今回は、海外発送のためのチェックリスト - Part.3です。
Part.1では、海外発送をするかどうかを決定する際に確認すべきチェックリスト、Part.2では、海外発送の設定方法についてご紹介しました。
本日の記事では、出荷作業と出荷後のプロセス(手順)についてご説明します。Part.2で解説した初期設定完了後、必要となる海外発送の主なプロセスは下記となります。
1. 荷物の梱包
2. 運送会社の選択
3. 出荷伝票(送り状)の準備
4. 集荷の手配
5. 荷物の追跡詳細を購入者へ送信
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 荷物の梱包
海外発送の際の梱包はゲームのテトリスのようなものです。 商品がしっかりと保護されていることが第一条件ですが、体積や重量が配送料に関係してくるため、無駄なスペースを作らない梱包も重要です。
梱包には主に2つのポイントがあります。一つは、商品サイズに合う外装、もう一つは、どんな衝撃も吸収できるクッション材(緩衝材)です。
外装について、代表的な例は次のとおりです。
・クッション付き封筒 - 軽くて比較的安価なので、小物や書類の発送に最適です。運送会社によっては無料で提供してくれる場合もありますので、必ず確認しましょう。
・ボール箱(厚紙箱) - Eコマースの代表的な梱包資材です。
ボール箱にも色々な種類がありますが、中でも段ボール箱は厚みがあり、ある程度のクッション性があります。一方で、厚紙で作られた板紙箱は薄くクッション性に欠けるため、化粧品や医薬品などの軽量品に適しています。
・ボール管 - ポスターなどの巻物を送る場合に適しています。
緩衝材について、代表的な例は次のとおりです。
・包装紙または新聞紙
・プチプチ(エアパッキン)
・エアピロー緩衝材
・発泡緩衝材(バラ緩衝材)
ほとんどの場合、新聞紙でも十分梱包できるので、わざわざ費用を負担してまで緩衝材を取り揃える必要はないかもしれません。しかし、「梱包」はショップのイメージ、ブランドのイメージにも繋がる重要なポイントであることも忘れないでください。
梱包材・緩衝材は、オンラインで購入できます。Ship&coがオススメするオンラインショップはダンボール通販サイト「ダンボールワン」です。ダンボールワンは、弊社別事業のBento&coの出荷用にも8年前から利用しています。ダンボールワンでは、大量に注文する前に、サンプル取り寄せも可能なので、実際に箱を手にして確認してから購入できる事もオススメのポイントです。
次に、梱包時の3つのステップをご紹介します。
A. 商品に適切な外装梱包材を選択する:商品のサイズと脆さを考慮し、適切なサイズ、材質、厚さの梱包タイプを選択してください。最も重要なのは、サイズです。最小限の空きスペースで商品に合うパッケージサイズを選ぶようにしてください。例えば、箱の高さが大きすぎる場合には、商品のサイズに合わせて高さをカットして調節し、箱のサイズを変更する事をお勧めします。これは、体積や重量によって配送料が決定するため無駄なスペースを作らない・梱包材で無駄に重量を増やさないこと、また配送時に商品が箱の中で動くことによる破損を防ぐことが目的です。
B. しっかりと包む:商品の脆さによっては、商品を紙やプチプチ(エアパッキン)で包んだり、商品周りに発泡緩衝材、エアピロー緩衝材などのクッション材を敷き詰めるなどして、外部からの衝撃に耐えられる梱包を意識しましょう。
C. 隅々までテープを止める:商品が十分に梱包され、箱の中で商品が動かない事を確認したら、最後にテープで封をします。通常、国内配送の場合は横に一枚だけテープを使いますが、海外発送の場合は、粘着力の強いテープで隅を閉じるようにH型になる形で貼り付けてください。
2.運送会社の選択
運送会社のアカウントは既に作成済みですので、あとは出荷の際にどの運送会社を利用するか決定する必要があります。
前回Part.2でも言及した通り、運送会社のアカウントは複数作成するべきです。たとえお気に入りの運送会社があったとしても、一つの運送会社が全ての目的地に対して最良の料金を提供することはまずあり得ません。出荷毎に複数の運送会社の料金を比較することで、送料を20%以上簡単に節約できます。
たとえば、各運送業者の料金表を参照して、出荷要件に応じて料金を確認するなど、手動で配送料金を比較する方法が一つ。
もう一つの方法は、Ship&coのような自動出荷ソリューションを使用することです。Ship&coは、ワンクリックで運送会社の配送料金を比較できるだけでなく、リードタイム(納期)や手数料(遠隔地手数料など)の情報も事前に確認でき、時間の節約にも繋がります。
3. 出荷伝票(送り状)の準備
海外向けの出荷伝票には、国内向けとほぼ同様に、荷送人情報や出荷先情報、サービスタイプが記載されています。
一部の運送会社では、送り状テンプレートをオンラインでダウンロードし、必要な情報を入力して、送り状を印刷することができます(DHL、FedExなど)。
また、運送会社のオンラインプラットフォームで送り状を作成することもできます。必須情報入力後、出荷ラベルが生成されます。
送り状作成にあたり、下記の情報が必要となります。
・荷送人の連絡先とアカウントの詳細
・受取人の連絡先
・宛先住所
・出荷の詳細:品目、数量、サイズ、重量
・配送方法:スタンダードまたはエクスプレス、追跡有りまたは無し(海外発送は特に、追跡有りをお勧めします)
・その他(運送会社によって異なる):代金引換、備考欄、保険の有無、など
先ほど述べたように、送り状テンプレートのダウンロードや、運送会社のオンラインページで送り状を作成する方法もありますが、Ship&coのような自動出荷ソリューションを使用すると、上記の受注詳細はショップから自動的にインポートされ、主要な運送会社の送り状をワンクリックで発行できるので、送り状作成にかかる時間を節約できます。
送り状の印刷に関しては、インクジェット/レーザープリンタを使って紙に印刷するか、シールタイプのラベルが付いたサーマルプリンタを使用するかを選択できます。月に数百枚以上のラベルを出荷する場合、運送会社によっては無料でサーマル用ラベルやサーマルプリンタの貸し出しサービスがあるので、事前にチェックするようにしましょう。
また、海外発送の場合、出荷伝票(送り状)に加えて、コマーシャルインボイス(通関書類)の準備が必要です。
税関はコマーシャルインボイスにより、貨物の中身を把握し、税関検査の要否、関税・地方消費税額の算出を行います。コマーシャルインボイスの記載内容に、事実と異なる内容があると、通関手続きが保留になり、貨物の引き取りに遅れが出たり、最悪の場合は輸出者側に返送されることもあります。
インボイスには通常、以下の詳細が含まれます。
・アイテムの詳細
・数量
・HSコード - 国際的に定められた様々な分類の品目を認識する6桁のコードです。
・各アイテムの小売価格
運送会社のページからインボイスのテンプレートダウンロードして、詳細を記入し印刷することもできます。
また、Ship&coなどの出荷ソリューションを使用し、送り状と一緒にコマーシャルインボイスを自動的に生成する方法もあります。
4. 集荷の手配
梱包・出荷書類の準備が完了したら、次に集荷を手配しましょう。場合によっては、集荷依頼の際にコストが発生する可能性があるため、事前に確認が必要です。コスト節約のために、運送会社が指定する場所に持ち込むことも選択肢の一つです。または、電話や運送会社のオンラインポータルで出荷の都度、集荷予約をすることもできます。定期的に出荷している場合は、希望する時間帯・日程(毎日または特定の曜日など)に定時集荷を手配することも可能です。
5.荷物の追跡詳細を購入者へ送信
出荷が完了したら、最後に追跡の詳細を顧客と共有する必要があります。
この作業は、ECショップの管理画面でオーダーページに入り、追跡番号を手入力で追加して、オーダーのステイタスを「処理済み」「出荷済み」などに変更する必要があります。ECショップからの自動Eメール(発送完了メール)配信を設定している場合は、オーダーのステイタス変更時点で、顧客へ追跡番号付きの発送完了メールが送信されます。
また、Ship&coなどの出荷ソリューションを使用している場合は、運送会社のプラットフォームやECショップの管理画面にアクセスしなくても、追跡番号が自動的にECショップへ送られ、そこから更に自動Eメール(発送完了メール)が配信されるため、一つ一つの追跡情報を入力する手間を省くことができます。
まとめ
海外発送のためのチェックリストPart.1、Part.2、Part.3は下記の通りです。
海外発送のためのチェックリスト
・海外出荷するかどうかの決定
❑取扱い商品のカテゴリーが海外へ出荷可能かどうか確認する
❑取扱商品が「危険物」としてリストされているかどうかを確認する
❑送料と保険料を確認する
❑関税を確認する
・海外発送の設定
❑運送会社アカウントを作成する
❑顧客への送料の請求方法を決定する
❑関税諸費用を支払う方法を決定する
❑ショップの配送料と配送方法を設定する
・出荷作業と出荷後のプロセス
❑荷物の梱包
❑運送会社の選択
❑出荷伝票(送り状)の準備
❑集荷の手配
❑荷物の追跡詳細を購入者へ送信
最初は面倒に感じることもあるかもしれませんが、同じ作業の繰り返しなので、一度手順を覚えればすぐに慣れるでしょう。まずは、海外発送が自分のビジネスに適しているかどうかを確認し、必要に応じて上記のチェックポイントに沿って準備を初めてみてください!
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