FedExとは?荷物の送り方や集荷依頼、注意点について解説
FedExとは、国際宅配便と貨物輸送を手がけるグローバル物流企業です。FedExの送り方や集荷依頼の手順、使い方などをわかりやすく解説します。

海外発送をする際、配送業者選びは重要な課題です。FedExは、多くの国際配送サービスの中でも、国際輸送に強みを持つ企業として知られています。しかし、具体的なサービス内容や利用方法がわからない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、FedExの特徴や対応地域、具体的な発送手順、集荷依頼の方法を解説します。契約から発送までの流れや注意すべきポイントについても紹介していきます。
FedExとは
FedExとは、アメリカ合衆国に本社を置く世界最大規模の国際宅配便・物流サービス会社です。220カ国以上の国と地域へクーリエサービスを提供しており、越境ECや海外発送を行う事業者にとって重要な配送会社となっています。
日本では、個人事業主から大企業まで幅広く利用しており、特に海外展開を行うEC事業者には欠かせない存在といえるでしょう。広範なネットワークを活かし、世界中のビジネスの物流インフラを支えています。
特徴
FedExの最大の特徴は、配送スピードと信頼性の高さです。
従来型の国際郵便サービス(EMSなど)は、JALやANAなどの航空会社が運航する旅客機を利用して荷物を運んでいます。そのため、航空機の運航状況に大きく左右され、事故やフライトキャンセルが発生すると、配送スケジュールに遅延や停止が生じてしまいます。
対してFedExは独自の航空ネットワークを構築しているため、外部要因に左右されにくく安定した配送ができます。また、配送スピードも優れており、最短1~2営業日での国際配送が可能です。
貨物追跡システムも充実しており、発送から配達までの状況をオンラインで確認できるのも安心材料の一つです。こうした利点から、越境EC事業者や海外への個人発送を行うユーザーにとって有力な選択肢となっています。
対応地域
FedExは世界220ヵ国以上の国と地域への配送に対応しています。以下は地域別の対応国の例です。
・アジア・太平洋地域
日本、中国、香港、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシア、インド、オーストラリア、ニュージーランド
・北米・南米地域
アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、チリ、コロンビア、ペルー、エクアドル
・ヨーロッパ地域
イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ベルギー、スイス、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク
・中東・アフリカ地域
アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イスラエル、南アフリカ、エジプト、ケニア、ナイジェリア
多くの国・地域への配送が可能なFedExですが、一部地域ではサービスが制限される場合もあるため、事前に確認が必要です。
参考:料金区分表|FedEx
FedExのサービス

FedExは、荷物の重量や配送の緊急度に応じて複数のサービスを提供しています。
パッケージ(荷物重量 68kg以下)
フレイト(荷物重量 68kg超)
FedExの運送料金は、発送する荷物のサイズと重量、出荷地・到着地、利用するサービスの種類などによって決まります。他にも、サービス料や追加料金がかかる場合もあるため、運送料金見積りツールで計算するか、FedExの窓口に問い合わせるのが確実です。
参考:国際輸送サービス|FedEx
参考:フェデックス・インターナショナル・ファースト|FedEx
参考:フェデックス・インターナショナル・プライオリティ・エクスプレス|FedEx
参考:フェデックス・インターナショナル・プライオリティ|FedEx
参考:フェデックス・インターナショナル・コネクト・プラス|FedEx
参考:フェデックス・インターナショナル・エコノミー|FedEx
参考:フェデックス・インターナショナル・プライオリティ・フレイト|FedEx
参考:フェデックス・インターナショナル・エコノミー・フレイト|FedEx
参考:フェデックス・インターナショナル・ディファード・フレイト|FedEx
参考:料金見積りツール|FedEx
関連記事:FedExのサービスガイド:EC事業の物流ニーズに合わせた最適な選択肢
FedExのメリット
FedExのメリットとしては主に以下の点が挙げられます。
・グローバルな配送網
220以上の国と地域に配送網があり、多様なエリアへの発送が可能。
・高速配送サービス
プライオリティサービスでは最短1~2営業日で配達が完了する。
・安定した輸送体制
専用の航空機を保有しているため、他社便の遅延などによる影響を受けにくい。
・割引制度の充実
キャンペーンなどによる運送料金割引がある。アカウント開設により大幅な料金削減が期待できる。
・通関サポートが充実
デジタルツールの利用により、国際発送の複雑な通関手続きを迅速かつスムーズに行える。
FedExは配送のスピードや安定性で顧客の信頼を得ており、企業や越境EC、個人による荷物の発送に利用されています。
FedExの契約手順
FedExを利用するためには、公式サイトでアカウントを開設し、必要書類の提出と契約書の締結を順に行う必要があります。ここでは、その具体的な手順をわかりやすく解説します。
1. 公式サイトからアカウントを開設
FedExの公式ウェブサイトで、法人または個人のアカウントの開設ページを開き、必要な情報を入力します。法人・個人のアカウントタイプを選択し、出荷要件に合わせ、案内に沿って手続きを進めましょう。
Ship&coはFedEx Compatible Solutionの公式パートナーに認定されており、こちらから新規アカウントを開設してShip&co経由で出荷すると割引料金が適用されます。条件の詳細はFedExへ直接ご確認ください。
2. 必要書類を添付して送信
法人の場合は登記簿謄本や代表者の身分証明書、個人の場合は運転免許証やパスポートなどの身分証明書を送信します。送信後、審査が行われ、アカウント開設の可否が決まります。
3. 契約書を締結
審査を通過したらFedExと契約書を交わします。契約後はアカウントにログインして、支払い方法や配送設定など必要な情報を登録すると、サービスを利用できます。
FedExの送り方

FedExでの荷物発送は、梱包材の準備から集荷依頼まで、オンラインで完結できる便利なシステムとなっています。ここでは、初心者でもわかりやすい送り方の手順を紹介します。
1. 梱包材を注文
FedExでは、エンベロープ、パック、BOX、チューブの4種類の梱包材を無料で提供しています。梱包材は公式サイトから注文できます。
それ以外の梱包材を使用することもできますが、国際配送では輸送中の衝撃や天候の影響を受けるため、十分な強度が必要となります。段ボールの場合は二層構造のものにする、緩衝材を多めに入れるなど、十分な配慮をしましょう。
2. 送り状の作成
送り状ラベルの作成は、FedExのオンラインシステムから行います。アカウントにログイン後、送り主と受取人の情報、荷物の重量や寸法、配送サービスの種類などを入力してください。入力内容を確認後、送り状を印刷し、荷物の見やすい場所に貼り付けます。
国際発送の場合は、コマーシャルインボイス(商業送り状)の作成も必要です。コマーシャルインボイスには商品の詳細情報や価格、原産国などを記載し、通関手続きで使用します。
FedExのオンラインシステムでは、送り状と併せてコマーシャルインボイスを作成できます。ただし、FedEx以外の配送会社も利用する場合は、システムを使い分ける必要があり運用が煩雑になりがちです。
その点、Ship&coの配送管理システムを使えば、複数キャリアの送り状・インボイスを一つの画面で一括作成できるため、作業の標準化と大幅な業務効率化が可能になります。
3. 集荷依頼
送り状の準備が完了したら、FedEx公式サイトから集荷依頼を行います。集荷希望日時と場所を指定し、必要事項を入力して予約を完了させてください。指定した時間にドライバーが荷物を回収に来るため、準備した荷物を指定場所に配置しておきましょう。
荷物の回収後は、送り状に記載された追跡番号を使って配達状況を確認できます。この追跡番号をFedEx公式サイトの追跡ページに入力すると、荷物の現在位置や配達予定日をリアルタイムで確認することが可能です。
受取人にも追跡番号を伝えておくと、荷物をスムーズに受け取れるでしょう。万が一配達に関する問題が発生した場合も、追跡番号があれば迅速に対応してもらえます。
参考:追跡|FedEx
FedExを利用する際の4つの注意点
FedExを利用する際には、注意すべきポイントがいくつかあります。スムーズな発送やトラブル回避のために、事前に情報を把握しておくことが重要です。ここでは代表的な注意点を4つにまとめて解説します。
荷物の制限や発送できない品目を理解する
FedExでは、安全かつスムーズな配送を確保するため、発送禁止品目が設定されています。主な禁止品目は以下の通りです。
・武器類・刀剣類
・各種薬品(医薬品・化学薬品など)
・違法薬物(大麻、麻薬、アヘン、ケシがら等)
・動植物検疫の対象となる品目
・遺品
・北朝鮮の製品
・映画
・特許、実用新案、意匠、商標、または著作権を侵害する物品
これらの品目は、法令や国際規制、FedExの安全基準に基づき、発送が認められていません。また、国や地域ごとの独自の禁止品目もあるため、発送先の規制確認も必要です。
参考:フェデックスで発送できない品目を教えて下さい。|FedEx
参考:【国ごとの禁止品目】|FedEx
最低契約料金が存在する
FedExとの契約では、月間合計送料や最低発送件数が決められています。これらの条件は、契約時の交渉内容や過去の利用実績、発送頻度などによって変動するため、すべての契約に一律で適用されるとは限りません。
もしも、契約条件で定められた最低送料や発送件数を継続的に下回った場合、契約の継続が難しくなる可能性もあるため、事前に条件を十分に確認しておくことが重要です。
契約条件の詳細については、FedExの営業担当者やカスタマーサービスに直接問い合わせることが推奨されます。予算管理や運用計画を立てる際には、条件を踏まえて慎重に検討することが望ましいでしょう。
海外発送では関税がある
海外に商品を発送する際は、一般的に受取人が関税を支払います。関税とは、輸入国が課す税金であり、商品価格や品目によって課税額が異なります。
FedExでは、発送者(事業者)が関税を含む費用を負担する「デリバード・デューティ・ペイド(DDP)」方式も選択できます。これは、FedExが受取人に代わって税金を支払い、後から発送者に請求される仕組みです。
ただし、FedExのDDP方式を利用する場合、1,000円 または関税・税金総額の2%のうち、金額が高い方が適用される特別取扱手数料が発生します (2025年8月現在)。また、法人に限り、FedExによる立て替えを利用せず、税関に直接納付する方法も選択可能です。ご希望の際は、FedExカスタマーサービスまでお問い合わせください。
この方法を利用すれば、関税を理由に受取人が荷物の受け取りを拒否するリスクは減ります。特に越境ECなどでは、スムーズな配送と顧客満足度の維持に役立つでしょう。
また、関税のトラブルを避けるために、商品ページや購入完了メールなどで「関税が発生する可能性がある」旨を明記し、購入者に事前に説明しておくことが重要です。こうした配慮をすることで、受け取り拒否による返送が防止でき、信頼性も向上します。
追加料金が発生する可能性がある
FedExで海外発送を行う際は、基本の配送料に加えて、さまざまな追加料金が発生する可能性があります。代表的なものは以下の通りです。
・燃料割増金
燃料割増金とは、原油価格や世界情勢に応じて変動する燃料価格に対応するため、輸送会社が設定する追加料金です。配送料や各種手数料に加算されます。
・混雑時割増金
繁忙期や特別な調整が必要な時期に適用されることがあります。そのため、通常よりも高い料金になります。
・返送料・再輸入税
海外発送で受取拒否が発生した場合、荷物の返送にかかる送料や、再輸入時の税金が発生します。これらは高額になることもあるため、注意が必要です。
こうした追加費用の負担を避けるためには、発送前に料金についてしっかり確認しましょう。受取拒否や配送トラブルを未然に防ぐ工夫も重要です。
まとめ
FedExは、国際宅配便や貨物輸送を手掛ける世界的な物流企業です。国際配送ネットワークを駆使した迅速なサービスと、荷物の追跡や集荷依頼などをオンラインで完結できる利便性の高さが特徴です。
利用時は梱包材の準備や送り状、集荷依頼などの基本手順に加え、禁止品目や契約条件、関税や追加料金などについても事前に把握しておきましょう。
また、FedExを効率的に運用するには、送り状や通関書類の作成を自動化できる仕組みを導入することが有効です。
Ship&coを利用すれば、FedExをはじめ複数キャリアの送り状とコマーシャルインボイスを一つの画面でまとめて作成できるため、キャリアごとに作成する必要がありません。国際発送にかかる手間を大幅に削減できます。
Ship&coはFedEx Compatible Solutionの公式パートナーに認定されており、こちらから新規アカウントを開設してShip&co経由で出荷すると割引料金が適用されます。条件の詳細はFedExへ直接ご確認ください。