申告も必要です。

例外もあり、100米ドル以下の書類や個人間の贈答品なら、関税の事前支払いなしで差し出せます。ただし販売品の場合、100米ドル以下であってもDDPの対象になる点には注意が必要です。関税とは別に、認定事業者を通じた手続きに伴う郵便通関手数料も発生します。

また、2026年7月24日には差出条件が改定され、DDPの対象となる内容品価格の上限は800米ドルから2,500米ドルへ引き上げられました。同日にアメリカの新しい郵便通関制度も施行され、商品の説明、原産国、10桁のHTSUS分類、関税率などの申告が求められるようになっています。

関税額は、商品分類や原産国などによって異なります。商品によっては、標準関税率に追加関税が上乗せされる可能性もあるでしょう。制度や税率は今後も変更される可能性があるので、発送時点のアメリカ税関や配送事業者の最新情報を確認してください。

関連記事:越境ECの関税とは?主要国の関税制度や注意点を解説 

売上税

アメリカには、日本の消費税に近い間接税として「売上税(Sales Tax)」があります。売上税の徴収・納付義務が発生する条件は州によって異なり、州外のEC事業者でも一定の要件を満たすと、登録や売上税の徴収・納付が必要になる場合があります。

なお、DDPによる関税などの事前支払いとは別に、販売先の州や取引条件によっては売上税への対応が必要になる場合があります。価格設計の際は、関税と売上税を分けて確認しましょう。

日本の消費税と違い、アメリカの売上税は地域差があるのも特徴です。州や自治体ごとに税率が異なるだけでなく、課税対象となる商品の範囲も違います。ある州では課税対象の商品が、別の州では非課税扱いになることも珍しくありません。

また、日本から海外へ商品を輸出する取引では、所定の要件を満たせば、日本の消費税は免除されます。ただし輸出免税の適用を受けるには、輸出した事実を証明する書類を備え、適用後も原則7年間保存する必要があります。

アメリカ向け越境ECで利用できる配送方法

アメリカ向けの配送を取り扱う業者やサービスはさまざまです。代表的な配送サービスの速さや追跡の有無などの特徴を、以下の表にまとめました。

配送業者

配送サービス

特徴

日本郵便

EMS(国際スピード郵便)

国際郵便の中で最優先に取り扱われる、スピード重視のサービス

国際エアパケット

2kgまでの小型商品向け。航空便・追跡付きで、原則として郵便受けへ配達

小形包装物(航空便・船便)

2kgまでの小型商品向け。書留の取り扱いは終了しており、追跡サービスは付かない

国際小包(航空便・船便)

比較的大きな商品も発送可能。アメリカ向けは最大30kgで、SAL便は現在利用不可

UGX(ゆうグローバルエクスプレス)

法人向け。関税元払い、オーバーサイズ輸送、複数個口なども可

ヤマト運輸

国際宅急便

個人、法人・個人事業主が利用できる国際宅配便。輸出支援システム「ワールドポータル」の利用にはヤマトビジネスメンバーズへの登録が必要

UPSワールドワイド・エクスプレス・セイバー(WWX)

UPSの国際輸送網を利用。複数個口や着払いなども可能。法人向けで利用には事前の申し込みが必要

DHL

DHL Express Worldwide

220以上の 国‧地域へ、配達可能な営業日の営業終了時間までに配達

DHL Express 12:00

アメリカを含む対象地域へ、配達可能な営業日の正午までに配達

DHL Express 10:30

アメリカの主要ビジネス地域へ、午前10時30分までに配達

FedEx

FedEx International First

アメリカの対象地域へ早朝に配達する時間指定型サービス

FedEx International Priority Express

アメリカなどの対象地域へ、通常1~2営業日の午前10時30分または正午までに配達

FedEx International Priority

通常1~2営業日で、営業終了時間までに配達

FedEx International Connect Plus

Eコマース向け。配送スピードと料金のバランスを重視した契約サービス

FedEx International Economy

配送を急がない荷物を比較的低コストで送れるサービス

UPS

UPS Worldwide Express Plus

対象地域へ、通常午前8時30分または9時までに配達

UPS Worldwide Express

対象地域へ、通常午前10時30分または正午までに配達

UPS Express Saver

通常は営業終了時間までに配達。届け先などによっては最大5営業日かかる場合がある

UPS Worldwide Expedited

通常2~5営業日で配達する、比較的経済的なサービス

UPS Worldwide Economy

小型・軽量で緊急性の低い商品に適した、契約制の越境EC向け配送サービス

ECMS

スタンダードEXPRESS

越境EC向けの国際宅配便。アメリカ向けは個別契約が必要でDDPのみ受付。所要日数は6~11営業日が目安

こうした複数の配送業者を使い分ける際に役立つのがShip&coです。主要な運送会社をまとめて管理できるクラウド型の送り状発行システムで、表内の会社もすべて対象となっています。配送業者ごとに異なるソフトウェアを使い分ける手間がかからないので、時間を有効に使えます。

また特に注目したいのが、ZonosとのAPI連携です。前述の通り、デミニミス免税の停止に伴い、日本郵便でアメリカ宛ての販売品などを発送する際にはDDPでの関税事前支払いが必要です。Ship&coとZonosが連携したことで、Ship&coの画面から日本郵便のDDP送り状を直接発行できるようになり、Zonosが関税の自動計算・アメリカ税関への代理納付を行います。詳しい情報はこちらのShip&coのヘルプページでご確認いただけます。

アメリカ向け越境ECを成功させる7つのポイント

アメリカで商品を販売する場合、国内ECと同じ進め方では通用しない場面があります。商品選びから決済、返品、販促まで、現地に合わせて準備しておきましょう。

1. 差別化ポイントを用意する

競合が多いアメリカ市場では、価格だけで勝負しても利益を出すのは極めて難しいといえます。そこで確認したいのが、すでに売れている商品の価格やレビューです。レビューには「サイズが分かりにくい」「届くまで時間がかかった」など、購入者の不満がそのまま書かれていることがあります。

反対に、高評価の理由から強みが見つかる場合もあるでしょう。品質、使いやすさ、デザイン、日本ブランドならではのものづくりへのこだわりが評価されているケースも少なくありません。こうした声を参考にすれば、自社商品の強みや選ばれる理由を明確にできます。

2. 最新の法律や規制を理解する

商品の種類によっては、アメリカでの販売が難しいものもあります。例えば12歳以下を主な対象とする商品を販売する場合、CPSC(米国消費者製品安全委員会)の安全規則などが適用されるものでは、CPC(子ども向け製品証明書)の取得・提示が必要です。CPSCの規制は、玩具やベビーカーのほか、家具、家電、衣類などにも及びます。他にも、以下のような法律や規制があります。

  • FTC規則:虚偽・誤認を招く広告や不公正な取引方法などを規制
  • マグナソン・モス保証法:消費者向け商品の書面保証の表示・開示方法などを規定
  • FDA規制:食品や医薬品、化粧品などが対象
  • FCC規制:無線通信機器のようなRF(無線周波数)を発する電子機器などが対象
  • 州によっては、独自のプライバシー法や消費者保護法も適用される

なお、2026年7月8日からは、CPSCによる規制対象製品をアメリカに輸入する場合、適合証明書情報の電子申告も必要になっています。

参考:JETRO 米国CPSC、規制対象製品の適合証明書データの電子申告義務付け開始

3. 返品対応を仕組み化する

返品の連絡を受けてから対応方法を決めていると、注文が増えたときに処理が追いつきません。返品期限、返送料の負担者、返品できない商品の条件などはあらかじめ決めておく必要があります。

返送先は日本だけでなく、アメリカ国内の倉庫や物流代行会社にする選択肢があります。さらに、戻った商品を再販売するのか、廃棄するのかなども決めておけば判断に迷わずにすむでしょう。返品理由を記録しておくと、サイズ表の表記や説明文を見直す材料にもなります。

4. よく利用される決済手段を用意する

支払い方法が限られているために、決済画面まで進んだ購入者が離脱することもあります。これを防ぐには、アメリカで使われている決済方法を複数用意しておく必要があります。

アメリカの主要な決済手段は次のとおりです。

  • クレジットカード
  • デビットカード
  • PayPal
  • Apple Pay

自社ECの場合は、オンライン決済プラットフォームなどを利用すると、複数の決済方法をまとめて導入できます。

5. 売れやすい日本製品を把握する

売れやすい日本の商品は、身近なものから専門性の高いものまで幅広くあります。アニメやゲームのグッズ、日本車・オートバイの部品、カメラ、時計などはその一例です。文房具や陶磁器、生活雑貨も販売候補に入ります。

特に、自動車部品のように現地で同じ仕様の商品を探しにくいものは、手間をかけても日本から購入する必要性があります。アニメグッズも、日本限定の商品であれば事情は似ています。

とはいえ、ジャンルを絞っただけでは具体的な商品までは選べません。AmazonやeBayで同じ商品や類似商品を検索し、価格、出品数、レビューを確認しましょう。中古品が動いているのか、新品が中心なのかも調べておくと、取り扱う商品を絞り込む判断材料になります。

6. 必要に応じて代行サービスを利用する

物流についても検討する必要があります。1日数件の発送なら、自社で梱包して配送会社へ渡すことも可能です。しかし注文が増えると、在庫を置く場所が足りない、送り状の発行に時間がかかる、通関用の情報入力が発送のたびに発生する、というように小さな作業が積み重なっていきます。こうなると、越境EC専用の発送代行サービスやフルフィルメントサービスに依頼したほうが、結果的にコストを抑えられるケースも少なくありません。

発送代行やフルフィルメントサービスを利用すれば、商品の保管、ピッキング、梱包、出荷などを委託できます。Amazonで販売する場合はFBAを使う方法もあるでしょう。

ただし、外注すれば必ずコストを抑えられるわけではありません。1カ月の出荷数が変われば、自社発送と代行サービスの費用差も変化します。倉庫代、人件費、梱包資材、作業時間などの具体的な数字を出してから、自社に残す仕事と外部へ委託する仕事を決めるのが現実的です。

7. プロモーションを実施する

アメリカの繁忙期は日本とは異なり、中でもブラックフライデーやサイバーマンデーは、年間売上を大きく左右する商戦期です。この時期に向けた告知やセール設計を怠ると、大きな機会損失につながります。

派手な広告や割引だけに頼るのではなく、販売機会を逃さないためには、時期に合わせた戦略を練ることも必要です。

まとめ

世界最大級の規模を持つアメリカのEC市場は、越境ECの有望な販売先です。一方で、競合の多さや配送コスト、法規制など、参入前に押さえておくべき課題も少なくありません。ECモール出店や自社サイト構築、卸売りなどの参入方法を比較し、関税や売上税の仕組みを理解した上で戦略を立てることが大事です。

特にDDPをはじめとする関税対応は、運送会社ごとに手続きが異なり、実務担当者の負担になりがちです。Ship&coを使えば、日本郵便をはじめとする主要運送会社の送り状発行を一元管理でき、アメリカ向けの関税元払い(DDP)発送もまとめて行えます。越境ECの発送業務を効率化したい方は、ぜひ導入を検討してみてください。