日本郵便・国際郵便は、2022年6月1日(水)から国際郵便料金の一部を改定することを公表しました。海外発送を行なっている方々にとっては、非常に大事なニュースですね。

前回2021年4月1日の値上げ(北米、ヨーロッパ等EMSサービス向け)のお知らせも記憶に新しいですが、1年2ヶ月が経った今、改めて、料金改定と特別追加料金の導入が行われます。

今回、この変更につきましては、越境ECセラーの皆様に是非知ってもらいたい、以下の大事な点を一緒に見ていきたいと思います。

  • EMSと国際小包の料金改定の背景
  • 料金改定対象サービス
  • 地帯区別の変更(新旧地帯区別比較)
  • EMSと国際小包特別追加料金
  • 越境ECセラーとして対応すべきこと

EMSと国際小包の料金改定の背景

国際郵便の料金改定の背景について、リリースでは以下のように書かれています。

輸送コストおよび米国をはじめとする諸外国における配達コストが大幅に上昇しています。現在の料金では、日本郵便のサービス提供を維持できる収益の確保が困難な状況となり、上昇したコストを適切に補う必要があることから、今後とも安定的な国際郵便サービスの提供を維持するため、国際郵便料金の一部を改定します。

新型コロナウイルス感染症の世界的まん延の後、国際郵便は、値上げに加え、一部の国際郵便物の引き受けも一時停止しています。未だに国際便数は回復する見込みがありませんので、今後も暫くはこの状態が続くと考えられるでしょう。

料金改定対象サービス

  • EMS(国際スピード郵便)
  • 国際小包(航空)
  • 国際小包(SAL)
  • 国際小包(船便)

地帯区別の変更(新旧地帯区別比較)

今回の料金改定と共に変更されたのは、地帯区別です。

(旧)EMS(旧)国際小包
第1地帯アジア第1地帯東アジア・グアム・ミッドウェイ・マーシャル・ミクロネシア他
第2-1地帯オセアニア・北米・中米・中近東第2地帯東南アジア・西南アジア
第2-2地帯ヨーロッパ第3地帯オセアニア・中近東・北米・中米・
西インド諸島・ヨーロッパ
第3地帯南米・アフリカ第4地帯南米・アフリカ

上記のように、これまではEMSと国際小包の地帯区別が異なっていましたが、今後は、以下の5地帯区別に統一することを発表しました。整理されてより分かりやすくなりましたね。

(新)EMS・国際小包
第1地帯中国・韓国・台湾
第2地帯アジア(中国・韓国・台湾を除く)
第3地帯オセアニア・カナダ・メキシコ・中近東・ヨーロッパ
第4地帯米国(グアム等海外領土を含む)
第5地帯中南米(メキシコを除く)・アフリカ

EMSと国際小包は、通常、地域や重量に応じて料金が追加されますので、皆様のショップには、どの配送先に送る荷物が多いか確認し、損をしないように新しい送料でしっかり利益計算を行なってくださいね。

EMSと国際小包特別追加料金

2022年6月1日から適用される特別追加料金を含む料金は、日本郵便の特別追加料金表から見ますと、値上げ幅が異なる事を明らかに分かりました。その理由は、国や地域によっておそらく輸送・配達コストの上昇幅が異なるからです。

各地域に対する料金改定の詳細情報に関しましては、以下リンクを参考になさってください。

参考:国際郵便物の現行料金と新料金の比較表

国際郵便の料金改定新旧価格比較によると、第1地帯の中国・韓国・台湾は、小幅な値上げで済んでいますが、他の地域は大幅な値上げとなっています。特にアメリカに関しては、地帯も新設し、最大で175%、最小でも125%の値上げになっています。

以下の図では、軽い荷物の場合にEMS料金の増加率が最も高いということが分かります。

第1地帯: 中国・韓国・台湾

EMS料金の新旧比較 第1地帯(参考:LaunchCart

第2地帯:アジア(中国・韓国・台湾を除く)

EMS料金の新旧比較 第2地帯(参考:LaunchCart

第3地帯:オセアニア・カナダ・メキシコ・中近東・ヨーロッパ

EMS料金の新旧比較 第3地帯(参考:LaunchCart

第4地帯:米国(グアム等海外領土を含む)

EMS料金の新旧比較 第4地帯(参考:LaunchCart

第5地帯:中南米(メキシコを除く)・アフリカ

EMS料金の新旧比較 第5地帯(参考:LaunchCart

越境ECセラーとして対応すべきこと

実際には、国際郵便だけではなく、FedEx、DHL、UPSなども、2022年に値上げを行なっているようです。当然の事ではありますが、越境ECセラーとして以下の2点はしっかりと時間を確保して対応されることをお勧めします。

1. 新しい送料による利益計算を行う

越境ECを問わず、ネットショップを運営していくビジネスには、利益率の計算は不可欠です。また、ネット販売を行なっているビジネスには、送料が一般管理費の一つになっているかと思われます。

今回のような運送会社の値上げがあった際には、それによって損が出ないかどうか改めて確認する事が非常に大切です。

例えば、送料無料という戦略で販売を行なっているショップの場合、しっかり送料の分を含み、商品の価格にどのぐらい利益を与えられるのかを確認する必要があります。送料を無料にしてもセラーの負担になりすぎていないように計算するのがおすすめです。

2. 他の配送キャリアの送料を確認する

送料が上がるたびにベストな対応は、他の配送キャリアの送料をどのくらいか調査し、確認・比較することです。特に今まで国際郵便でしか発送していないセラー様は、複数の運送会社と取引してみましょう。

発送数によりますが、複数の運送会社と取引することで、より良いレートの交渉に繋がり、最良の料金を確実に得ることができます。

FedEx、DHL、UPSなどの大手キャリアですと、料金が高い傾向がありますが、実際には、それぞれ宛先によって割引率が異なります。運送会社へは利用した分の配送料を支払うだけなので、複数の運送会社アカウントを持つことによる追加費用はかかりませんので、是非ご検討ください。

また、複数の運送会社を導入している場合、発送の前にShip&coのようなシッピングツールで送料を確認できると便利です。シッピングツールでは、サイズ・重量の情報に基づく料金を確認できますので、ベストなレートで発送でき、コスト削減にもつながります。


送り状発行システムShip&coとは?

Ship&coは、EC事業者が配送業務において直面する課題を解決するために開発された、送り状発行システムです。シンプルで使いやすいWebダッシュボードと出荷APIを提供しており、注文情報を自動的に同期し、FedEx、UPS、DHL、ヤマト運輸、佐川急便などの配送会社の配送ラベルとコマーシャルインボイスを簡単に作成することができます。Ship&coを使うことで、煩雑な手作業を省くことができ、配送業務の効率化と正確性の向上を実現できます。

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