「物流拠点の最適化を進めるにはどうすれば良いのだろう」

「分散型と集約型は何が違うの?」

「出荷作業や在庫管理の負担を減らしたい」

こんな疑問や思いを抱えている方には、この記事が参考になるでしょう。

近年ではEC化の進行によって、運ばれる荷物の量が増えています。それに伴い、物流の維持が難しい部分も出てきました。さらにドライバー不足や運送コストの増大といった「2024年問題」も話題になっており、物流に何らかの課題を抱えている企業は多いはずです。

そこで本記事では物流拠点戦略について、分散型と集約型の違いやメリット・デメリットを解説します。物流課題の解決におすすめのツールも紹介するので、ぜひご一読ください。

物流拠点は物流の基本機能を担っている

物流拠点は物流の基本機能を担っている

物流とは、モノが生産されてから消費者の手元へ届くまでの流れ全体を指す言葉です。そして物流には、以下の6大機能があるといわれています。

  • 保管
  • 荷役(にやく)
  • 流通加工
  • 包装・梱包
  • 輸送・配送
  • 情報管理

この6大機能、あるいは情報管理を除いた5大機能を担っている施設が、物流拠点です。

物流拠点の役割

物流拠点は、機能に応じていくつかの種類に分かれます。

  • 物流倉庫:商品の保管を行う
  • 物流センター:商品の保管から配送、情報管理まで総合的に行う
  • 物流ターミナル:輸送・配送の拠点となる

なかでも物流拠点戦略の中心となるのは、物流センターです。ここでは物流の6大機能を総合的に担っており、保管のみを担う物流倉庫とは異なる役割を果たしています。

物流拠点戦略【分散型】のメリット

【分散型】のメリット

物流拠点は、複数の場所に物流拠点を分散させる「分散型」と、1カ所に集約する「集約型」の2タイプに分けられます。たとえば東京と大阪に物流拠点を分散して、それぞれが関東圏・関西圏の物流を担う形が「分散型」。一方、東京の拠点で全国の物流を担う形が「集約型」です。

ここでは、分散型のメリットを3つご紹介します。

メリット1)配送コスト削減につながる

近年では燃料費の高騰が問題となっており、物流コストを圧迫しています。また長距離の配送では、トラックドライバーの人件費が高くなってしまうのも問題です。

その点、物流拠点を複数カ所に分散している場合、最も近い拠点からの配送が可能になります。配送距離が短くなるため、燃料費や人件費といった物流コストの削減につながる点がメリットといえます。

メリット2)リードタイムを短縮できる

上述のとおり、物流拠点が分散されると配送距離が短くなるので、配送スピードも上げられます。A拠点から配送すると2日かかるところが、B拠点から配送すれば1日で届くというケースも珍しくありません。

受注から配送までにかかるリードタイムが短縮できるので、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

メリット3)災害時のリスクを軽減できる

災害などの非常事態が発生した際に、事業の継続・早期復旧を目指すための計画をBCP(Business Continuity Plan)といいます。一般企業にBCPの策定義務はありませんが、従業員の安心感や企業としての信頼感を守るためにも、自主的にBCPを作成する企業は増えています。

そして物流拠点の分散は、BCP対策としても有効です。どんな物流拠点であっても、地震や台風などの自然災害、あるいは予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。その時に複数の拠点を持っていれば、A拠点が機能を停止してもB拠点で対応することができるでしょう。災害時のリスク軽減を図ることができるのです。

参考:中央企業庁| BCP(事業継続計画)とは

物流拠点戦略【集約型】のメリット

【集約型】のメリット

物流拠点を集約すると、人材、設備、商品など、すべてが1カ所に集まります。大型の土地が必要になるうえ配送も頻繁に行われるため、工場や空港、港の近くに拠点を設けることが多いでしょう。

物流拠点を集約するメリットは、主に以下の2点です。

メリット1)在庫数が把握しやすい

大きなメリットの一つが、在庫数を把握しやすくなる点です。在庫が複数の拠点に分散されている場合、拠点ごとの在庫数と総在庫数をそれぞれ管理しなければなりません。そのため、在庫管理が大変になってしまいます。拠点間で在庫の補充をし合うと、さらに管理がややこしくなりがちです。

その点、集約型の場合は1カ所に在庫がまとまっているため、在庫数を把握しやすく、管理の手間も削減できます。拠点間の在庫移動もないため、適正な在庫数を保つのも難しくないでしょう。

メリット2)運営コストを削減できる

物流拠点を分散すると、それぞれに人手が必要になります。どこでも同じ業務ができるように、設備も整えなければなりません。拠点を分散させることで配送コストの削減はできるものの、その分人件費や設備投資が膨らんでしまいます。

それに対して、物流拠点の集約を行えば、人件費や設備投資などの運営コストを下げることが可能です。資金力がない企業にとっては嬉しいですね。

ただし配送先によっては、配送コストが上がる場合もあります。あらかじめ試算しておき、かかるコストを比較できると良いでしょう。

物流拠点戦略としては分散型と集約型のどちらが良いのか

物流拠点戦略としては分散型と集約型のどちらが良いのか

企業によって、物流拠点を分散する場合と集約する場合があり、それぞれ以下のように異なるメリット・デメリットを持っています。

  • 分散型のメリット:配送コストの削減、リードタイムの短縮、リスクが軽減される
  • 分散型のデメリット:在庫管理が大変、人件費が膨らむ、設備投資が必要
  • 集約型のメリット:在庫管理がしやすい、運営コストの削減
  • 集約型のデメリット:配送コストが上がる、リードタイムが長くなる、非常時のリスクが高い

それぞれ反対の性質を持っているので、それを元に物流拠点戦略を立てなければなりません。

ここでは事業規模や配送エリア、扱う商品の特性に応じて、分散型と集約型のどちらが向いているか考えていきましょう。

事業規模が小さいうちは複数拠点を設けるのは難しい

物流拠点を分散するには、かなりの初期投資が必要です。経営基盤がしっかりしていないと、拠点を増やしても設備や人手を揃えることができません。

そのためあまりコストをかけられない企業、あるいは事業規模が小さい企業にとっては、集約型のほうが始めやすいといえるでしょう。まずは1つの拠点で始め、事業規模の拡大に応じて拠点を分散していくのがおすすめです。

配送エリアが広いなら分散型のメリットが活かせる

いくら拠点を増やしても、配送エリアが固定されていては意味がありません。たとえば関東からの注文しかないのに関西拠点を増やしても、ほとんどメリットがありませんよね。

逆にいうと、配送エリアが広いのであれば、分散型のメリットを活かすことができます。新たに拠点を増やす際は、駐車スペースの広さや空港・高速道路へのアクセスなどを確認しておくと良いでしょう。

商品の特性によっては配送効率が重要

扱う商品によっては、配送リードタイムを短縮することが重要になります。たとえば生鮮食品は速く運ぶことが大事なので、分散型で配送効率を高めるのが有効です。あるいは競合の多い商品であれば、「即日発送」「翌日到着」といった付加価値を付けて、他社との差別化を図ることもできますね。

また分散型・集約型問わず、冷蔵や冷凍の商品を扱う場合は、保管温度が調節できる倉庫を選ぶようにしてくださいね。

物流拠点【分散型】の課題を解決するツール

2024年問題の影響もあり、近年は物流拠点を分散する企業が増えています。とはいえデメリットもあるので、その部分を解決できるツールを使うのがおすすめです。

ここでは3つのツールをご紹介します。

  • 出荷業務の負担を減らせるShip&co
  • 在庫管理がしやすくなるW-KEEPER
  • 配車管理をしやすくするULTRAFIX

順に見ていきましょう。

①Ship&co|拠点ごとに送り状の自動発行が可能!出荷業務の負担を軽減

送り状発行システムShip&co
  • 従量課金プラン:33円/件 ※月の発送目安数が30件以下の方向け
  • 月額割引プラン:1,100円/月~ ※月に40〜50件以上発送する方向け、複数の設定あり
  • エンタープライズプラン:要問合せ ※月に20,000件以上発送する方向け

Ship&coは、わずか最短2回のクリックで送り状発行ができる出荷管理システムです。利用する配送サービスが同じ場合には最大50件までの送り状を一括発行できるので、出荷業務の負担を大きく削減。出荷ラベルの印刷も数分で完了し、出荷作業にかかる時間を90%減らすことができます。

さらにShip&co APIサブユーザー機能を使えば、複数の物流拠点ごとに分けて送り状の発行が可能。追加できるサブユーザー数に制限はないので、いくら拠点が増えても安心です。

実際にShip&co APIを導入した企業のなかには、それぞれの拠点で伝票発行ができるようになったために、年間300万円のコスト削減を実現したところもありますよ。

②W-KEEPER|複数倉庫をまとめて管理!在庫数の把握がしやすい

倉庫管理システム(WMS)W-KEEPER

引用:倉庫管理システム(WMS)W-KEEPER

  • プラン・料金:要問合せ

W-KEEPERは、倉庫内の在庫管理や棚卸、検品などを効率化する倉庫管理システム(WMS)です。機能の一つに「拠点間移動」があり、拠点間で在庫を移動する場合は「移送中在庫」として別口で管理できるのが便利なポイント。分散型の複雑な在庫管理をサポートしてくれます。

ほかにも賞味期限や入荷期限の管理、温度帯ごとの商品管理など、120以上の機能を搭載。また受発注の状況やピッキングの進捗状況などを可視化できるため、トラブル時の早期対応も可能です。

物流業はもちろん食品業やアパレル業、通信販売業など、幅広い業種に対応しています。

③ULTRAFIX|効率的な配車計画を実現できる

輸配送管理システム(TMS)ULTRAFIX

引用:輸配送管理システム(TMS)ULTRAFIX

  • プラン・料金:要見積もり

配送管理システムは、物流拠点からお店、あるいは顧客の元へ商品を届ける際に、輸配送の効率化をサポートするシステムです。なかでもULTRAFIXは、拡張性の高さが特徴。独自アルゴリズムに基づいた配送計画、積付計画、進捗管理など、さまざまな機能で輸配送の課題を解決します。

従来は本社で全拠点の配送計画を立てていたという企業は、「物流拠点ごとの分散処理にすることで負荷を軽減できた」「配送計画の作成時間が従来の1/3に短縮できた」などの効果が出たとのこと。システム導入後の保守サポートも充実しているので、安心して利用できるでしょう。

物流拠点を分散化することで配送効率を上げられる

物流拠点を分散化することで配送効率を上げられる

本記事では、物流拠点の役割や拠点分散・拠点集約のメリットと、それぞれの違いなどを解説しました。拠点を分散することで、配送コストの削減や配送リードタイムの短縮、リスク軽減といったメリットが得られます。一方で在庫管理の負担が増すうえ、人件費や設備投資などコストが増大する点はデメリットといえます。

拠点を集約すると分散型のデメリットは軽減できますが、配送コストやリードタイムの長さには課題が残ります。どちらが良いということではなく、業種や事業規模に応じて使い分けることが重要です。

あわせて本記事では、拠点分散のデメリットを解決できるツールもご紹介しました。ぜひ活用して、スピーディーな配送を目指しましょう。

国内外の出荷業務を効率化するならShip&coがおすすめ

クラウド型の出荷管理システム・Ship&coは、異なる運送会社の送り状を一括発行することができます。連携可能な運送会社も多く、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便をはじめ、FedExやDHLなど国外の運送会社にも対応。自動化を進めることで、従業員の負担や人的ミスを減らすことにもつながります。

Webアプリとして導入することもできますし、APIを利用して社内システムに組み込むことも可能です。サブユーザー機能を使えば、物流拠点が増えても同じように利用できますよ。

気になる方はアカウント登録から始めて、まずは2週間無料で体験してみてくださいね。また、ご不明点はどうぞお気軽にhello@shipandco.com宛にお問い合わせください。

倉庫管理システム(WMS)とは?機能や比較のポイントも解説
本記事では倉庫管理システムの機能や比較のポイントについて解説しています。倉庫内の業務を効率化したいとお考えの方はぜひ参考にしてください。