【Shopify】不正注文の対処法や防止方法を解説!強力なツールも紹介
自社本記事では、Shopifyの不正注文に対する対処法を紹介しています。
不正注文に対処できないと、商品は相手に渡るのに売上が取り消されてしまうなど、ECサイトの事業者にとって損害が発生する事態に陥ってしまうことがあるため、注意が必要です。
こちらの記事では、そもそも不正注文とは?という部分から、確認方法や複数の対処法まで、不正注文を防ぐための内容を解説します。
Shopifyでの不正注文とは
そもそも、不正注文とは、本来の顧客とは異なり、詐取や情報の悪用などによっておこなわれる注文のことです。
具体的には、クレジットカードの不正利用による注文のほか、注文した商品に対する受取拒否等が不正注文として挙げられます。
これらの悪質な不正注文がおこなわれると、クレジットカードを不正利用されるユーザーに被害が及ぶだけではなく、事業者にとっても売上の損失につながるほか、新規顧客の獲得、商品販売の機会等を失うことにもなりかねません。
不正注文かどうか確認するには?
Shopifyでの不正注文の判断方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- Shopifyの不正解析を利用する
- 注文者に電話やメールで確認の連絡をする
- IPアドレスの所在地を確認する
- 商品の金額を確認する
- 請求先住所と配送先住所が一致するか確認する
Shopifyの不正解析を利用する
Shopifyには、Shopify Paymentでストアに注文が入った際に、その注文が不正でないか解析する標準機能があります。
その不正解析機能を使用して、管理画面から疑わしい注文を見分けることも可能です。
たとえば、Shopifyは、以下のようなさまざまな指標に従い、不正解析レベルを分類して表示してくれます。
- 配送先住所とIPアドレスの距離
- 過去に検知された不正注文との類似性
- セキュリティコードが正しいか
- 決済が複数回おこなわれていないか
- 利用されたクレジットカードの枚数 など
これらの指標により、不正注文の疑いがあるものについては、警告を表示してくれたり、メールを送付してくれたりします。
注文者に電話やメールで確認の連絡をする
不正注文だと思しき注文があった場合にできる確認方法としては、注文者が入力した電話番号やメールアドレスなどの配送先情報に対して連絡してみるというものがあります。
不正注文の場合、登録された電話番号が適当で繋がらなかったり、まったく関係のない方に繋がってしまうという可能性もあります。
連絡がついても、本人と確認できない場合や、対応に違和感があるケースも存在するため、そのような場合はキャンセルしたほうがいいといえます。
実際に記載されている情報に連絡してみて、不正注文ではないと確認できれば注文を通し、そうではない場合や連絡がつかない場合については不正注文とみなすのがよいでしょう。
IPアドレスの所在地を確認する
不正注文が疑われる注文については、IPアドレスを確認するのもよいでしょう。
IPアドレスは、Shopifyの不正解析から確認できます。
以下のようなサイトからそのIPアドレスの所在地をチェックできるため、活用しましょう。
- IP2Location
- WhatIsMyIp.com
- infosniper.net
IPアドレスと注文者の住所の距離についてはShopifyの不正解析の指標に含まれていますが、念のためクレジットカードの請求住所等と合わせて確認しておくのがおすすめです。
商品の金額を確認する
不正注文が疑われる場合、商品の金額を確認してみましょう。
なぜなら、不正注文で購入される商品は高額なものが多いためです。
さらにその他の情報も確認し、合わせて注文内容が高額である場合は、キャンセルしてしまったほうがこちら側のリスクが少ないといえるでしょう。
請求先住所と配送先住所が一致するか確認する
請求先の住所と配送先住所が異なる場合、不正注文の可能性があるため注意が必要です。
プレゼントなどを目的として購入される場合や、購入者が転居して間もない場合などはその限りではありませんが、一つの指標としてチェックしておくとよいでしょう。
不正注文が確認できたら迅速にキャンセルすべき
Shopifyから不正注文の警告があり、自身でも注文の内容を精査して、不正注文だと判断できる場合には迅速にキャンセル処理をおこないましょう。
誤って注文商品を発送してしまった場合、クレジットカードを不正利用された保有者がチャージバックを申請して売上が取り消される場合があります。こうなると、商品も売上も失ってしまうことになり、大変な損害です。
不正注文だと判断できる場合は、速やかにキャンセル処理をおこなうことで、上記のような被害を避けることができます。
不正注文の防止策
不正注文のアラートが発生したものに対し、一件ずつ対応していく方法は、件数が多いほど手間やコストがかかってしまいますよね。
本項目では、手作業での確認以外で不正注文を防止する、以下の方法について解説します。
- Shopify Flowで自動キャンセル
- 不正注文対策アプリを利用する
Shopify Flowで自動キャンセル
Shopifyのスタンダードプラン以上で利用できる「Shopify Flow」では、作業を自動化するフローを作成することができます。
このShopify Flowによるワークフローを利用して、不正注文をキャンセルするといった作業を自動化することもできるのです。
メリット
Shopify Flowを用いたワークフローのメリットは、処理に手間がかからないという点です。
Shopify Flowを利用する場合、不正注文が疑われる場合に対し、機械的に対処するため、手作業での確認やキャンセル処理が必要ありません。
また、Shopify Flowでは、注文の自動キャンセルまでいかなくとも、怪しい注文がおこなわれた時に警告するというワークフローを作成することもできます。
これにより、手間を省きながらも、不正注文による事業者側のリスクを減らすことができるのです。
デメリット
Shopify Flowを利用した自動キャンセルを運用する場合のデメリットは、結果として顧客満足度や売上の低下につながってしまう可能性がある点です。
Shopify Flowで自動キャンセルのワークフローを作成した場合、自動的に不正注文レベルが高いものを弾いてしまうため、本来不正注文ではないものまでキャンセルしてしまうケースがあります。
これにより、たとえば、高額の買い物をした正当な顧客に対して強制的にキャンセルが発生してしまうこともあるため、売上を逃してしまったり、顧客が離れてしまったりする原因になる可能性もあるのです。
不正注文対策アプリ・ツールを利用する
Shopifyには、不正注文を対策することができるアプリもあります。
これらのアプリを利用することで、不正注文に対する手間を減らすことができるので、大変便利です。
メリット
不正注文対策アプリを活用すれば、売上や顧客満足度を減らすことなく不正注文を防ぐことができます。
従来は、Shopifyの不正解析やアラートが出たことに対して、事業者側がキャンセルの判断や確認作業などの対処をしなければなりませんでした。
しかし、不正注文対策アプリの中には、判断や対処の部分まで担ってくれるものもあります。
つまり、手間を減らしつつも、売上や顧客からの信頼度を守ることができるのが、不正注文対策アプリなのです。
デメリット
無料で利用できる不正注文対策アプリもありますが、優秀なアプリはコストが高いというデメリットがあります。
一方で、不正注文が増加傾向の中で、一件ずつ対応したり疑わしい注文をキャンセルして売上を下げてしまうということを避けたい、という場合も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、このコストを支払ってでもアプリを利用する価値はあるといえます。
不正注文対策アプリ・ツール3選
Shopifyには、不正注文を防止するためのアプリやツールが数多くあります。
本項目では、Shopifyで利用できる不正注文対策アプリ・ツールを紹介しています。
今回紹介するのは、以下の3つのツールです。
- Fraud Filter
- O-PLUX
- riskified
Fraud Filter
引用:Fraud Filter
Fraud Filterは、無料で利用できる不正注文対策アプリです。
Fraud Filterでは、ブラックリストを管理することができます。条件(カスタムフィルター)を設定することで、該当する注文に対し警告を出したり自動キャンセルをさせたりといった対策が可能です。
無料で利用できるため、コストを抑えたいという場合にはおすすめといえます。
一方で、Fraud Filterを利用した場合、キャンセルは決済後におこなわれるため、決済手数料を負担しなければならないケースもあるなどの点には注意が必要です。
O-PLUX
引用:O-PLUX
O-PLUXは、かっこ株式会社が提供する、不正注文を検知できるクラウドサービスです。
O-PLUXでは、わずか0.5秒の所要時間で、デバイス情報等だけではなく、不動産の空き室情報や企業間で共有されているデーターベースなどの情報を利用した不正検知が可能。
110,000件を超える多数のECサイトで導入実績のある、信頼のサービスです。
さまざまな角度、要素で解析をおこなうため、人的な作業を減らすことも可能です。
O-PLUXを利用する場合はアプリのインストールのほか、打ち合わせやテストなどをおこなう必要があるため、かっこ株式会社への問い合わせが必要になります。
riskified
引用:riskified
riskifiedは、ITに強いイスラエル発の不正注文対策アプリです。
riskifiedでは、不正注文が疑われるもののうち本来不正ではないものを判別することができます。
さらに、不正注文を不正ではないとして通してしまった場合、アプリ側が金額を補償するという理想的なサービス付きです。
2024年2月には有名アパレルの「ユナイテッドアローズ」がriskifiedを導入したことも発表されており、その成果は従来の1/2の工数でこれまで以上のパフォーマンスを実現できているといわれるほどです。
不正注文の発生によるチャージバックをどう対処するか
チャージバックとは、クレジットカードの所有者が自身のカードを不正利用された場合等に、クレジットカード会社が売上の取消をおこなう処理のことです。
これにより、クレジットカードの持ち主は不正利用の損害を防ぐことができますが、一方で事業者側は売上を取り消されてしまうため、商品をすでに発送していた場合などは痛手になることがあります。
Shopifyにはチャージバックに対する補償はないため、事業者は以下のような対処をおこなうなどで身を守る必要があるといえるでしょう。
- チャージバック保険に加入する
- 警察に相談してみる
チャージバック保険に加入する
チャージバック保険とは、契約して保険料を支払うことで、不正利用によるチャージバックで売上取消になった際に一定額を補償してもらえる保険です。
チャージバック保険には、以下のようなものがあります。
- GMOペイメントゲートウェイ株式会社
- 楽天ペイチャージバック補償団体保険制度
- 楽天カードチャージバック補償保険 など
保険料のコストはかかりますが、単価が高めの商品を取り扱っている場合や、被害が多い場合には役立つこともあるのではないでしょうか。
警察に相談してみる
不正注文によってチャージバックが発生した場合、警察に相談するというのも一つの方法です。
事件として犯人が捕まれば、今後同一の犯人からの被害を防げるほか、場合によっては被害額を取り戻すことができるかもしれません。
さまざまな手段を活用して不正注文を防止しましょう
今回は、Shopifyにおける不正注文の対処法について解説しました。
不正注文の被害をそのままにしておくと、セキュリティ対策がされていないとみなされ、悪意のある集団から多くの注文を入れられてしまう可能性もあります。
そのため、できる限り放置せず、丁寧に対処していくことが大切です。
一番簡単なのは怪しい注文に対してすべてキャンセルをおこなうということですが、一方で善意の購入者の注文を弾いてしまうこともあります。
不正を見極めるのが難しいという場合は、アプリやツールを活用した対策もおすすめです。
Ship&coなら送り状発行前に不正解析レベルを確認できる
ShopifyでのECサイト運営には、Ship&coのご利用もおすすめです。
Ship&coには、Shopifyで表示される不正解析レベルの同期機能が利用できます。
これにより、Shopifyの注文ページを確認せずとも、Ship&coから不正注文をチェックすることが可能です。
また、Ship&coでは、Shopifyの注文情報を自動同期できるほか、複数の配送会社と連携しているためコピペ不要で送り状を発行することができます。
このように、効率的に配送業務をおこないつつ不正注文を未然に防ぐには、Ship&coも便利です。
アカウントの作成はこちらからどうぞ。気になる点がありましたら無料で相談可能ですので、hello@shipandco.comまでお気軽にお問い合わせください。
皆様の出荷業務がより簡単になりますよう、全力でサポートして参ります!