ネコポスの発送方法や送り状(伝票)の発行・印刷方法を解説
ネコポスとは、ヤマト運輸が提供する小型荷物向けの配送サービスです。荷物の送り方、送り状・宛名ラベルの発行方法や貼り方などについて解説します。
ネコポスは、小さな荷物を手軽に送れるヤマト運輸のサービスとして、幅広い用途で利用されています。しかし、送り状(伝票)の作成方法や、法人と個人による発送方法の違いなど、分かりにくい点も少なくありません。
本記事では、ネコポスのサイズや料金をはじめ、法人・個人それぞれの発送手順や、送り状の発行・印刷方法を解説します。利用する際のメリットや注意点、よくある質問もまとめています。
ネコポスとは

ネコポスとは、ヤマト運輸が提供する、小さくて軽い荷物を郵便受けに配達するサービスのことです。主にECサイト運営者や個人事業主が利用しますが、ヤマト運輸と提携しているフリマアプリやオークションサイトの個人ユーザーも利用できます。
宅急便と同様の輸送スピードを持っているため、基本的には翌日配達(一部地域を除く)が可能で、緊急性の高い発送にも対応しています。さらに、インターネット上で荷物の配送状況を確認できる追跡サービスが提供されており、発送した荷物が今どこにあるのかをすぐに把握することも可能です。
一方で、対面での受け渡しではないため、配達日時の指定ができないこと、またポストへの配達となるため高額な商品の発送には向かないという留意点もあります。
ネコポスのサイズ・重量・料金
ネコポスでは、発送する荷物のサイズや重量が制限されており、それを超えると、別の配送サービスを利用することになります。荷物を梱包する前に、以下の規定を確認しておきましょう。
ネコポスの基本料金は全国一律で上限385円(税込)ですが、法人契約では顧客ごとに価格設定が異なります。またメルカリやYahoo!フリマなどの個人間取引サイトでは、各サービスの契約条件に応じて送料が違います。具体的な料金については、利用されているサイトやヤマト運輸との契約内容をご確認ください。
参考:ヤマト運輸 よくあるご質問(FAQ)
ヤマト運輸 よくあるご質問(法人のお客様)
ネコポスの発送方法

ネコポスの発送方法は、利用者によって大きく二つに分けられます。一つはECサイト運営者などの法人・個人事業主としてヤマト運輸と契約しているケース、もう一つはフリマ・オークションサイトなどの個人間取引プラットフォームを利用するケースです。それぞれの手順を解説します。
法人、個人事業主の場合
法人や個人事業主としてネコポスを利用する場合、ヤマト運輸との事前契約が前提となります。契約後は「ヤマトビジネスメンバーズ」に登録し、送り状発行システムを利用して送り状を作成します。以下では梱包、送り状の発行、発送の流れを順に説明します。
【商品の梱包】
ネコポスは、受取人の郵便受けに配達されるため、配送中に荷物が破損しないよう、適切な梱包が求められます。特に、DVDや精密機器など、衝撃に弱い商品を送る際は、エアクッション材などを使った破損防止対策が不可欠です。
また、雨などによる水ぬれを防ぐために、ビニール袋などでの対策も施すようにしましょう。梱包後のサイズと重量が、ネコポスの規定内(厚さ3cm、重さ1kg以内など)に収まっていることも確認してください。
【送り状の発行】
法人・個人事業主がネコポスを利用する際は、ヤマト運輸が提供する無料の送り状発行システム「B2クラウド」を使用します。このシステムを利用するには、ヤマト運輸との法人(掛売り)契約締結後、「ヤマトビジネスメンバーズ」への登録が必要です。
B2クラウドでは、顧客データの一括取り込みが可能で、大量の送り状も効率的に作成できます。発行した送り状(配送伝票)は、通常のプリンターで印刷できますが、専用のラベルが必要となるため、ヤマト運輸から入手しておきましょう。印刷した後は、送り状を貼る位置に注意し、荷物の見やすい場所にしっかりと貼り付けます。
【商品の発送】
発送の準備が完了した荷物は、ヤマト運輸の営業所に直接持ち込む、または担当のセールスドライバーに集荷を依頼して発送します。営業所へ持ち込む場合は、その場で料金の支払い・送り状の確認ができます。集荷サービスを利用すれば、荷物を持ち運ぶ手間が省け、発送業務の効率化につながるでしょう。
ただし、コンビニエンスストアなどのヤマト運輸の取扱店ではネコポスを受け付けていないので、その点には注意しましょう。
個人間取引サイト(フリマ、オークション)ユーザーの場合
フリマアプリやオークションサイトのユーザーは、サイトごとに用意された提携サービスを利用します。ここでは、発送方法の設定から梱包、QRコードの作成、発送までの流れを解説します。
【発送方法をネコポスに設定】
メルカリやYahoo!フリマ、ラクマなどの取引サイトでは、取引画面で配送方法を選択できます。ネコポスを選ぶと、専用の送り状が自動的に作成される仕組みです。
メルカリなら「らくらくメルカリ便」、Yahoo!フリマやYahoo!オークションでは「おてがる配送」といった独自の名称で提供されており、多くのサービスで匿名配送や追跡サービスなどの便利な機能が付随しています。料金はサービスごとに異なるため、利用するサイトの案内を確認しましょう。
【商品の梱包】
個人ユーザーも、梱包の際はネコポスの規定サイズを厳守し、定規やメジャーを使って長さ・厚さを正確に測りましょう。衣類などのかさばるものを送る際は、圧縮袋を利用するなどして、規定内に収まるように工夫してください。
輸送中に中身が動かないように配慮するだけでなく、壊れやすい商品はエアクッション材を活用するなど、商品の特性に応じた梱包を心がけましょう。
【QRコードの作成】
サイト内で発送手続きを行うと送り状が自動的に作成され、QRコードとしてアプリ内に表示されます。このQRコードは、コンビニエンスストアやヤマト運輸の営業所にある専用の端末で読み取るために使用されるものです。
QRコードを作成したら有効期限を確認し、期限内に手続きを進めましょう。
【商品の発送】
作成したQRコードを使用して、全国のヤマト運輸営業所または提携しているコンビニエンスストアで発送手続きが行えます。
コンビニのレジ横にあるFamiポートやLoppiなどの専用端末にQRコードをかざして操作すると、送り状が印刷される仕組みです。その送り状をレジに持参し、荷物と一緒に渡して発送完了となります。
なお、セブン-イレブンやファミリーマートなど、取引サイトによって利用できるコンビニエンスストアは違います。提携外のコンビニやネコポスの取り扱いがない店舗では発送できないため、事前に利用可能な場所を確認しておきましょう。
ネコポスの送り状を発行・印刷する方法

ネコポスの送り状は、法人や個人事業主と、フリマやオークションを利用する個人ユーザーで発行方法が異なります。ここでは、それぞれの基本的な流れを解説します。
法人、個人事業主の場合
法人や個人事業主は、ヤマト運輸の「送り状発行システムB2クラウド」を利用して送り状を作成します。
B2クラウドでの送り状発行は、システムメニューから「かんたん発行」を選択し、届け先・依頼主情報、品名などの必須項目を入力すると完了します。マスタに顧客データを登録しておけば、入力の手間を省くことも可能です。
すべての入力が終わったら、内容を確認して印刷ボタンを押すだけで、専用ラベルに送り状が印刷されます。より詳細なシステムの使い方については、ヤマト運輸の公式サイトで確認できます。
また、EC事業者が複数の配送業者やECサイトを一元管理しながら送り状を発行したい場合は、Ship&coのような外部の発送管理システムの導入も選択肢の一つです。これらのシステムを利用することで、発送業務をより効率化できます。
個人間取引サイト(フリマ、オークション)ユーザーの場合
フリマアプリやオークションサイトを利用する個人ユーザーは、ヤマト運輸と各サイトが提携しているサービスを介して送り状を発行します。
具体的な手順としては、まず取引画面で発送手続きに進み、配送方法をネコポス連携サービス(らくらくメルカリ便など)に設定します。その後、画面の指示に従って操作すると、発送に必要なQRコードが作成されます。
このQRコードを、コンビニエンスストアやヤマト運輸の営業所に設置されている専用端末で読み取ると、送り状が印刷されます。印刷された伝票を荷物に貼り付けずにレジまたは受付に提出すると、発送手続きが完了する仕組みです。
利用するサービスによって手順が若干異なるため、詳しくは各サイトのヘルプページを参照してください。
ネコポスのメリット
ネコポスは、その手軽さとスピーディな配送で、多くのEC事業者や個人ユーザーに選ばれています。特に注目すべきメリットは以下のとおりです。
・ポストに配達
対面での受け渡しではないため、受取人が自宅で待機する必要がありません。多忙な現代の消費者にとっては大きなメリットで、再配達にかかるコストや手間も削減できます。
・シンプルで分かりやすい料金体系
契約ごとに料金は違うものの、基本料金が全国一律で上限385円(税込)に設定されており、距離による料金変動がありません。送料の計算がシンプルなため、コスト管理が容易です。
・ヤマト運輸の宅急便に匹敵する配送スピード
ポスト配達型のサービスでありながら、宅急便と同じ速さで配送されるため、一部地域を除いて翌日には受取人のもとに届けられます。
・追跡サービス
安価な配送手段でありながら、荷物一つひとつに追跡番号が付与されます。これにより、発送元も受取人も配送状況をインターネットで確認できます。
ネコポスのデメリット・注意点
ネコポスにはデメリットと注意点もあります。発送時のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな取引を行うために把握しておきましょう。
・送れないものが規定されている
再発行が困難な重要書類は送れません。また、現金や貴金属などの高額なもの、破損しやすいガラス製品など、特定の品目も発送不可です。
・ポストに入らない場合は持ち帰りになる
荷物がポストに入らないと、配達員が持ち戻ります。この場合、7日以内に再配達の手続きが必要です。
・手書きの送り状は用意されていない
ネコポスを利用するには、法人契約が前提のB2クラウドや、フリマサイトのアプリを使用して送り状を発行する必要があります。手書きの送り状での発送はできません。
・専用の梱包資材はない
ネコポス専用のダンボールや袋などの梱包資材は提供されません。規定のサイズに合わせ、自身で適切な梱包材を用意する必要があります。
ネコポスの発送方法や送り状についてよくある質問
ネコポスを利用する際に頻繁に寄せられる質問と、その回答をShip&coがまとめました。多くの利用者が気になるポイントにお答えします。
1. ネコポスの送り状番号はどこに記載されていますか?
送り状番号は、送り状の右上に記載されています。送り状には「お問い合わせ送り状番号」と表記されており、11桁または12桁の数字で構成されています。
この番号を使うと、ヤマト運輸の「荷物お問い合わせシステム」で配送状況を確認できます。伝票番号と呼ばれることもありますが、意味は同じです。
2. ネコポスはいつサービス終了になりますか?
当初、ネコポスは2023年10月から「クロネコゆうパケット」へ移行予定とされていました。しかしその後撤回され、サービスの継続が発表されています。2025年12月時点では終了の予定はなく、引き続き利用可能です。
3. ネコポスは茶封筒で送ってもいいですか?
ネコポスには専用資材がないため、市販の封筒を使って発送できます。サイズや重量の制限を守れば、手持ちの茶封筒でも問題ありません。利用できるのは、角形2号サイズ以内の封筒です。
まとめ
ネコポスは小型荷物を対象としたヤマト運輸のサービスです。法人・個人事業主は「送り状発行システムB2クラウド」を利用し、フリマやオークションのユーザーは各サイトのQRコードから送り状を発行します。
宅急便並みのスピードや、不在時でもポストに配達される利便性がメリットですが、サイズや重量の制限、日時指定不可などの点には注意しましょう。
日々の発送業務をさらに効率化したい事業者の方には、複数の配送業者に対応し、送り状発行を一元管理できるサービスShip&coの導入も効果的です。ヤマト運輸をはじめ、佐川急便や日本郵便など、複数の配送会社の送り状をまとめて発行できます。
詳しく知りたい方はネコポスの送り状発行に関するShip&coサポートページもご覧ください。