【越境EC】配送方法を解説!配送業者の選び方を比較表つきで紹介

本記事では、越境ECの配送方法について解説しています。

海外へ商品を発送する際、さまざまな配送方法があるためにどの業者を選ぶべきか悩んでしまうケースもあるのではないでしょうか。

こちらの記事では、コスト、商品のサイズや重さ、配送日数などそれぞれ重視するポイント別に適した配送方法を紹介しています。さらに、各配送方法の特徴がひと目で分かる比較表も用意しました。

その他にも、海外に商品を配送する際の注意点等も合わせて解説していますので、越境ECの配送に関するお悩みにお役立てください。

越境ECの物流と国内ECの違いとは

越境ECの物流と国内ECの違いとは

越境ECは、国境を越える「越境」という言葉からもわかるとおり、海外に向けて電子商取引をおこなうという意味を持ちます。

越境ECが国内ECと異なる点は、たとえば以下のような部分です。

  • 通関業務の有無
  • コストの違い
  • 配送日数の違い など

通関業務の有無

国内ECでは必要のない通関業務が発生するのが、越境ECの特徴です。

通関手続きの際は、商品の販売者が税関に必要書類を提出しなければなりません。

国際郵便で発送する場合には20万円分まで通関手続きは不要、国際宅配便(クーリエ)でも通関手続きは代行してもらえますが、インボイス、パッキングリストなどは多くの場合自社で作成する必要があります。

EUの付加価値税や申告方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考ください。

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コストの違い

越境ECサイトで海外発送をおこなう場合、国内と比較して配送料等のコストが大きくなりがちです。

国内であれば数百円〜で済むような配送コストも、海外発送する場合は長距離配送になるため高くなりやすく、その他にも関税や通関手続きなども含めて金銭・時間などのコストが発生する場面が多くなります。

このように、越境ECは、配送含めさまざまなケースで大きめのコストがかかってしまう点が国内ECと異なるといえます。

配送日数の違い

越境ECと国内ECとの違いとしてもうひとつ挙げられるのは、配送にかかる日数の違いです。

国内ECの場合、最短であれば注文して翌日に届くというスピード感があります。

一方、越境ECでは、主要都市であっても早くて2〜5日程度かかるなど、やはり海外に向けて発送するだけの時間がかかってしまうのですね。

購入者にとってもこの違いは大きく、かかる日数によっては注文した商品がなかなか届かないと不安になってしまうケースもあるため注意が必要です。

【比較表つき】越境ECの配送方法

越境ECの配送方法

越境ECで可能な配送方法の種類は数多くありますが、それぞれどのような特徴があるか知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本項目では、そのような方に向けて越境ECで利用できる海外配送方法を紹介しています。

今回紹介する配送会社は以下の通りです。

  • 日本郵便
  • 佐川急便
  • ヤマト運輸
  • DHL
  • UPS
  • FedEx

以下は各社の配送サービスの比較表です。
こちらは2024年5月現在の情報となるため、目安の参考にご活用いただき、最新情報や詳細については各社サイトを確認することをおすすめします。

※日本郵便には複数の国際配送サービスがあるため、最速で配送できる方法としてEMSを記載しています。

配送サービス比較表

日本郵便

日本郵便

日本郵便では、国際配送に対応したサービスを数多く取り扱っています。

こちらの項目では、以下の5種類のサービスを紹介します。

  • EMS(国際スピード郵便)
  • 船便
  • 航空便
  • SAL便(現在停止中)
  • 国際eパケットライト(現在停止中)

なお、国際郵便では、関税は受取人負担となります。

EMS(国際スピード郵便)

EMS(国際スピード郵便)は、国際郵便サービスの中でも最優先で配送されるサービスです。

30kg以下の少量の荷物を海外発送する際に役立つサービスで、冷蔵や冷凍の商品にも対応しています。

追跡サービスも利用できるほか、補償や割引サービスなども充実しているのが特徴です。

配送日数の目安は2〜4日となっているため、購入者に速く荷物を届けたいという場合にも適しています。

EMSを発送する際に必要な書類についてはこちらの記事をご参考ください。

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船便

船便は、国際郵便の中でも最安値で品物を発送することができる国際郵便サービスです。

一方で、船便はその配送スピードの遅さがネックとなっています。

配送に2週間程度かかることもあれば、2~3ヶ月かかってしまうケースもあるため、商品を早く届けたいという越境ECには不向きな面が強いかもしれません。

航空便

航空便は、飛行機で商品を配送するサービスです。

配送日数の目安は3〜6日とEMSより遅めですが、船便よりも速く届けることができます。

また、料金についても、船便よりも高くなることが多いです。

SAL便(現在停止中)

SAL便は、船便と航空便の間を取ったようなサービスで、エコノミー航空便とも呼ばれます。

SAL便の発送方法は、発送国と到着国は航空輸送、両国内では船便として取り扱われるため、船便よりも速く、かつ、航空便よりも低コストで利用できるのが特徴です。

ただし、SAL便は現在停止中のため、再開まで利用することはできません。

国際eパケットライト(現在停止中)

国際eパケットライトは、2kg以内の小型包装物を配送できるサービスです。

メリットとして、配達の際は郵便受けに入れられるため、不在時でも受取が可能なことや、配送状況を追跡可能なことが挙げられます。

こちらはSAL便扱いで、現在は受付を停止しています。

日本企業が提供する海外発送サービス

日本の配送会社が提供する海外発送サービスには、以下のようなものがあります。

  • 佐川急便:飛脚国際宅配便
  • ヤマト運輸:国際宅急便

佐川急便:飛脚国際宅配便

佐川急便:飛脚国際宅急便

佐川急便が提供する飛脚国際宅配便は、「縦、横、高さの3辺が合計260cm以内、重さ50kg以下」の荷物を海外配送できるサービスです。

配送できるサイズや重量が大きいため、重い荷物などを配送するのに適しています。

なお、ロシア、ブラジルの個人への配送は対応していないため、注意が必要です。

ヤマト運輸:国際宅急便

ヤマト運輸:国際宅急便

ヤマト運輸では、「縦、横、高さの3辺が合計160cm以内、重さ25kgまで」の荷物を海外配送できる国際宅急便というサービスを展開しています。

書類パックという専用のプランもあるため、用途に合わせて利用することが可能です。

また、持ち込みによる割引なども利用できます。

なお、ヤマト運輸の場合は、取引者のいずれかが個人の場合、国によって取り扱い対応していない荷物があるため事前に確認が必要です。

国際宅配便(クーリエ)

本項目では、海外向け配送業者(クーリエ)を紹介しています。

クーリエは料金は高めですが配送が迅速で、関税や消費税は購入者だけでなく売り主が負担することも可能です。

今回紹介するのは以下の3サービスです。

  • DHL
  • UPS
  • FedEx

DHL

DHL

DHLはドイツの国際宅配業者で、多くの越境ECで利用されているサービスです。

配送目安は2〜5日程度、アジア主要都市の場合最速で翌日の午前中に配達と、迅速な配送が可能となっています。

また、追跡サービスも利用可能です。

DHLでは書類や小口の荷物の輸送を始め、法人向けの貨物輸送や倉庫保管等のさまざまなサービスも提供しています。

UPS

UPS

UPSはアメリカに拠点を持つ運送会社です。

配送目安は利用するサービスによりますが、1〜8日となっています。

「縦、横、高さの3辺が合計400cm以内、重さ70kgまで」の荷物に対応。

配送の日時指定等も可能で、地域や配送したい日時によってさまざまなプランを選ぶことができるのが特徴です。

24時間のLINE対応もあるため、モバイルで簡単に出荷を管理することができます。

FedEx

FedEx

FedExもUPSと同じくアメリカを拠点とする運送会社です。

「縦、横、高さの3辺が合計330cm以内、重さ68kgまで」の荷物に対応しています。

1〜4日と配送スピードが迅速で、追跡も利用可能です。

希望の配送日時によって選択できる豊富なサービスや、キャンペーンによる割引などもあります。

海外配送のおすすめは?重視するポイント別で選び方を紹介

海外配送方法のおすすめは?重視するポイント別で選び方を紹介

越境ECで商品を配送する場合、重視したいポイントが配送のスピードかコストかなどによっては、適した配送方法も異なります。

とはいえ、どちらもバランスよく考慮して発送手段を選択したいものです。

これは、配送スピードが速ければいいかというと、そうではない購入者もいるためですね。

筆者も海外サイトで商品を購入する際、余裕があれば配送が遅めでも安価な配送手段を選択することもあります。

こちらの項目では、重視するポイント別に、向いている配送方法の選び方を紹介します。

各ポイントで適した発送手段を知り、自社ECサイトの希望に合わせバランスのよい業者を選択しましょう。

迅速に配送したいなら

商品をよりすばやく届けたいという場合は、国際郵便よりもクーリエ等の利用をおすすめします。

たとえば、クーリエや海外発送サービスの配送スピードは国際郵便よりも速く、日本郵便で提供されている国際郵便サービスの中ではEMSが最速です。

ただし、配送スピードの早いクーリエ等は、その分配送料金も高くなります。

越境ECサイトの運営スタイルに合わせて、どの配送方法にすべきか選択するとよいでしょう。

コストを考慮して安く送りたいなら

コストを考慮してできるだけ安く送りたいという場合は、クーリエ等よりも日本郵便の国際郵便サービスがおすすめです。

国際郵便のサービスでも一番低コストで配送可能なのは船便ですが、一方でその他の配送方法と比較して時間がかかります。

たとえば、日本からソウルへ5kgの品物を配送した場合、料金と日数は以下のようになります。

船便

  • 配送料金:3,400円
  • 配送日数:約2週間

EMS

  • 配送料金:6,400円
  • 配送日数:約2日

上記は国際郵便サービスのうち一番少額・高額の極端な例ですが、間にSAL便・航空便が入ります。

配送方法は、日数の余裕や予算に合わせて選択するのがおすすめです。

大きいものや重いものを送るなら

大きいものや重たいものを送りたいという場合は、佐川急便の国際配送サービスやクーリエ等を活用するのがおすすめです。

たとえば、佐川急便であれば、「縦、横、高さの3辺が合計260cm以内、重さ50kg以下」のものを発送可能なため、EMS等(30kgまで)よりも重たいものに対応しているということですね。

さらに重いものであれば、クーリエであればUPSが70kg、FedExが68kgという具合で記載されています。

総重量や一辺の大きさ制限については、各配送業者に確認するのがおすすめです。

補償を重視したいなら

海外発送で不安になるのは、商品が配送中に破損または紛失してしまうことではないでしょうか。

このような場合に損害金額を保証してくれる制度が、各サービスで提供されています。

たとえば、EMSの場合は、無償で2万円まで、さらに別料金となりますが最大200万円の損害補償を受けることも可能です。

他の配送サービスでも、UPSでは11,000円まで無料で補償といったように、各サービスで異なる補償制度があります。

発送する商品の金額やその他の重視したいポイントと合わせて、補償についても確認しておくのがおすすめです。

越境ECで商品を配送するときの注意点3つ

越境ECで商品を配送するときの注意点3つ

越境ECで商品を配送する際には、国内ECとは異なる点に注意しなければならないほか、同様であってもより注意深く対策しなければならない部分もあります。

越境ECで品物を発送する場合に注意すべき部分は、たとえば以下のような点です。

  • 海外配送可能な商品かを確認しておく
  • 配送料の計算に気をつける
  • 商品を丁寧に梱包する

①海外配送可能な商品かを確認しておく

越境ECで商品を展開する前に、まずはその商品が海外配送可能な商品か確認しておきましょう。

理由は、全世界共通で発送できないもの、国によって送れないものなどがあるためです。

たとえば、国際郵便として送れないものには、以下の品物が挙げられます。

  • スプレー缶
  • 香水
  • 花火・クラッカー
  • アルコール濃度24%を超える日焼け止めやヘアトニック
  • モバイルバッテリー など

配送方法によっても送れるかそうでないかが異なるケースもあるため、各配送業者において確認するのがおすすめです。

②配送料の計算に気をつける

越境ECで海外配送をおこなう場合、配送料の計算に注意しましょう。

なぜなら、海外配送の場合、品物の重量に対しての料金のほか、「燃油サーチャージ」というコストがかかるためです。

燃油サーチャージというのは、運賃とは別に、燃油に対して発生する料金を指します。

この燃油サーチャージは燃油の値段に応じて変動するため、常に固定ではありません。

さらにその割増料金は各サービスで異なるため、そちらも合わせて注意する必要があります。

③商品を丁寧に梱包する

越境ECで国内から海外の宛先に向けて長旅をする荷物は、国内で発送するよりもさらに丁寧に梱包しておくと安心です。

商品が海外へ配送される途中でやや乱暴に扱われてしまったり、予期しない大きな衝撃がかかってしまったりして、破損してしまうケースもあります。

そういった破損を防ぐためには、緩衝材を利用する、梱包材と商品の間の隙間をなくすといった対策が有効です。

商品の状態は顧客満足度にも影響するため、できる限り破損のないように対策しておきたいですね。

重視する点に合わせてバランスのよい配送方法を選択しよう

今回は、越境ECでの配送方法について解説しました。

越境ECを運営するうえでは、予算や配送スピードなどで発送方法や配送業者を選択する必要があります。

さまざまな配送方法があり悩む場面でもありますが、各サービスで配送できるサイズや料金、配送日数が異なるため、自社に合ったバランスのよいサービスを選択しましょう。

越境ECでの商品発送にはShip&coが便利!

Ship&co

越境ECで利用できる発送手段はさまざまですが、用途に合わせて各サービスのサイトやアプリを使い分けるのが大変というケースもあるのではないでしょうか。

そのような場合には、送り状発行システムのShip&coが役立ちます。

Ship&coでは、今回記事で紹介した物流事業者(佐川急便およびヤマト運輸の国際宅急便を除く)と連携可能で、これひとつで送り状とインボイスがシームレスに発行できます。他にも、配送料の比較なども可能です。

実際に日本の伝統工芸品を海外へ向けて販売している「株式会社世界へ」では、Ship&coのアプリを導入したことで、1件あたりにかかる発送作業の時間が半分以下になりました。

また、Ship&coでは、商品を発送する際の損害賠償オプションも設定可能です。オプション設定は、EMSと国際小包、DHL、FedEx、UPSに対応しています。

参考ページ:貨物の損害賠償保険について – Ship&co

まずは2週間の無料トライアルも可能なため、越境ECの配送を効率化したいという方はぜひお試しください。

アカウントの作成はこちらからどうぞ。ご不明点がございましたら、hello@shipandco.comまでお気軽にお問い合わせください。

皆様の出荷業務がより簡単になりますよう、全力でサポートして参ります!