5月上旬、Amazonは新しく電話番号の匿名化システムを導入しました。

これまでは、Amazon USマーケットプレイスのセラーは購入者電話番号に直接アクセスできました。送り状を作成する際にもこの電話番号を入力し、配送中に問題が発生した場合は運送会社が購入者に直接連絡できるようになっていました。

ただし今回、セラーの購入者情報悪用の予防、および購入者情報のプライバシー保護の観点から新しいシステムが導入され、セラーは購入者の電話番号を入手/アクセスできなくなりました。その代わり、一時的に有効な5桁の内線番号が提供されます。購入者へ連絡を取るためには、Amazonの共通の電話番号と、Amazonが提供する5桁の内線番号、続いて購入者の郵便番号、および住所の番地の数字を入力する必要があります。荷物の配達が完了すると、この電話番号は失効する仕組みとなっています。(尚、この仕様変更は、現在のところAmazon USのみとなります。)

以下のオーディオから、仕組みをご確認ください。

運送会社が購入者に電話をかける際、匿名システムがどのように機能するか一例

今回の仕様変更によるセラーにとっての一つ目の懸念点は、運送会社の送り状発行の際に、電話番号のフォーマットが一致しないため、エラーが発生する可能性があるということです。

Ship&coでは、今回のAmazon仕様変更後、送り状作成時に “ext. ” (内線)部分がエラーとなる為、都度Ship&coのオーダー表示画面で宛先の編集をして対応している、というようなお客様のお声がありました。この件への当面の対応として、Ship&coは、該当する電話番号に関しては “ext. ” 以降を自動的に除外してデータを取り込むよう、システム修正を行いました。

さらに、二つ目の懸念点は、場合によっては運送会社が購入者に連絡する前にこの一時的に有効な電話番号は期限切れになる可能性があるということです。また、送り状に記載の郵便番号や番地が間違っている場合、運送会社が連絡を取ろうとしてもエラーになって繋がらない可能性もあります。したがって、運送会社が購入者へ連絡を取れずに、荷物が配達されない可能性も懸念されます。

Amazonは、Eコマース業界でも特に新しい事にチャレンジし、リードする存在です。先ほど挙げたようなセラーの懸念点に今後どのように対処するのか、そして他のEコマースプレーヤーも今後数ヶ月間でどのように追いつくのか、注目していきたいと思います。