「越境ECの繁忙期」は、EC事業者がオンライン注文と売上の急増を経験する年間の時期です。今年も例外ではなく、オンラインショップにとって特に重要な日がいくつかあります!
本記事では、それらのピークシーズンの日と2023年にそれらの日がいつになるかをご紹介します。さらに、越境ECのトレンドから、ピークシーズンに向けて出荷業務を最適に準備するための実用的なポイントまで解説します。
- 2023年の越境ECの繁忙期は、いつ?
- 2022年データによる越境ECのトレンド
- 越境ECのピークシーズンに向けた最適な準備
では、早速、確認していきましょう!
2023年の越境ECの繁忙期は、いつ?
越境EC進出時、各国の商習慣に合わせて施策を行うことが重要です。そこで、海外では、実店舗とオンライン小売業にとって最も重要な時期は、ピークシーズン(Peak Season)ということで、その期間は、主に秋に起こり、ハロウィンからクリスマスの後まで続きます。
海外の方々がよく買い物する繁忙期は、対象とした国によって異なりますが、越境EC販売するなら、ぜひ以下のピークシーズンを覚えておいてください。
- Amazon Prime Days:2023年7月11日~7月12日の2日間
Amazonの大規模なショッピングイベント - 新学期シーズン:2023年8月下旬/9月上旬
多くの特化小売業者にとって売上を伸ばすために重要な期間 - ハロウィン:2023年10月31日
ピークシーズンの最初の売上ピーク - シングルズデー:2023年11月11日
中国発祥の世界最大のショッピングイベント - ブラックフライデー:2023年11月24日
米国の感謝祭の翌日にあたる金曜日に開催されるオンライン上の大規模セール - サイバーマンデー:2023年11月27日
米国の感謝祭の翌月曜日に開催されるオンライン上の大規模セール - スーパーサタデー:2023年12月23日
クリスマスイブの前日で多くの人々が最後のクリスマスショッピングを行う日 - クリスマス:2023年12月24日
ギリギリまでのクリスマスショッピングをする人々のための日々 - ボクシングデー:2023年12月26日
英語圏の国々でクリスマス後のセールイベント
ほとんどのショッピングイベントやプロモーションの期間は、クリスマスのような伝統的な休日を基にしています。クリスマスは、最もよく知られた贈り物の季節です。また、バレンタインデー、母の日、父の日などの他の日も、業界によって推進され、積極的にマーケティングされていることで売上を牽引しています。
2022年データによる越境ECのトレンド
次に、2022年の越境ECのトレンドで、日本の越境ECセラーが押さえておくべきポイントを紹介します。FedExがC Spaceと協力し、公開した越境ECのトレンドのレポートによるデータで米国の消費者の調査の結果による情報です。
以下のデータとポイントを確認し、2023年の越境ECの繁忙期に準備してください。
1. 経済の不確実性の影響で購入者はさらに意識的な買い物をする
経済の不確実性により、購入者はより慎重な買い物をする傾向があります。
今回のFedExの調査によると、55%の購入者は、ホリデーシーズン中の購入決定においてプロモーションが非常に重要だと答えました。特にミレニアル世代(Y世代)とZ世代の購入者では、その割合は66%に増加しました。また、アメリカ人の67%がインフレーションの影響で欲しい商品を購入できるか心配していると結果があります。
購入者は、よりお得に商品を購入できるようにオンラインストアに切り替えたり、別のECストアを探したりしています。セール品でない場合には商品を購入しないと答えた人は44%であり、セール品でない場合には別のECストアに切り替えると答えた人は43%でした。さらに、よりお得なプロモーションを提供しているECストアに移行する傾向も確認されました。
購入者は、商品の価値を重視し、ショッピングリストの作成、予算の設定、お得な情報の確認、価格の比較などの行動を増やしています。全体的に、ホリデーシーズン中の贈り物の数は減少している傾向があります。
越境EC事業者が対応すべき点:商品の品質に関する情報を重視し、BOGO(1つ買うともう1つ無料)や送料無料などのプロモーションを活用することで、顧客の購入に関するコストに対する不安を軽減することです。
2. 購入者数、総支出額、そして前向きな見通しの新たな記録を達成
サイバーマンデーは、年間で最も大きな買い物の日でした。
2022年11月1日から12月31日までの総電子商取引売上高は、2,211.7億ドル(前年比3.5%増)という新記録を達成しました。このサイバーウィーク(ブラックフライデーとサイバーマンデー)には、以下の5つの理由から売上が高まりました。
- より高い割引率:平均割引率は2022年に19%から21%に増加し、サイバーウィーク中には最大30%まで達しました。
- より早いショッピングイベント:アマゾンのセカンドプライムデー、ターゲットのディールデイズなど、より早い時期に大規模なセールが開催されました。
- 「Buy Now, Pay Later」戦略:「今買って後で払う」戦略を採用したEC事業者が増え、購入者の支出力を最大限に活用しました。
- 高い購買意欲:品質や便利さ、意義のあるギフトを求める購入者が多く、サイバーウィークは特に購買意欲が高まる期間です。
- 対面体験や旅行への需要の増加:コロナ後の世界で、人々はより多くの対面体験や旅行を望むようになりました。それに伴い、関連商品の売上も伸びました。
これらの要因により、サイバーウィーク期間中の売上が増加し、購入者数、総支出額が新たな記録を達成しました。今後も需要が高まる見通しであり、越境EC事業者はこれらのトレンドに対応することでビジネスの成果を上げることができます。
越境EC事業者が対応すべき点:製品、プロモーション、コンテンツなどを適切に提供するようには、ソーシャルリスニングを行ったり、過去のデータを分析したりすることです。
3. ホリデーショッピングのタイムラインは変化
ホリデーショッピングのタイムラインは変化しています。
2022年には、当社の顧客の28%がホリデーショッピングを早めに始めました。特にミレニアル世代とZ世代では、この割合は50%に達し、平均の約2倍になりました。
謝祭前にショッピングを始めた人は半数以上であり、20%以上の人はハロウィン前から始めました。さらに、16%の消費者は年間を通じてホリデーギフトの買い物を行っています。
早期にホリデーショッピングを始める理由は、以下の4つです。
- 49%の人は、早期のホリデープロモーションを活用しました。
- 55%の人は、商品の在庫切れを心配しました。
- 60%の人は、ギフトが時間通りに届くようにするために早めに買い物を済ませました。
- 60%の人は、ギフトの買い物予算を分散させるために早めに購入しました。
越境EC事業者が対応すべき点:商品購入を検討する上で「送料無料」や「割引」などのプロモーションを活用することです。
4. SNSは、購入意欲を高める主要なチャネルです。
2022年のホリデーショッピングシーズンでは、63%のミレニアル世代とZ世代の消費者がSNSを活用して小売業者のプロモーション情報を得ました。さらに、36%の消費者がEC店舗のSNSから購入を行いました。前年比で8%の増加があり、特にミレニアル世代とZ世代の消費者からの関心と採用が高まっています。
ソーシャルコマースで主要な役割を果たしたチャンネルは次のとおりです。
- Facebookで購入した人は、62%です。
- Instagramで購入した人は、40%です。
- TikTokで購入した人は、23%です。
ミレニアル世代とZ世代の購買力は年々増えています。EC事業者は、SNSを通じて総合的なエンゲージメントとブランド認知を促進するためにコンテンツマーケティング戦略を活用するタイミングです。
越境EC事業者が対応すべき点:自社EC店舗のトラフィックを監査し、どのチャンネルが最も顧客を引き寄せているかを把握すること、ミレニアル世代とZ世代が特に関心を持っているチャンネルに積極的に活用し、購買意欲を高めるコンテンツを提供することです。
5. 「Buy Now, Pay Later」が今年はより広い層に魅力を持ちました
インフレーションと景気後退の圧力により、このシーズンでは「Buy Now, Pay Later(今買って後で払う)」を利用して購入をファイナンスすることが一般的となり、消費者が購買力を最大限に活用する傾向が見られました。日本でも、手数料が発生したり分割ができない業者もありますが、「NP後払い」や「メルペイスマート後払い」など、BNPLの一種のサービスも普及しています。
越境EC販売ではまだBNPLを提供することは難しいですが、近い将来には有望な販売戦略の一つとなるでしょう。
6. 配送期間などをコントロールできることのニーズがますます重要
購入者のニーズは、配送期間などをコントロールできることがますます重要とされています。
透明性と信頼性の高い配送オプションは、購買の決定において重要な要素でした。また、配送の体験が顧客の総合的な満足度にも大きな影響を与え、リピート購入につながりました。オンラインショッピングにおいて、98%の消費者が無料の送料を最も重要な要点として挙げています。
配送方法を選択する際の最も重要な要素は、以下の通りです。
- 配達の証明:55%
- 使いやすい配送追跡システム:47%
- リアルタイムで変更をモニターするためのライブトラッキングリンク:44%
- 柔軟な配達時間:41%
越境EC事業者が対応すべき点:迅速な配送オプションや追跡しやすい配送オプションなどを導入することで、ご注文からお届けまで不安を感じないように計画することです。また、配送ポリシーには、しっかり重要なポイントを伝えることです。
7. 売上の増加には、返品の可能性も高まっている
売上の増加には、返品の可能性も高まっています。ホリデーシーズンに関連する返品をした人のうち、38%は商品が期待に添わなかったため、22.5%は商品が説明と一致しなかったために返品しました。
増えた費用と数量に対応するため、60%の小売業者が返品ポリシーを変更しました。ショッパーの75%以上が、購入を決める際に「無料の返品」を最も重要な要素として挙げました。調査対象となった300の小売業者のうち、36%は返品時の送料を無料で提供しておらず、昨年と比べてその負担をしない業者の数が倍増しました。
越境ECのピークシーズンに向けた最適な準備
次のショッピングシーズンに向けて、顧客にとってより良いEC店舗のカスタマーエクスペリエンスを提供するために、以下の点を考慮して準備しましょう。
オペレーションを改善する
- 顧客を引き付けるための効果的なプロモーション方法とタイミングを検討する
- 返品ポリシーを見直す
- 既存のシステムで不足している部分をアップグレードするため、外部システムとの連携を検討します。
顧客とのつながりを深める
- 顧客が早めのショッピングをしやすいようにお得な情報などを事前に計画する
- 既存のマーケティングチャネルを監査し、エンゲージメントの高いチャネルを優先し、コンテンツを提供する
- 定期的なコミュニケーションを通じて既存の顧客のロイヤルティを築く
顧客の経験を検証する
- ソーシャルリスニングを実施し、顧客からフィードバックを収集する
- 製品の返品の必要性を減らすために製品情報を強化する
以下の方法を検討してください
① 製品レビューの依頼:顧客に製品のレビューを依頼し、他の顧客に役立つ情報を提供してもらいます。
② 製品説明の充実:製品の説明を詳細に充実させ、顧客が正確な情報を得られるようにします。
③ ライブチャット機能の追加:質問に答えることができるライブチャット機能を追加し、購入者をスムーズにチェックアウトに案内します。
*Shopify店舗の場合、ChatGPTなどの追加機能があります。
まとめ
いかがでしたか?
本ブログでは、越境ECのピークシーズンと言われている、米国など海外のセールのタイミングと2022年のトレンドをご紹介しました。
ホリデーシーズンにおける購買行動の変化や消費者のニーズの変化、SNSの役割、配送オプションの重要性など、最新のデータと具体的なポイントを通じて、越境EC事業者が成功するための戦略や対応策を提供しましたが、実際にどの対応策が自社の運営し方に合うか検討することが重要です。
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