eBayの関税は誰がいつ払う?トラブルを避けるポイントも解説

eBayは、世界中のバイヤーに商品を届けられる代表的な越境ECプラットフォームです。このeBayを利用する際に、避けて通れないのが関税の扱いです。誰が負担するのか、いつ支払うのかが曖昧なまま出品を続けると、バイヤーとのトラブルや思わぬクレームにつながることもあります。

本記事では、eBayにおける関税の負担者や支払いのタイミング、計算方法、トラブルを避けるための実践的なポイントなどを解説します。

eBayの関税は基本的にバイヤー負担

eBayでは、海外から商品を輸入するときに発生する関税は基本的にバイヤーが負担します。関税は輸入時に輸入者へ課されるので、原則としてバイヤー側が支払うことになっています。

ただし、セラー自身の判断で、関税を含む費用を負担して発送する方法を選ぶこともできます。出品時には、誰が関税を支払うのかを明示し、バイヤーにも分かるようにしておくことが大切です。

米国向け2,500米ドル未満の取引ではDDPが義務化

米国の関税政策が大きく変わったことを受け、2025年10月17日以降、eBayでは米国に発送する2,500米ドル未満の商品(送料除く)は、DDP(Delivered Duty Paid:関税元払い)での発送が必須になりました。なお、Authenticity Guarantee対象商品は、このDDP義務化の対象外です。

これに伴い、バイヤーが関税を支払う従来のDDU(Delivered Duty Unpaid:関税未払い)方式は、関税トラブルに関するセラー保護の対象外となり、Defectの付与のリスクが生じるため、実質的に利用が難しくなりました。

DDP義務化に伴い、セラーはDDPで発生する関税や手数料を価格にどう反映するか決める必要があります。商品価格に関税分を上乗せする、送料に上乗せする、eBaymagのようなツールで国別価格を設定するなど、いくつかの方法があります。

また、配送に「eBay SpeedPAK」を利用している場合、米国(プエルトリコ等の米国自治区を含む)宛てはDDP発送のみ利用可能なので、Shipping Policy(配送設定)も併せて見直しが必要です。なお、eBayの配送プラットフォーム「CPaSS」から「eBay SpeedPAK」のラベルを作成した場合は、DDPがデフォルトの設定になっています。

送り状発行システムのShip&coはOrange Connexと連携しており、eBay SpeedPAKの出荷作業をよりスムーズに進められます。ただし、Ship&coでeBayの米国向けSpeedPAKラベルを作成する際は、別途DDPを選択する必要がある点に注意してください。米国向けDDPに関する詳細は、Ship&coのヘルプページで確認できます。

なお、本記事は2026年9月時点の情報です。関税のルールは随時更新されるので、実際に発送する前に最新の情報を確認してください。

関連記事:DDPとは?他のインコタームズとの違いやメリットを解説

eBayの関税を払うタイミング

eBayの関税を払うタイミングは、DDPかDDUかによって変わります。eBayの関税をいつ払うかを表にまとめました。

条件

関税負担者

支払いタイミング

DDU

バイヤー

商品受け取り時

DDP

セラー

発送・通関時に関税を前払い

DDUの場合、通関時に発生した関税などは、配送会社からバイヤーへ請求されることがあります。DDPでは、セラー側が関税などを事前に処理して発送するので、配送時に追加費用は発生しません。ただし、DDPでも実質的な負担は商品価格や送料に上乗せされて、バイヤーが支払うのが一般的です。

例えば、日本のセラーが2,200米ドルのヴィンテージギターを米国のバイヤーへ販売する場合、DDPであれば購入画面で関税等を含めた合計金額をバイヤーが支払うので、それ以上の支払いは発生しません。

一方、もしこれをルールに反してDDUで発送してしまった場合、商品が届く際(または届いた後)に配送業者からバイヤーへ関税の請求書が届くことになります。これはバイヤーにとって想定外の支払いとなり、受け取り拒否や大きなトラブルにつながる可能性があります。

関税トラブルのペナルティやクレームを防ぐためにも、米国向けなどのDDPが指定される取引では、発送条件を事前に確認し、バイヤーへの通知も徹底しましょう。

関連記事:DDU、DDP、および関税について

eBayの関税計算方法

関税の計算方法は、国や商品の内容によって変わります。ここでは、米国向けの取引を例にして説明しましょう。

関税は、原則として商品の取引価格を基準に計算します。米国向けDDPでは、送料や保険料を含まない商品価格を基準に、HTSコードや原産国に応じた税率が適用されます。制度上は輸入者またはその代理人が通関申告を行い、納税しますが、SpeedPAKなどeBayのDDP発送では、Orange Connexなどの事業者が輸入者またはその代理人として通関手続きを行い、関税を前払いします。

税率を左右する要素として挙げられるのがHTSコードです。国際共通のHSコード6桁に、米国独自の4桁を加えた10桁のコードで、商品を細かく分類する役割があります。分類ごとに税率が定められており、無税の品目もあれば、高い税率が適用される品目もあります。HTSコードを誤ると、余計な関税が発生するだけでなく、通関の遅延につながるおそれもあるため注意が必要です。

原産地も税率に影響します。貿易協定を結んでいる国からの輸入品は、条件を満たせば関税の減免が適用されることがありますが、制裁対象国が原産地の場合は、追加の関税が課される可能性もあります。貿易協定の内容は政治情勢によって見直されることもあるので、申告前に最新情報を確認しましょう。

なお、セラーが出品価格を算出する際は、関税だけでなく、MPF(税関利用料)や配送キャリアの立替手数料、関税分を価格に反映した場合のeBay手数料の増加分なども踏まえて設定します。

eBayの関税トラブルを避けるためのポイント

関税をめぐるトラブルを避けるために、セラーとして押さえておきたいポイントを紹介します。

商品説明欄に関税情報を記載する

商品を発送した後に「関税を払う必要があるとは知らなかった」と連絡が来ることがあります。こうした事態を防ぐには、商品ページのDescription欄へ関税情報を追加するのが効果的です。

ただし、仕向け地や取引額の「書き分け」が必要な点には注意してください。米国向け2,500米ドル未満の取引は関税元払いのDDP発送が必須ですが、その他の国では取引条件に応じてDDUが利用され、2,500米ドル以上の米国向け取引でもDDPまたはDDUを選択できます。

すべてに一律で「関税はバイヤー負担」と書いてしまうと、米国向け取引の商品ページに自動表示される「追加支払いなし」というeBayのメッセージと矛盾し、トラブルを招きかねません。

そのため、商品説明欄には関税情報について、以下のように記述しておくことをおすすめします。

-Import Duties, Taxes, And Charges Are Not Included In The Item Price Or Shipping Charges. These Charges Are The Buyer's Responsibility. (関税の支払いはBuyer様責任であるという旨)

-Please Check With Your Country's Customs Office To Determine What These Additional Costs Will Be Prior To Bidding/Buying. (関税に関してはご自身でお調べくださいという旨)

-We Do Not Mark Merchandise Values Below Value Or Mark Items As - Gifts - The US And International Government Regulations Prohibit Such Behavior. (配送の際に関税を避けるためのGift表記等は違反の為しないという旨)

出典:eBay「消費税・関税関連」

この記載があれば、トラブルが起きた際にもセラーに有利に働きます。バイヤーが説明を読み飛ばしていたとしても、セラー側が事前に注意喚起していた事実を残しておけば、トラブル時の説明材料になります。

メッセージで再度関税情報を通知する

関税情報を商品ページに書いていても安心はできません。実際は、説明欄にまで丁寧に目を通さないバイヤーも一定数いるものです。そこで有効なのが、購入後に送るメッセージに関税情報を追加することです。以下のような文面を添えておくと良いでしょう。

One more thing to mention: depending on your location, your shipment might involve a customs charge handled by the delivery carrier. Thanks so much for your patience and understanding.

訳)もう一つお伝えしておきたいことがあります。お住まいの地域によっては、関税などの支払いを配送業者が取り扱う場合があります。ご理解とご協力をお願いいたします。

発送直前にもう一度連絡を入れ、バイヤーに通知してから発送すれば、受け取り時の「聞いていなかった」というトラブルはさらに減らせるはずです。

Q&Aを用意する

バイヤーが迷いそうなポイントは、あらかじめ商品ページにQ&Aでまとめておきましょう。

  • 関税は誰が支払うのか
  • いつ請求されるのか
  • DDPとDDUで何が違うのか
  • 関税額は事前に分かるのか

このような質問とその答えを載せておけば、バイヤーも必要な部分だけを確認できます。発送先や配送条件で答えが変わる項目は、断定せずに具体的な確認先を示しておくと良いでしょう。

関税に関する最新情報を確認する

関税のルールは頻繁に変更されるので、免税だった商品が突然課税対象になるようなケースもあります。そのため、制度そのものの変更にも注意しましょう。

近年の代表例が、米国で実施された少額輸入品に対する免税制度(デミニミス)の廃止です。2025年8月29日から、米国では800米ドル以下の貨物もデミニミス免税の対象外となり、原産国を問わず関税などが課されることになりました。

EUでは2026年7月1日より、域外から輸入される150ユーロ以下の低額貨物について、関税分類上の1品目につき3ユーロの一律関税が導入されました。この措置は2028年7月1日までの時限的な運用です。

制度が変わると、対象金額や課税の仕組み自体が見直されることもあります。古い情報を基に出品を続けると、バイヤーに想定外の関税が課され、トラブルにつながるおそれがあります。eBayや各国税関が発信する公式情報を定期的に確認し、出品内容や説明文をその都度見直しましょう。

eBayの関税についてよくある質問

ここでは、eBayの取引について、特に問い合わせの多い質問に答えます。

1. eBayでバイヤーが関税を支払わない場合どうすればいいですか?

DDU取引では、原則として関税はバイヤー負担です。「関税の支払いがあるとは聞いていない」と返金を求められても、事前にバイヤー負担であることを説明していた記録があれば、トラブル時にeBayサポートへ報告できます。

バイヤーがネガティブなコメントを残しても、関税に関する場合は、eBayに削除を依頼できる可能性があります。ただし、米国向け2,500米ドル未満などDDPが指定される取引でDDUを利用すると、それ自体が原因とみなされ、削除の対象にならないケースがあります。

2. バイヤーにGift表記にしてほしいと頼まれた場合はどうすればいいですか?

関税を避けるために、商品を「Gift(贈答品)」として発送してほしいとバイヤーから頼まれるケースがあります。しかし、この依頼には応じるべきではありません。

eBay公式でも、関税を避けるために申告内容を偽ったり、販売商品を「Gift」として申告したりする行為は違法とされています。依頼を受けた場合はこの旨を通知して、申告内容を変更できないことを伝えましょう。

3. バイヤーにアンダーバリューの依頼をされた場合はどうすればいいですか?

アンダーバリューとは、関税などを抑える目的で、税関への申告額を実際の販売価格より低く偽ることです。脱税行為にあたるため、バイヤーから「インボイスに実際の価格よりも低い金額を記載してほしい」と頼まれても、はっきり断りましょう。

バイヤーから強く希望された場合も、「実際の取引内容に沿った正しい金額でしか申告・発送はできない」という姿勢を一貫して伝え、健全で安全な取引を徹底しましょう。

4. eBayの米国向け取引は日本郵便のEMSなどでもDDPは必須ですか?

日本郵便は米国向け郵便物の引き受けを一時停止していましたが、2026年4月14日から指定郵便局で再開しています。

eBayでは、Authenticity Guarantee対象商品を除き、日本から米国へ発送する2,500米ドル未満の取引では、配送会社を問わずDDPで発送が必要です。

日本郵便でも、2026年7月24日以降、内容品価格2,500米ドル以下の販売品などは、関税を事前に支払い、DDPラベルを使って発送するルールが導入されています。ただし、書類や、100米ドル以下の個人間贈答品などはこの事前支払いの対象外です。

Ship&coはCBP(米国税関・国境警備局)の認定事業者であるZonosと連携し、日本郵便を利用した米国向けDDP発送に対応しています。具体的な操作方法や条件は、Ship&coのヘルプページからご確認いただけます。

まとめ

eBayの関税は基本的にバイヤー負担ですが、米国向けの一部取引ではDDPが必須条件となり、セラー側で関税を処理する必要があります。発送先によってルールや税率も異なり、改定も続いているので、最新情報を随時確認しながら商品説明やメッセージで関税の負担について伝えましょう。

Ship&coは、eBayだけでなくShopifyやAmazonなど複数のECプラットフォームと連携できる出荷管理システムです。日本郵便を含む複数の配送会社とも連携でき、米国向けのDDP送り状も作成できます。越境ECの発送業務をまとめて管理したい場合に便利です。