36%のオンライン顧客が購入を断念する理由は「配送料金を支払いたくないから」だそうです。無料配送の期待が高まっている中でも、送料を無料にするという事は単純に合理的ではありません。
配送には必ず費用がかかります。DHL、UPS、FedExなど、どの運送会社を利用しても、配送を提供するためにはコストが伴います。したがって、誰がかそれを支払う必要があるのです。
今回のブログでは、Ship&coが運営する「弁当箱輸出事業Bento&co」から学ぶ、利益を損なうことなく顧客に満足してもらえる、Shopifyを利用したECサイトの送料の決め方をご紹介していきます。
- 送料の決め方：収益性を確保するための方法
- Bento&coの事例から学ぶ海外向けの送料の決め方
早速、一緒に確認していきましょう！
送料の決め方：収益性を確保するための方法
越境EC販売において、収益性を確保するためには、送料の設定が重要です。購入者に公平な送料を請求し、損失を被らずにコストをカバーするバランスを取るべきものです。
送料を決める際に考慮するポイント
海外向けの送料を適切に決めることは、ビジネスにとって重要な課題です。送料を適正に設定することで、顧客に満足してもらいながら利益を確保することができます。以下に、送料を決める際の考慮事項をいくつかご紹介します。
- 商品の重さとサイズ：配送業者は通常、商品の重さとサイズに基づいて送料を計算します。軽量な商品や小さな商品は比較的低い送料で送ることができる場合があります。
- 配送先の地域：配送先の国や地域によっても送料は異なる場合があります。一部の地域への配送は高い送料がかかる場合がありますので、それを考慮に入れて価格設定を行いましょう。
- 配送オプション：先ほどご紹介したように、様々な配送オプションを提供することで、顧客に選択肢を与えることができます。各オプションごとに異なる送料を設定し、顧客に適切な価格を提供しましょう。
- 配送業者との交渉：配送業者とのパートナーシップを築き、送料についての交渉を行うことも重要です。出荷量や継続的な出荷などの要素を考慮に入れて、送料の割引や特別な条件を交渉することができるかもしれません。
送料の決め方についは、様々な戦略があります。以下のブログに紹介されていますので、ぜひチェックしてください。
Ai NAKAMURA
送料の決め方
この目標を達成するための2つの重要なアプローチを見ていきましょう。
1. 購入者に正確な送料を請求する
一部の購入者は、送料の透明性を重視します。彼らは購入者に実際に運送業者に支払われる正確な送料を請求するアプローチを取ります。この戦略を実施するためには、いくつかのオプションがあります。
FedExによって計算されたチェックアウトの送料を表示することができます。FedExアカウントを設定し、それをShopify管理画面に接続する必要があります。
- Shopify配送で利用可能なShopifyアプリや統合を使用すること
Shopifyで既に利用可能なアプリや統合を使用することができます。この統合は、各Shopify注文のパッケージの重さ、寸法、および目的地に基づくリアルタイムの料金を提供します。ただし、世界各地の場所からのフルフィルメントオプションとして利用できるのはFedExとUPSのみです。 - 正確な料金を設定するためのセットアップ要件を考慮すること
正確な送料のアプローチを使用する場合、正確な料金を設定するためのセットアップ要件を考慮することができます。これには、各SKUごとにサイズ情報をShopifyストアに追加するためのアプリを使用することが含まれます。正確なサイズデータにより、商品の寸法と重量に基づいた正確な送料の計算が可能になります。セットアップには初期の労力が必要かもしれませんが、顧客満足度のために料金の正確性を大幅に向上させることができます。
注意：サードパーティの運送業者計算送料を有効にするには、該当のShopifyストアがAdvanced、Shopify、またはPlusプランを利用する必要があります。
購入者に正確な送料を請求することは透明性と正確性を提供しますが、このアプローチには潜在的な課題もあります。主な問題は、以下の2つの点です。
- 商品の正確なサイズ情報： 正確な送料を請求する際には、Shopifyストア内の各SKUの正確なサイズ情報が重要です。ただし、大量の在庫や常に変動する在庫がある場合、すべての商品の正確な寸法を取得することは困難です。サイズ情報が不正確または不完全な場合、顧客に対して正確な送料が請求されない可能性があります。これにより、送料の過剰請求または未請求が発生し、顧客の不満や事業の損失につながる可能性があります。
- 間違った送料の計算： チェックアウト時にリアルタイムの送料を表示することで、送料の未請求が発生する可能性があります。Shopify配送では、商品の重量のみを使用して料金を取得します。大きなパッケージを発送する場合、運送業者が請求する料金よりも安くなるリスクがあります。 注意：運送業者は、パッケージの実重量または容積重量（Dim weight）のいずれか大きい方を使用して送料を計算します。
2. 赤字にならない送料を請求する
正確な送料を請求することは直接的なアプローチですが、常に送料プロセスに関連するすべてのコストをカバーするわけではありません。収益性を確保するためには、パッケージごとの平均的な送料を計算し、それに応じて料金を調整することが重要です。これには、1か月などの特定の期間にわたる送料の経費を分析し、同じ期間内に出荷されたパッケージの数で割る作業が含まれます。
平均的な送料を理解した後、キャリアの料金だけでなく、包装資材、取り扱い、フルフィルメントなどの追加費用も考慮した適切な送料を設定することができます。
注意：このアプローチには送料の経費を注意深く追跡することが必要であり、潜在的な損失を相殺するためにアイテムの価格をわずかに引き上げる必要がある場合もあります。
Bento&coの事例から学ぶ海外向けの送料の決め方
Bento&coの配送オプションの提供
Bento&coでは、顧客に満足してもらうために、複数の配送オプションを提供しています。これにより、顧客は自分のニーズに合った配送方法を選ぶことができます。
- Economy Shipping（通常配達）：9〜30営業日で届ける
- Registered/tracked shipping（追跡可能な配達）：9〜20営業日で届ける
- Express shipping（国際宅配便）：2〜5営業日で届ける
実際には、異なる配送業者を利用しており、チェックアウトページに表示されるのは各配送オプションの名称で、配送業者の名前は記載されていません。具体的な配送業者は、実際に発生する送料や配送先の地域に基づいて決定されます。
Express shipping（国際宅配便）を提供する場合、複数の運送会社（クーリエ）を導入することを検討してください。特にスタートした時点では、対象となった宛先へは、どの運送会社の利用が最も適切か分からないので、送料を比較しながら、最も適切なオプションを選ぶのが重要です。
Bento&coの送料の決め方
では、Bento&coでは、どのように送料を設定するか次に説明します。
事例として出したいのは、米国向けの配送料です。Shopifyでは、商品を発送する配送元のロケーション毎、発送する先のエリア毎、重量や金額などの条件毎に送料を設定することができます。
- エリア毎に設定：各エリアを条件として設定
- 条件毎に設定：商品の重量を条件として設定
無料配送の提供
「送料」と言うのは、やはり購入する側にとっては購入完了に至るまでの大きな壁になりますので、ECストアでどのように見せるかが重要になります。
そこで、ECストアの購入者に無料の配送を提供することで、購入者のショッピング体験を向上させ、購買意欲を高めることができます。
Bento&coでは、180ドル以上の注文に対して「送料無料」を提供していますが、実際には海外向けに送料を全て負担するのは難しく、なかなか売り上げに繋がりません。送料無料を提供するには、商品代金に予め送料を上乗せする形で、予想の値段より少し高く販売する対応が必要です。
最後に
送料を無料にすることは、ビジネスにとって必ずしも最適な選択肢ではありません。配送には費用がかかり、利益を確保するためには適切な価格設定が必要です。Bento&coの配送戦略は、顧客に満足してもらいながら利益を最大化することを目指しています。
ぜひ、このブログを通じて海外向けの送料についてより深く理解し、自社の越境ECビジネスに活かしていただければ幸いです。
送り状発行システムShip&coとは？
Ship&coは、EC事業者が配送業務において直面する課題を解決するために開発された、送り状発行システムです。シンプルで使いやすいWebダッシュボードと出荷APIを提供しており、注文情報を自動的に同期し、FedEx、UPS、DHL、ヤマト運輸、佐川急便などの配送会社の配送ラベルとコマーシャルインボイスを簡単に作成することができます。Ship&coを使うことで、煩雑な手作業を省くことができ、配送業務の効率化と正確性の向上を実現できます。
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