荷物の発送方法を検討する際、日本郵便のゆうパックを利用したいと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、ゆうパックにはさまざまな種類や料金体系があるため、詳しい使い方を把握していない場合もあるでしょう。
この記事では、ゆうパックの基本的な仕組みから、サイズ・重量・料金の詳細、利用可能な割引制度のポイントまでを解説します。発送手順やメリット・デメリット、よくある質問についても紹介していきます。
ゆうパックとは

ゆうパックは、日本郵便が提供する全国対応の宅配サービスです。個人・法人を問わず利用可能で、配達時間帯の指定や再配達、郵便追跡サービスなど、柔軟で利便性の高いサービスが特徴です。
配ての信頼性も高く、荷物を安全・確実に配達できる体制が整っているため、フリマアプリやネットショップなどの発送手段としても広く活用されています。最大25kgまでの荷物に対応しており、文書類から家電製品まで、さまざまなサイズ・重量の荷物を送れる点も魅力です。
参考:ゆうパック|日本郵便
ゆうパックのサイズ・重量・料金
ゆうパックでは、荷物のサイズ(縦・横・高さの合計)と配送先までの距離によって料金が決まります。サイズ区分は60サイズから最大170サイズまで対応しており、重量の上限は通常25kgまでです。以下に、発送者・配送先ともに東京都内の場合の配送料金をまとめました。
ゆうパックの東京都内の配送料金
また、法人向けには割引制度も用意されています。郵便局への持ち込みで年間100個以上、または集荷で年間200個以上の荷物を発送する場合、利用形態に応じて「法人割引」が適用されます。大量発送の企業であれば、コスト削減も可能です。ビジネス用途での利用を検討している場合は、事前に郵便局に相談するのがおすすめです。
参考:ゆうパック|日本郵便
ゆうパックの種類
ゆうパックには、用途に応じて複数のバリエーションがあります。以下の表は、主なサービス名とその特徴をまとめたものです。荷物の内容や目的に合わせて、最適なタイプを選ぶことができます。
ゆうパックの種類
参考:ゆうパック|日本郵便
参考:国内の運賃表(荷物)|日本郵便
参考:当日配達ゆうパック|日本郵便
ゆうパックで送れないもの
ゆうパックでは、利用にあたって送れないものが定められています。以下のような品目は、日本郵便では取り扱い不可です。
・爆発物・発火性物質など危険性のあるもの(※アルコール飲料はアルコール濃度70%まで可)
・毒薬・劇薬・毒物など(※一部の医療関係者などからの差出は除く)
・生きた病原菌・病原体が付着している物(※一部の医療関係者などからの差出は除く)
・法律で移動や配布が禁じられている物品
・愛護動物(哺乳類・鳥類・爬虫類など)※生きた動物の郵送についてはこちらで別途要確認
・複数の個人情報を含む書類など
・日本円・外貨を問わず現金全般
安全な配送のためにも、内容物の確認が重要となります。
参考:ゆうパックで送ることができないものは何ですか?|日本郵便
ゆうパックの料金割引
ゆうパックでは、発送方法や条件に応じて各種割引が適用されます。うまく活用すれば、コストを抑えて荷物を送ることが可能です。
持込割引
荷物を郵便局やゆうパック取扱所に直接持ち込むと、1個あたり120円の割引が受けられます。対象となるのは通常のゆうパックやチルドゆうパックなどで、重量ゆうパックは取扱所での差し出しができないため、郵便局へ持ち込んだ場合のみ最大180円の割引が可能です。ゆうパック取扱所には、一部のコンビニが指定されています。
元払いだけでなく、着払いでも割引の利用が可能です。着払いの場合、送り主が割引を受けるのではなく、受取人への請求額が120円引かれます。つまり、どちらの支払い方法でも持込によるメリットを受けられます。
自宅で集荷を依頼するより手間はかかりますが、節約を意識するなら活用したい制度です。頻繁に荷物を送る方は、積極的に利用するとよいでしょう。
同一あて先割引
過去1年以内にゆうパックまたは重量ゆうパックで同じ宛先に荷物を送った場合、その際の「ご依頼主控」を添えると、1個あたり60円の割引が適用されます。
同じ取引先や親族などへ定期的に荷物を送る場合には便利な制度で、繰り返し利用するユーザーにメリットがある割引です。ただし、着払いの場合は対象外となります。
複数口割引
同じ宛先に、2個以上のゆうパックを同時に発送すると、1個ごとに60円の割引が適用されます。同時に複数の荷物を出す場合は、送料の合計を抑える有効な方法となります。
しかし、ゆうパックとチルドゆうパックを組み合わせることはできますが、ゆうパックと重量ゆうパックでは対象になりません。また、着払いの荷物も割引の対象外となります。
ゆうパックスマホ割
郵便局アプリまたはゆうパックスマホ割アプリを使って発送手続きをすると、ゆうパックの送料が1個あたり180円割引されます。アプリでのカード事前決済により、窓口での支払いが不要になる他、送り状の作成や配送状況の確認、再配達の依頼もスマホから簡単に行えます。
また、前月までの1年間に10個以上発送している場合は、割引後の運賃からさらに10%が割引される「継続利用割引」も自動適用されます。ただし、「持込割引」「同一あて先割引」「複数口割引」とは併用できないため注意が必要です。
郵便局受取割引
ゆうパックスマホ割アプリを利用して荷物を発送する際、受取場所を郵便局に指定すると「郵便局受取割引」が適用されます。基本のスマホ割180円に加え、さらに100円の割引が受けられ、合計で280円の送料割引となります。この割引は、スマホ割アプリを利用していることが条件で、他の通常割引(持込割引・同一あて先割引・複数口割引)とは併用できません。
ただし、継続利用割引との併用は可能です。郵便局での受取が可能であれば、送料をお得に抑えられます。
参考:ゆうパック お得な割引|日本郵便
参考:ゆうパック 郵便局アプリ|日本郵便
ゆうパックのお届け日数
ゆうパックは、土曜・日曜・祝日を含めて毎日配達されており、平日と変わらないサービスが受けられます。ただし、発送から到着までの日数は、差出元と届け先の距離によって異なります。
確実な日数を知りたい場合は、郵便局の公式サイトにある「お届け日数を調べる」ページを活用しましょう。差出元と宛先の郵便番号を入力するだけで簡単に検索できます。
また、ゆうパックでは配達時間帯の指定も可能です。「午前中」「12時~14時頃」「14時~16時頃」「16時~18時頃」「18時~20時頃」「19時~21時頃」から選べるため、受け取りやすい時間帯に調整できて便利です。
ゆうパックの損害賠償制度
ゆうパックには、万が一のトラブルに備えて最高30万円までの損害賠償制度が設けられています。荷物の紛失や破損などが発生した場合、実際の損害額に応じて補償が受けられます。
中身の価値が30万円を超える場合は、「セキュリティサービス」を利用すると、最高50万円までの補償を受けることが可能です。荷物の引き受けから配達までの記録が残され、より厳重な管理体制の下で配送されます。
セキュリティサービスの利用には420円の追加料金が必要で、郵便局の窓口で申し込みますが、集荷もしてもらえます。コンビニや取扱店では利用できないため、注意が必要です。
参考:ゆうパックに補償はついていますか?|日本郵便
参考:セキュリティサービス|日本郵便
ゆうパックの発送手順

ゆうパックで荷物を送る際は、手順を把握して準備をしっかり行うことで、スムーズに発送できます。ここでは、荷物の梱包から送り状の準備、差し出し方法までの流れをわかりやすく解説します。
1. 荷物の梱包
まずは荷物を丁寧に梱包します。壊れやすいものは緩衝材、水に弱いものはビニール袋で保護するなど、内容に合わせた工夫が必要です。ゆうパックはサイズによって料金が変わるため、できるだけコンパクトにまとめるのがポイントです。無駄な空間を無くし、過剰な梱包は避けましょう。
使用する箱や袋は市販のもので問題ありません。サイズと重さの規定内(3辺の合計が170cm以内、重量25kg以内)に収まっているかも事前に確認しましょう。また、信書や現金はゆうパックでは送れないため注意が必要です。
2. 送り状の準備
送り状は荷物に貼る伝票のことで、ゆうパックでは3つの方法で準備できます。
「Webゆうパックプリント」は、郵便局の公式サイトで必要事項を入力し送り状を作成できるサービスです。会員登録が必要ですが、自宅のプリンターで印刷できて便利です。
「郵便局アプリ」または「ゆうパックスマホ割アプリ」からも送り状は作れます。スマホで情報を登録すれば、郵便局の「ゆうプリタッチ」でラベルを印刷できます。
また、郵便局やコンビニで配布されている手書き用の送り状に直接記入する方法もあります。
これらの中から、ご自身の環境に合った方法で準備しましょう。
3. 荷物の差し出し
送り状を貼った荷物は、郵便局の窓口またはコンビニなどの取扱所から送れます。郵便局に直接持ち込めば、持込割引(120円)が適用されてお得です。
さらに、ゆうパックは「ローソン」「ミニストップ」「セイコーマート」などの提携コンビニでも発送できます。ただし、提携しているコンビニでも、すべての店舗がゆうパックを扱っているわけではありません。こちらで、住所やコンビニ名を入力すると、対応している店舗が確認できます。
自宅から出られない方は、集荷を依頼することもできます。公式サイトで申し込む以外に電話でも依頼可能です。
ゆうパックのメリット・デメリット
ゆうパックには、他の宅配サービスと比較していくつかの利点と注意点があります。
メリット
・基本配送料が比較的安価
宅急便などと比べて、基本料金が安く設定されており、25kgまで一律料金という点が特徴です。サイズに関係なく重い荷物を手頃な価格で送れるため、小型で重量のある品物の発送には特に適しています。
・全国対応の安心感
郵便局のサービスで、全国どこでも取り扱いがあるため、地方や離島でも安定した配送が可能です。
デメリット
・発送拠点が限定的
発送できる場所は主に郵便局か提携コンビニ(一部店舗を除く)に限られます。そのため、提携コンビニが近くにない場合、郵便局が開いていない土日や夜間の利用で不便を感じそうです。
・冷凍品には非対応
ゆうパックの「チルドゆうパック」は冷蔵品専用で、冷凍品の発送には対応していません。冷凍食品を送りたい場合は、他社の冷凍対応サービスを検討する必要があります。
このように、ゆうパックは用途や発送条件によっては非常に便利ですが、制約もあるため、目的に応じた使い分けが重要です。
ゆうパックについてよくある質問
1. ゆうパックで荷物を送る際の箱は何でもいいですか?
ゆうパックでは、基本的にどんな箱を使っても発送可能です。ただし、荷物の内容や形に合った丈夫な箱を使い、破損や水濡れなどを防ぐ工夫が必要です。再利用した段ボールも使えますが、住所の記載ミスやバーコードの読み間違いを防ぐため、古いラベルは取り除き、記載された文字はしっかり消しておきましょう。
日本郵便の包装用品も郵便局で購入できます。内容物によっては、クッション材やビニールなどの補強もしておくと安心です。
2. ゆうパックは手渡しで配達されますか?
ゆうパックは基本的に手渡しでの配達ですが、置き配にも対応しています。ただし、宅配ボックスが施錠可能であり、受領証を発行できるロッカー型である場合や、アンカーなどで建物にしっかり固定されていることなどが条件となっています。
これらの条件を満たしていれば、不在時でも安全に荷物を受け取ることができます。手渡しで受け取るのが難しい場合は検討するとよいでしょう。
参考:置き配|日本郵便局
3. ゆうパックとヤマト宅急便どちらが安いですか?
配送先やサイズによって異なりますが、ゆうパックの方が全体的にやや安めです。以下は、東京から京都へ荷物を送る場合の料金をサイズ別に比較したものです。
【東京→京都】料金比較表
ゆうパックは送料が安めな上、宅急便と違ってサイズごとの重量制限がなく、全サイズ25kgまでのものが送れる点もメリットです。ただし、宅急便にはキャッシュレス割引などの便利なサービスもあるため、利用シーンに応じて比較検討するのがベストです。
参考:ゆうパック|日本郵便
参考:宅急便運賃一覧表:全国一覧|ヤマト運輸
まとめ
ゆうパックは全国配送に対応し、サイズや配送先までの距離によって料金が決まる便利なサービスです。着払い、時間指定、置き配対応など、柔軟な配送オプションも魅力で、荷物の追跡や再配達依頼も簡単に行えます。
Webゆうパックプリントを使えば送り状も簡単に作成できます。ただし、発送件数が多い場合は、複数の配送キャリアに対応し、直感的な操作で伝票を一括発行できる「Ship&co」の導入が効果的です。送り状の発行や配送業務の効率化により、出荷業務を大幅に簡略化できるため、人的ミスの防止や作業時間の短縮にもつながります。
ビジネス拡大のためにも、Ship&coの便利な送り状発行システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。