海外発送が安い会社は?大手6社の比較と料金を安くする方法
海外発送を行う大手6社の料金を比較し、各社の主要サービスの特徴を紹介。送料を安くする方法や、失敗しないための発送手順、注意点も解説します。
海外に商品や荷物を送る際、「一番安く送るにはどこの配送会社がいいだろう?」と思うことはないでしょうか。海外への送料は国内と比べて高額になりがちですが、サービス選びや発送方法を工夫すれば、コストを抑えることも可能です。
この記事では、大手6社の海外発送サービスの料金体系を比較します。さらに、料金を安くするための具体的な方法や、スムーズに荷物を送るための手順と注意点も解説します。
海外発送の料金が安い会社を比較
海外に荷物を発送する際、まず気になるのは料金設定ではないでしょうか。特に越境ECの発送では、料金に加えて配送スピードも重要です。以下の表は、代表的な大手6社の重量ごとのアメリカ向け料金と、配送日数目安を比較したものです。
注:料金・日数は目安であり、2025年12月時点でのものです。時期や地域、為替レートにより変動する可能性があります。詳細は各社公式サイトでご確認ください。FedExのアメリカ西部地域にはコロラド州、アイダホ州、ユタ州、アリゾナ州、ネバダ州、カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州が含まれます。
ここからは、各配送会社のサービスの特徴や強みについて、個別に紹介していきます。
参考:
- 国際宅急便国別ガイド
- 飛脚国際宅配便 料金表
- 飛脚国際宅配便 エリア区分表
- 料金表(国際小包:第4地帯)
- お届け日数表(国際小包:東京国際郵便局)
- DHL EXPRESS EASY 料金表
- IPE 輸出
- フェデックス・インターナショナル・ファースト
- 2025 UPS® Rate and Service Guide
- 国際出荷サービス
ヤマト運輸
ヤマト運輸の「国際宅急便」は、世界200以上の国・地域へ荷物を配送できるサービスです。他社の国際便と比べて送料が抑えられる点が大きな強みです。
一方で、通関手続きが法人名義での商業利用を前提としているため、個人発送ができない国もあります。輸出先が取り扱い地域に含まれていれば、比較的コンパクトな商品を扱う場合や小規模なEC事業者にとって、コストと利便性に優れた選択肢といえるでしょう。
佐川急便
佐川急便の「飛脚国際宅配便」は、世界220以上の国や地域へ荷物を送れる国際配送サービスです。料金はヤマト運輸や日本郵便より高めですが、個人宛てでも送れる国が多く、比較的大きいサイズの荷物も受け付けられるため、個人向けサービスや大型荷物を扱う法人利用と相性が良いという特徴があります。
また、日本国内のどこから発送しても料金が変わらない点もメリットです。コストより幅広い対応力を重視したい場面で使いやすいサービスといえるでしょう。
日本郵便
日本郵便は、世界各国へ安定した料金で国際郵便を届けられる点が大きな魅力です。国際配送は「EMS(国際スピード郵便)」「航空便」「船便」の三つが中心で、それぞれに特徴があります。
最速で届けたい場合はEMSが便利ですが、その分料金は高めです。コストを抑えたいなら料金を大きく節約できる船便が向いているものの、到着まではかなり時間がかかります。航空便は、スピードと費用のバランスが取れた中間的な選択肢です。
しかし、2025年8月の米国政府による「デミニミス(免税措置)撤廃」の影響により、日本郵便では米国宛ての「物品」を含む郵便物(EMS、国際小包、小形包装物)の引き受けを一時停止しています。 現在、越境ECなどで米国へ荷物を送る際は、国際宅配便(クーリエ)の利用が主な手段となっています。
一方で、米国以外の国々には、追跡機能付きでリーズナブルな「国際eパケットライト」など、軽量物に適したサービスも利用できます。送りたい荷物の重さや予算、届けたいタイミングに合わせて選びましょう。
DHL
DHLはドイツを拠点とする国際物流企業で、航空輸送を中心に世界220以上の国・地域へスピーディーに荷物を届けています。主力サービスである「DHL Express Worldwide」は、迅速さと高い信頼性が魅力です。
1梱包あたりの重量制限は70kgですが、1枚の運送状で合計3,000kgまで扱えるため、大量輸送にも対応できる仕組みになっています。さらに、梱包資材を無料で提供してもらえる点も大きな利点といえます。
対応エリアの広さと配送スピードを重視する場合や、大規模輸送を行う事業者には、特に使いやすい国際配送サービスといえるでしょう。
FedEx
FedExはアメリカ創業の国際輸送企業で、220以上の国と地域へ幅広いサービスを提供しています。主力の「FedEx International Priority Express」は、アジア・アメリカ・ヨーロッパなどへ1〜2営業日以内に午前指定で届けられる点が特徴で、迅速な配送を求める際の有力な選択肢となります。
また、10kg・25kgの専用ボックスを利用すると、通常の重量課金よりも割安になるため、小型〜中型の荷物をコストを抑えて送りたい場合に便利です。さらに、300kgを超える貨物でも事前予約を行えば発送できます。
輸送スピードと幅広い選択肢に強みがある国際配送サービスといえるでしょう。
UPS
UPSもアメリカ発の大手配送会社で、200以上の国や地域へ国際配送サービスを提供しています。代表的な「UPS Worldwide Express」では、最短の場合1〜3営業日で荷物が届くため、スピーディな配送を求めるシーンで頼れる選択肢になります。
料金は0.5kg単位で細かく設定されており、コストを把握しやすい点もメリットです。また、10kg・25kgの専用ボックスが用意されているほか、緊急度の低い荷物向けのリーズナブルなプランや、70kgを超える貨物に対応したパレット輸送プランなどもそろっています。
さらに、中小Eコマース向けの支援プランが充実しているのも大きな特徴です。出荷量が少ないビジネス初期段階でも、手頃な料金で利用できる割引や、ECサイトとの連携がスムーズな発送ツールが用意されています。
こうした幅広いサービス体系から、荷物の種類や配送スピードに応じて柔軟に使い分けできる国際配送サービスといえます。
海外発送の料金を安くする方法

海外発送の料金は、ちょっとした工夫で大きく変わります。ここでは、すぐに実践できる6つのコスト削減方法を紹介します。
1. 配送時間の長いサービスを選ぶ
海外発送の送料を抑える最もシンプルな方法は、到着まで時間がかかるサービスを選ぶことです。配送スピードより料金を優先すれば、同じ荷物でも料金が大きく下がる場合があります。
緊急性が低い、または納期にゆとりがあるなどの場合は、船便やエコノミー便などのプランを活用するとコスト削減につながります。
2. 小さい梱包材を選ぶ
国際配送の送料には、実際の重さだけでなく「容積重量」も反映されます。容積重量とは、荷物の縦・横・高さから算出される見かけの重量のことで、多くの国際宅配便では実重量と容積重量のどちらか重い方が適用されます。
そのため、梱包する際は余分な空間をつくらず、サイズを必要最小限に抑えることが送料を下げる重要なポイントです。特にアパレルや雑貨のような軽い商品は、箱の大きさを工夫するだけで容積重量が下がり、コスト削減につながります。
3. 荷物をまとめて送る
商品を可能な範囲でまとめて一つの荷物として送ると、全体の送料を抑えられるケースは少なくありません。
国際送料は「基本料金」と「重量・サイズに応じた加算料金」で構成されており、荷物を分けて送るとその回数分だけ基本料金が発生します。そのため、同じ合計重量でも複数に分割すると割高になるのです。
例えば、1kgの荷物を5回に分けて発送するよりも、5kgを1回で送った方が基本料金が一度で済むため、総額を抑えられます。可能であれば、購入者へ同梱依頼をしたり、発送タイミングを調整したりすると、コスト削減につながります。
4. 荷物を分割して送る
荷物をまとめて送る方法とは逆に、あえて複数に分けて発送したほうが送料を抑えられる場合もあります。重量が一定のラインを超えると料金が一気に上がる料金体系も多く、その場合は重くなりすぎる前に分割すると、トータルのコストを下げられます。
例えば、9.5kgまでは一定で、10kgを超えると料金が大幅に上がる料金設定の場合、11kgの荷物を送るよりも、6kgと5kgの二つに分けて送った方がトータルで安くなることがあるのです。
また、分割すると輸入国によっては「小口輸入」として扱われ、関税がかからないのもメリットです。ただし、発送回数に合わせて手続きの負担が増える点は念頭に置いておきましょう。
5. 料金割引を利用する
各配送会社が用意している優遇制度は見逃さずに利用しましょう。各社から、法人や個人事業主を対象としたさまざまな割引プランが提供されています。
割引の例
- 大口割引:発送量が多い事業者向けの割引制度で、定期的に大量発送すると適用される
- オンライン発送割引:Webサイト上の送り状発行システムを利用して手続きを行うと、料金が割引になる制度
- 専用コンテナ・ボックスの利用:規定のサイズの専用箱を使用すると、通常料金よりも低価格で送れるサービス
6. 送り状発行システムで料金比較をする
送り状発行システムの活用は、国際発送のコストを最適化する上で有効です。送り状を自動で作成できるため、業務の効率化とコスト削減を同時に進められます。
Ship&coを利用すると、入力した荷物情報と各運送会社アカウントの契約内容をもとに、リアルタイムの概算送料が比較画面に表示されます。複数のクーリエ(国際宅配便業者)の送料を一画面で比較できるため、最適な配送方法を選べます。実際の請求額は営業所での最終計測により確定しますが、発送前に料金の目安を把握できるのは大きなメリットです。
配送プランごとの料金が把握でき、無駄な送料を避けることにつながります。
海外発送サービスの選び方

海外発送サービスを選ぶ際は、料金だけでなく、配送地域や日数、サポート体制を含めて総合的に比較することが重要です。各社には得意分野があり、対応エリアやサイズ規定も異なるため、商品や発送目的に合うサービスを選べばトラブルや遅延を防ぎやすくなります。
海外発送を円滑に進めるために、次のポイントを事前にチェックしておきましょう。
- 配送できる国や地域
- 到着までのおおよその日数
- 追跡サービスの有無と精度
- 紛失・破損時の補償内容
- 問い合わせへのサポート体制
- 禁制品のルールや荷物サイズの制限
海外発送の手順
海外発送では、送り先の国によって必要な書類や禁制品の規定が異なるため、準備不足のまま発送手続きを進めると、配送遅延や返送などのトラブルにつながる可能性があります。ここでは、発送前の基本的なチェックから配送サービスの選び方まで、スムーズに荷物を送るための一連の流れを紹介します。
1. 発送可能なものか確認する
国際配送では各国で輸入禁止品や制限品が細かく定められており、アルコール類、電池を含む製品、医薬品などは特に規制が厳しい傾向があります。まずは配送会社の公式サイトや税関の案内を参照し、発送予定の品物が禁止品や制限品に該当しないか確認しましょう。
禁止品を送ってしまうと、返送や没収が行われるだけでなく、追加費用が発生する場合もあります。余計なトラブルを避けるためにも、事前の確認を徹底しましょう。
2. 発送サービスを選ぶ
発送できる商品であることを確認したら、どの配送サービスを利用するかを判断します。前述の通り、料金だけでなく、配送スピードや対応地域、サポート体制などを総合的に比較することが大切です。
例えば、早く届けたい場合は航空便やエクスプレス系のサービスが向いており、コストを抑えるなら船便やエコノミー便が候補になります。
コストと顧客の満足度をバランスよく両立するため、発送量や顧客の受取希望日に応じて最適な方法を選びましょう。
3. 必要書類を用意する
海外へ荷物を送る際は、内容物を証明する書類の提出が欠かせません。書類が不足していると、税関で荷物が止まったり返送されたりする可能性があるため、発送前に必ず準備しましょう。
必須書類は、次の二つです。
- インボイス(商業送り状):荷物の品名、数量、価格、発送理由などを記載した明細書
- 送り状:荷物の送り先や送り主、内容物などを記載した配送用の伝票
4. 梱包する
国際配送では移動距離が長く、各国の拠点を複数経由するため、荷物は国内配送よりも多くの衝撃や振動にさらされます。そのため、輸送に耐えられる十分な梱包を行うことが欠かせません。
梱包が不十分な場合、輸送途中で商品が破損し、返品対応や再発送のコストが発生するだけでなく、顧客からの信頼低下にもつながります。
5. 出荷する
必要書類と梱包が完了したら、配送会社へ荷物を引き渡す出荷手続きに移ります。出荷方法には主に以下の二つがあります。
- 集荷依頼:配送会社の窓口やWebページから集荷を依頼し、指定した日時に担当者が荷物を取りに来る
- 持ち込み:荷物を配送会社の窓口へ直接持ち込む
いずれの方法でも、送り状番号(追跡番号)を必ず控えておいてください。出荷後に顧客へ通知すると、配送状況の確認が可能になり、問い合わせ対応の負担も軽減できます。
海外発送の注意点
海外へ荷物を送る際は、国内配送にはない特有のリスクや手続きが存在します。特に税関や輸送中のトラブルを防ぐために、事前の確認と適切な準備が重要になります。
丁寧に梱包する
海外向けの荷物は、気温差や湿気、振動など国内配送とは異なる環境に置かれるため、外装の強度と密閉性を重視した準備が必要です。商品は保護材で包み、箱の内部で動かないよう隙間を埋めるのが基本です。
また、割れ物や精密機器など壊れやすい品物には「FRAGILE」や「HANDLE WITH CARE」などの注意書きを添えると、現地のスタッフに意図が伝わり、丁寧に扱われる可能性が高くなります。
書類の記載内容を間違えない
国際発送で重要な注意点の一つが、書類を正確に記載することです。特にインボイスに不備があると、荷物が税関で止まり、大幅な遅延や返送につながるリスクがあります。
主な注意点
- 品名と価格:荷物に入っている商品の品名(例:シャツ、おもちゃ)や、単価、総額は、実際の商品の内容と完全に一致させる
- 取引条件(インコタームズ):送料や保険料をどちらが負担するか、など商品の輸送と引渡しに関する取引条件を正確に記載する
意図的な虚偽申告は罰則の対象となるため、事実に基づいた情報を丁寧に記入する姿勢が求められます。
関税の仕組みを理解する
関税は、海外から輸入される商品に国が課す税金のことです。税率は品目や価格、原産国によって異なります。同じ商品でも国ごとに免税枠や課税基準が違うため、受取側に予想外の支払いが発生するケースも珍しくありません。そのため、発送前に各国の関税ルールをしっかり理解しておきましょう。
また、商品代金とは別に関税がかかる可能性があることを、購入前の段階でわかりやすく知らせておくと、顧客との認識のズレを防げます。事前説明を丁寧に行えば、安心して購入してもらえ、配送後の問い合わせやクレーム削減にもつながります。
まとめ
海外発送の料金は高くなりやすいため、各社のサービス内容を見比べて選択する必要があります。
配送日数の長いプランを検討する、梱包サイズをできるだけ小さくする、割引制度を活用するなどの方法で、送料を大きく削減できる可能性があります。また、スムーズに届けるためには、丁寧な梱包に加えて、書類の正確な記入や関税の仕組みの理解が欠かせません。
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