送り状発行システムで配送ラベルを作成する際、住所が長すぎる、住所が間違っている、都市名が入力されているなど、多くの原因でエラーが発生しています。

特に海外発送をする場合、英語表記の住所になれないことがもちろんですが、各国の住所の構成が分からないEC事業者も少なくありません。

今回のブログでは、越境ECの出荷業務(送り状発行作業)におけるエラーをうまく処理する方法をご紹介します。では、一緒に確認していきましょう。

  • 海外住所の形式
  • 頻出するエラーメッセージ
  • 各運送会社による住所の文字制限
  • 正しい住所入力のヒント
  • 間違った住所の例と解決方法

海外住所の形式

さて、各国には異なる住所表記のルールが存在しています。たとえば、アメリカの住所では州名や郡名が必要ですが、日本の住所にはありません。このようなフォーマットの違いを認識しないと、住所エラーを解決する方法について不安を感じるかもしれません。これからは、最初に理解しておいてほしい宛先情報について説明します。

宛先情報

海外発送に必要な宛先情報と入力のフォーマットについてです。基本的には、以下のフィールドがありますが、各国によってフォーマットが異なります。

  • 荷受人の氏
  • 会社名(法人の場合、任意で入力)
  • 住所
    *通常、住所1、住所2(または、住所3)に分けられています。
  • 都市
  • 地方/州/都道府県
  • 電話番号
  • 郵便番号
運送会社からスムーズに通知を届くには、荷受人のメールアドレスを必須にすることがおすすめです。発送通知に関してはこちらをご参考ください。

頻出するエラーメッセージ

まず、頻出するエラーメッセージをご紹介いたします。送り状発行システムShip&coでは、日本から海外に向けて発送する際、対応可能な運送会社は国際郵便、FedEx、UPS、DHLです。よく発生するエラーメッセージの例を以下に示します。

  • 住所1 / 住所2: この項目が長すぎます(This field is too long.
    上記の場合、住所フィールド(住所1または住所2)に入力した情報が長すぎて、運送会社の制限を超えていることを意味します。

住所のエラーに関しては、上記のエラーがよく発生します。住所が長い宛先の例としては、メキシコ、ブラジル、フランス、ベネズエラ、カラカス、バーレーンなどがあります。これらの宛先へ発送する場合、マンション名や部屋番号などが含まれることが多く、それら情報によって「住所が長すぎる」というエラーが発生する原因の一つです。

また、以下の他のエラーも含めてご紹介します。

  • 宛先の名前: この項目が長すぎます(This field is too long.)
    上記の場合、宛先の荷受人の名前が長すぎて、運送会社の制限を超えていることを意味します。
  • 荷受人の地方: この項目が長すぎます(最長: 5)
    上記の場合、地方フィールドにコードが求められますが、地方名で入力されて上記に適合していないことを意味します。本件の詳細は、こちらをご参考ください。
  • Invalid Recipient StreetLine 1
    上記の場合、通り名が無効であることを意味します。
  • The length of the destination state or province exceeds the limit of 2 characters.(宛先の都道府県名の長さが2文字の制限を超えています)
    上記の場合、アメリカやカナダへの発送時によく発生し、地域/州/都道府県のフィールドに2文字のコードではなく州名が入力されており、運送会社の制限に適合していないことを意味します。
  • Destination postal code missing or invalid.(宛先の郵便番号が欠落または無効です)
    Postcode not found.(郵便番号が見つかりません)
    上記の場合、宛先の郵便番号が入力されていない、無効である、またはフォーマットが正しくないことを意味します。

各運送会社によって表示されるエラーメッセージは異なる場合もありますが、基本的には上記の点でエラーが発生することが多いです。

各運送会社による住所の文字制限

もう一つ覚えておくべき点は、各運送会社のルールによる制限が存在するということです。FedEx、DHL、UPS、国際郵便の住所フィールドには文字数の制限があり、また、住所が長すぎたり特殊文字が含まれたりしている場合にエラーが発生する可能性があります。

今回、特に強調したいのは、住所が長すぎるエラーですので、各運送会社の文字制限をご紹介します。

日本郵便国際郵便の住所制限

住所1・住所2共に それぞれ80文字 (スペースや記号もカウントされます)

FedExの住所制限

住所1・住所2共に それぞれ35文字 (スペースや記号もカウントされます)

DHLの住所制限

住所1・住所2共に それぞれ45文字 (スペースや記号もカウントされます)

UPSの住所制限

住所1・住所2共に それぞれ35文字 (スペースや記号もカウントされます)

送り状を作成する際、上記の文字数内に納める必要があります。

各運送会社による海外向け宛先の言語

国際郵便(小形包装物、EMS、国際eパケットなど)は、英字に加えて繁体字と簡体字にも対応していますが、DHL、FedEx、UPSで発送する場合、送り状は英字のみに対応しています。

正しい住所入力のヒント

次に、住所のエラーが発生する場合の対応のヒントをご案内します。

1. 国別の住所フォーマットを確認する

送り状を発行する際には、宛先国の正確な住所フォーマットを確認しましょう。国別の公式ウェブサイトや郵便局のウェブサイトなどから、正しい住所フォーマットを参照できます。

アメリカの住所には、通り名・番地、郵便番号、州(地方)、都市、国などが含まれます。また、ビル名やフロアを指定する場合もあります。

アメリカでは州の名前は省略されることが一般的です。運送会社の制限でも同様の要求がありますので、カリフォルニア州をCA、ニューヨーク州をNYなど、各州の省略名を利用してください。Ship&coアプリに同期された注文は通常、自動で州の省略名で入力されていますが、それ以外の場合は、各州の省略名(2桁の文字コード)に編集してください。

メキシコの住所には、通り名・番地、部屋番号、コロニー、自治体、郵便番号、州、国などが含まれています。

上記の点を理解すると、必要な情報が含まれているかどうかを確認しやすくなります。

2. 郵便番号の入力に注意する

郵便番号は送り状の正確な配送を確保するために重要です。適切なフォーマットで入力し、番号やハイフンの入力ミスがないように注意しましょう。

国際郵便の場合、海外郵便局のウェブサイトで郵便番号検索機能を推奨されています。DHLの場合、住所が正しいかどうかをチェックしたい場合は、DHL Capability Tool のご使用をお勧めします。

3. 略語や特殊文字の使用に注意する

住所欄では一般的に略語や特殊文字の使用が制限されている場合があります。必要な場合には、公式な略語や代替文字を使用し、特殊文字は避けるようにしましょう。例えば、以下のリストが住所によく使う公式な略語です。

  • Square - Sq
  • Street - St
  • Center - Ctr
  • Saint - St

公式な略語について詳しく確認したい方は、こちらのリンクをご参考ください。

4. アドレスラインの制限に対処する

一部のシステムではアドレスラインの長さや文字数に制限があります。必要な情報を短縮するために省略形や簡略表記を使用する場合には、制限内で的確に表記できるようにしましょう。

5. オンラインツールを活用する

海外住所の入力が不慣れな場合には、翻訳サービスを利用して正確な住所を入力するのに役立てましょう。例えば、住所に関する補足メモと実際の住所を区分するためには、専門的な翻訳サービスやオンライン翻訳ツールを利用すると便利です。

配送先の住所を編集する際にChatGPTなど生成AIを利用することが良いかもしれません。完全性の確認、フォーマットの整合性などに便利です。また、自動的な住所検証ツールが利用できない場合は、オンラインマップや検索エンジンを使用して住所を調査したりすることがあります。

間違った住所の例と解決方法

以下の間違った例をチェックしてください。

全体の住所情報が正しい場合でも、「住所1」フィールドに番地のみを入力すると、運送会社のシステムからエラーが返信される場合があります。この場合、「NEW YORK AVENUE」という部分を「住所1」フィールドに入力することで解決できます。

もう一つの例ですが、住所にビル名が長い場合、以下のように住所が長すぎるエラーが発生します。

この場合、対応方法は、「Aviation Engineering Center」という部分を「法人名」フィールドに入力し、「Aviation Training」という部分を省略することです。

最後にメキシコの住所では、「住所に関する補足メモ」がよく入力されています。これが原因で住所が長すぎる問題が発生しています。

この場合の対応策としては、「Ubicar en la esquina de la calle y frente a la casa restaurante」という部分を「住所2」フィールドから削除し、その情報を別の紙などに印刷して、住所の補足として貼り付けることをおすすめします。分かりやすい部分に補足情報を掲示することで解決できます。

まとめ

海外発送において、送り状発行システムでの住所入力にはいくつかのエラーが発生する可能性があります。これらのエラーを解決するためには、以下のポイントに注意することが重要です。これらのヒントと注意事項に従うことで、正確な住所入力とエラーの回避が可能となります。

もし、本ブログの説明に従って対応しても解決できない場合、該当の注文番号とエラーメッセージが表示される全画面のスクリーンショットを添付してShip&coサポートセンターにお問い合わせください。


送り状発行システムShip&coとは?

Ship&coは、EC事業者が配送業務において直面する課題を解決するために開発された、送り状発行システムです。シンプルで使いやすいWebダッシュボードと出荷APIを提供しており、注文情報を自動的に同期し、FedEx、UPS、DHL、ヤマト運輸、佐川急便などの配送会社の配送ラベルとコマーシャルインボイスを簡単に作成することができます。Ship&coを使うことで、煩雑な手作業を省くことができ、配送業務の効率化と正確性の向上を実現できます。

アカウントの作成はこちらからどうぞ。ご不明点がございましたら、hello@shipandco.comまでお気軽にお問い合わせください。

皆様の発送業務をより簡単になりますように全力でサポートして参ります!