「eBayで出品をしたいけれど、送料設定が難しい」
「eBayで受注した商品はどの運送会社で発送するべき?」
「eBayの送料を安く抑える方法が知りたい」
この記事では、こうした疑問を解決していきます。
eBayは1995年に設立され、現在は190カ国に展開しているマーケットプレイスです。もちろん日本でも、越境EC向けプラットフォームとして人気があります。ただ海外サイトのため、使い方がわかりにくいのが難点かもしれません。
そこで本記事ではeBay出品を考えている方向けに、送料設定の方法を詳しく解説していきます。発送会社の特徴や送料を安く抑えるコツなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
eBayってどんなサービス?
eBayはアメリカ発祥のサービスで、今では越境ECプラットフォームとして世界規模を誇っています。多様なツールや独自のプログラムを整えており、安心して売買取引ができるのが大きな魅力。だからこそ数百万を超える利用者が登録しているのです。
一方でサイト表記がすべて英語なので、ある程度の英語力がないと使いにくいのが難しいところ。また海外との取引が中心なので、為替の影響を受けやすい、顧客のニーズがつかみにくいというデメリットもあるでしょう。
最近では衣類や時計、カメラ用品やキャラクターグッズなどの取引が多くなっています。なかでも日本製の商品は世界的な価値が高く、売りやすいといわれています。
参考:イーベイ・ジャパン「2024年 第2四半期 越境ECレポート」公開
eBay出品に使える運送会社4選
eBayで出品する場合、アメリカをはじめとする海外の国々が取引相手となります。そのため海外発送に対応している運送会社を使わなければなりません。
ここではeBayでの出品・発送に使える運送会社の紹介をしていきます。それぞれの特徴を知っておきましょう。
①日本郵便(国際郵便)|初心者にも使いやすい公的サービスなので安心
引用:国際郵便 | 日本郵便株式会社
- メリット:配送方法が簡単、配送スピードが速い
- デメリット:国際情勢が変わると発送状況も変わる、割高になる場合がある
日本郵便は国際郵便サービスを提供しており、海外へEMS(国際スピード郵便)や書類、手紙などを送付することができます。重量によって配送料金が変わるため、ぬいぐるみのように大きいけれど軽い商品を送る方におすすめです。
なかでもEMSは30kgまでの書類や荷物を世界120カ国以上に届けられるうえ、万が一の場合は損害賠償制度があるので安心です。国際スピード郵便という名のとおり、到着が速いのも嬉しいですね。クール便にも対応しています。
契約不要で利用できるため、海外発送が初めての方にも使いやすいでしょう。
②DHL|取扱い国は220以上!eBayセラーには割引もあるのでお得
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- メリット:取扱い国が多くて便利、eBayセラーには割引あり
- デメリット:開業届を出していないと利用できない
DHLは50年以上の運営実績を持つドイツの運送会社です。220以上の国・地域に配達できるうえ、プランによっては時間指定可能という利便性の高さが特徴。eBayセラーには割引があるのもメリットです。
DHLの送料は、配送する品物の実重量と容積重量を測り、より重いほうで計算します。容積重量とは荷物の大きさを重さに換算する方法で、「縦cm×横cm×高さcm÷5,000」で計算されます。つまり実重量が軽くても、箱が大きければその分割高になるので注意してください。
また個人事業主か法人が対象のサービスなので、開業届を出していないと利用できません。DHLの利用を考えている方は、個人事業主になっておきましょう。
③FedEx|毎月の発送件数が多い方向け!世界最大手という信頼感
引用:海外配送&運送会社| FedEx日本
- メリット:世界最大手企業なので信頼感がある、発送実績に応じた割引あり
- デメリット:月ごとに送料を10万円以上利用する必要がある
FedExは220以上の国・地域に配送できる、世界最大手の民間配送会社です。そのため信頼感が高く、安心して利用できるでしょう。また毎月の発送件数や売上によっては、送料の割引が受けられます。申し込めば封筒や段ボールなどの梱包材が無料でもらえるのも、便利な点ですね。
送料計算方法は、DHLと同じです。開業届を出していないと利用できない点も同様なので、FedExを利用するなら個人事業主になっておく必要があります。
ただし契約後は「毎月10万円以上利用する」という条件があるため、開業したての個人事業主には厳しいかもしれません。発送数が多い方向けのサービスといえるでしょう。
④eLogi|eBayの公式ツールを使って個人でもFedExを利用できる
引用:eLogi eBay出荷ツール
- メリット:eBayの公式ツールなので信頼できる、個人でもFedExが使える
- デメリット:FedExとの直接契約よりも料金が高くなる
eLogiはeBayの公式出荷ツールで、eBayを利用している方なら誰でも利用可能です。個人事業主か法人しか利用できなかったFedExを、個人のままで利用できるのが大きな魅力。eLogiとFedExを連携すれば、インターネットから集荷依頼をする、梱包資材を注文するなど、FedExの便利な機能が使えるようになります。
受注データを基に発送ラベルを作成できるため、出荷作業の効率化につながるのもポイント。eLogiディスカウントレートが適用されるので、送料を抑えることもできますよ。ただ、FedExと直接契約するより割高になる場合もあるので、その点は確認が必要です。
EMSとクーリエ便の違い
EMS(国際スピード郵便)は、日本郵便が提供している公的なサービスです。初心者にも使いやすいうえ、料金が安いというメリットがあります。
一方でクーリエ便(国際宅配便)とは、DHLやFedExをはじめとする民間配送業者が提供している海外配送サービスのこと。業者内に通関士がいるため、自分での関税手続きが不要という特徴があります。
クーリエ便の大きなメリットは、配達スピードの速さです。EMSも配達スピードは速いですが、クーリエ便には劣るでしょう。ただ、料金はEMSのほうが安いので、一長一短といえますね。
【eBay】送料設定方法を解説
海外発送の場合は国内発送よりも送料が高く、送料設定によっては利益率が下がってしまいます。もちろん送料が安いほうが顧客にとっては魅力的ですが、商品を販売する以上、利益が出ないと困りますよね。
eBayでは運送会社に支払う料金のほか、手数料や梱包料なども送料に含めることができます。それを踏まえて、国ごとに送料設定を行いましょう。
Business policyについて
eBay輸出を始める前に、「Business Policy(ビジネスポリシー)」を設定して出品時のルールを定める必要があります。ビジネスポリシーは、以下の3つに分けられます。
- Payment Policy:支払いに関する設定
- Return Policy:返品に関する設定
- Shipping Policy:発送に関する設定
今回ご紹介する送料設定は、「Shipping Policy」に該当します。送料設定はECサイトの利益を守るため、そして顧客との信頼関係を築くためにも重要な項目なので、丁寧に設定しましょう。
参考:【Shipping Policy(配送設定)】バイヤーに対するシッピングポリシー設定
1)新規のShipping Policyを作成する
eBayの送料設定は、「Shipping Policy」の作成から始まります。My Account>Business Policies>Create policy>Shippingの順に選択して、Shipping Policyの作成画面に進んでください。
「Policy name」は、ポリシー管理をスムーズにするための名前です。顧客が見る部分ではないため、自分がわかる名前を付けましょう。
「Policy description」は任意項目なので、メモする内容があればここに記します。またポリシーをデフォルトに設定する場合は、「Set as default shipping policy」にチェックを入れてくださいね。
2)送り先を設定する
次は送り先の設定です。以下のどちらかを選択してください。
- Domestic shipping:アメリカへの配送
- International shipping:アメリカ以外への配送
いずれの場合も「Flat : same cost to all buyers」を選んでおきましょう。全顧客に同じコストがかかるという意味です。
Domestic shippingの場合
「Services」の項目では、以下の3種類から発送方法を選択します。
- Expedited Shipping from outside US:配送スピードが速い
- Standard Shipping from outside US:標準的
- Economy Shipping from outside US:料金が安い
いずれかを選んだら、「Cost(送料)」と「Each additional(追加送料)」を入力します。追加送料は、「2個めの商品は送料半額」とする場合など、複数購入時に使います。無料の場合は「Free」を選びましょう。
「Handling time」とは、発送までにかかる期間です。即日〜40営業日のなかで選んでください。
International shippingの場合
アメリカ以外に発送する場合は「Ship to」、つまり送り先を設定します。
- Worldwide:アメリカ以外の世界各国に共通の設定を行う
- Choose custom location:国または地域ごとに設定を行う
いずれかを選択しても構いませんし、両方を設定することもできますよ。「Services」「Cost」「Each additional」の設定は、アメリカへ発送する場合と同様です。
3)具体的な送料を設定する
細かい送料設定は「Shipping rate tables」で行います。アメリカの州ごとや国ごとなど、柔軟な設定が可能です。アメリカ国内は「Apply domestic shipping rate table」、それ以外の国は「Apply international shipping rate table」を選び、「Create rate table」から設定しましょう。
なかでも特に注意したいのが、オーストラリアの送料です。アメリカやほかの国と比べて、オーストラリアの送料は高くなるケースが多く、場合によっては赤字になる可能性があります。差額をきちんと調べたうえで、適切に送料設定することが大切です。
eBay出品時の送料設定における4つのポイント
eBayの基本的な送料設定方法は、上述のとおりです。ただ、その他にもいくつか気を付けるべきポイントがあります。
ここでは4つのポイントをご紹介するので、順に確認していきましょう。
1)在庫の有無でハンドリングタイムを使い分ける
「Handling Time(ハンドリングタイム)」とは、入金があってから実際に発送するまでの時間を指します。顧客の元に到着するまでの時間ではないので、注意してください。
ハンドリングタイムが長すぎると検索順位が下がり、顧客から選ばれにくくなります。一方でハンドリングタイムを短く設定しすぎると、「待っているのに商品が来ない」というクレームやトラブルのもとになるでしょう。
ハンドリングタイムの設定は、以下のように在庫の有無に応じて変えることをおすすめします。
- 有在庫の場合:1~3日
- 無在庫の場合:5~10日
これは「〇営業日以内に発送する」という意味です。休日は含まないので、それを考慮して設定しましょう。
2)送料設定の基準はアメリカにする
eBayはアメリカのサイトであり、取引数が最も多いのもアメリカです。そのため送料設定の際は、アメリカを基準に考えることをおすすめします。
取引数を増やすポイントは、アメリカを送料無料、つまりFree Shippingにすること。お得感があるために売れやすくなるほか、検索順位の上位で表示されやすくなります。ただし送料分を自分で支払うのではなく、送料分を商品に上乗せするという考え方を持っておきましょう。
アメリカ以外の国は、アメリカとの送料の差額を基に考えると良いですね。同じくらいの送料となるエリアであれば送料無料とし、差額が出る場合はその分を追加送料に設定してください。
3)クーリエ便の基準をExpedited Shippingにする
DHLやFedExなどのクーリエ便を使う場合は、ぜひ「Services」で「Expedited Shipping」を選んでください。
その理由は、商品の到着日数が早まるため。買い手側にとって、注文から商品到着までの期間は短いほど好印象です。顧客満足度が高まるため、リピート率も上がるでしょう。
eBayによると、発送方法ごとの到着日数目安は以下のとおりです。
- Expedited Shipping:1日~3日
- Standard Shipping:5日~8日
- Economy Shipping:7日~17日
選ぶ方法によって日数が大きく異なるため、クーリエ便はExpedited Shippingを基準にしましょう。
4)発送除外国に設定する国は少しずつ増やす
送料設定の際に「Exclude shipping locations」という項目があります。これは特定の地域を除外する設定のこと。「Create exclusion list」をクリックして、除外したい国や地域を選ぶことができます。
基本的には、発送対象国が多いほど顧客層は広がります。そのため「なぜわざわざ除外国を設定するのか」と思う方もいるかもしれませんが、トラブル防止のためにも発送除外国の設定が有効です。
とはいえ初めから除外する国を多くしてしまうと、その分の販売機会が失われてしまいます。取引を進めるにつれて、少しずつ増やしていくようにしましょう。
発送除外国の設定例
郵便事情が悪い国や関税が高い国は、「商品が届かない」などのトラブルを防ぐためにも、発送除外国に設定することをおすすめします。
最初に発送除外国として設定すべきは、以下の国々です。
- APO/FPO(米軍関連施設):追跡番号を付けられないため
- PO BOX(私書箱):業者によって配達できない場合があるため
- アフリカ:郵便事情が悪いため
- 南米(ブラジル、メキシコなど):郵便事情が悪いため
- ロシア・ウクライナ:情勢が安定していないため
eBay輸出に慣れてきたら、商品によって発送除外国とするか否かを判断しても良いですね。ただし初めのうちは、トラブル回避のためにも一律除外しておきましょう。
eBayの送料が高すぎる場合の対策
海外発送の場合は送料が高くなってしまうので、できるだけ安く抑えたいと考える方は多いと思います。送料を抑えるための基本は、配送方法を使い分けること。たとえば以下のような使い分けができます。
- 小さいものを安く送りたい:小形包装物(航空便)、Standard Shipping
- 高価な商品を送りたい、荷物の追跡をしたい:Expedited Shipping
- オーストラリアに発送したい:DHL
商品のサイズや種類、発送先の国などを考慮して、適切な配送方法を選んでください。また、次の2つのポイントにも留意すると良いでしょう。
切手で支払いをする
EMSなどの国際郵便物は、料金を切手で支払うことができます。切手を買う際にオークションサイトや金券ショップを利用すれば、通常よりも安い料金で購入できます。そうすれば、差額分の送料が節約できることになりますね。
もちろん発送する品物が多いと、切手を貼るのが大変になってしまいます。ただ数個の発送であれば、切手で支払うことで発送料金を抑えられますよ。
サイズに合った梱包資材を選ぶ
商品のサイズによって梱包資材を使い分けることも大切です。梱包後の大きさによって送料が変わるケースが多いため、小さい商品は小さい梱包で済ませたほうがお得なのです。「梱包資材の使い分けは面倒」と感じる方もいるかもしれませんが、無駄な送料を払わないためにも、ぜひ使い分けてください。
また日本郵便の場合は、同時に複数の商品を発送することで送料の割引が受けられます。こうした割引制度を利用するのも、送料を抑えるコツといえますね。
参考:国際郵便早見表
Ship&coは運送会社ごとの送料を一括比較可能
eBayではさまざまな運送会社が利用できる反面、「商品のサイズや配達先によって送料が変わる」というケースが多く、適切な運送会社を選ぶのが大変だという方も多いでしょう。そんな時におすすめなのが、出荷管理システム・Ship&coです。
Ship&coは越境ECに対応しており、DHLやFedExをはじめ日本郵便やUPSなどさまざまな運送会社と連携できます。eBayだけでなく、ShopifyやAmazon、BASEなどのECプラットフォームとも連携できるため、複数のECサイトを運営している方にもおすすめですよ。
Ship&coの主な機能
Ship&coの海外発送向け機能には、主に以下があります。
- 複数の運送会社の送料をまとめて比較する
- 送り状とインボイスをまとめて発行する
- 通関用インボイスを自動発行する
- 送り状発行後にECサイトのステータスを変更する
事前に運送会社のアカウント登録を済ませておけば、運送会社ごとの送料見積もりを一括で比較することが可能です。「今回はEMSが最安だ」「DHLを利用したほうが良さそう」など、一目で判断できます。
さらに海外発送の場合、国際郵便で最大50件まで送り状の一括発行ができるため、出荷作業にかかる時間を大きく削減。手作業が減るため、人的ミスもなくせますよ。送料を最安値に抑えつつ、出荷作業の効率化も叶います。
Ship&coの利用料金
Ship&coには、月ごとの発送件数に応じて2つの料金プランがあります。
- 従量課金プラン:33円(税込)/件 ※月の発送目安数が30件以下の方向け
- 月額割引プラン:1,100円(税込)/月~ ※月に40~50件以上発送する方向け、複数の設定あり
- エンタープライズプラン:要問合せ ※月に20,000件以上発送する方向け
はじめは従量課金プランにしておき、発送件数が増えてきたら月額割引プランに変えることも可能です。
月の発送件数が月に20,000件を超える場合は、エンタープライズプランが利用できるので別途ご相談ください。
eBayの送料設定を丁寧に行って利益率を上げよう
本記事では、eBayで送料設定をする方法や運送会社ごとの特徴、送料を安く抑えるコツなどを解説しました。サイトが英語で書かれているため難しく感じるかもしれませんが、発送時のトラブルを防ぐためにも、ポイントを押さえて細かく設定していきましょう。
なかでも日本郵便のEMS、DHLやFedExのクーリエ便は、配送スピードが速く使いやすいため、eBay輸出におすすめの配送方法です。商品の種類やサイズ、発送先に応じて適した配送方法が異なるため、その時々で選ぶと良いですね。
海外発送時の送料設定は、利益率を上げるためにも重要です。ぜひ本記事を参考にして、最適なShipping Policyを設定しましょう。
Ship&coは出荷作業を効率化できる
発送する商品に応じて最安値の運送会社を選びたい方や、出荷作業を効率化したい方には、出荷管理システムのShip&coがおすすめです。Ship&coでは複数の運送会社の送料比較ができるほか、送り状やインボイスの一括発行も可能。越境ECに必要な通関用インボイスの発行にも対応しています。
実際に導入したユーザーからは、「送り状の発行スピードが上がった」「困った時のサポートが迅速」「越境ECで苦労している方におすすめ」といった声が届いています。
海外発送は国内発送と比べて時間がかかってしまいますが、Ship&coを導入すれば出荷時間の短縮にもつながります。気になる方はぜひお試しください。
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