送り状(配送伝票)とは?納品書との違いや必要性、種類を解説
荷物を発送する際、「送り状はどの種類を選べばいいのか」「納品書や送付状との違いがよくわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。誤った伝票の使用や記載ミスは、誤配や配送遅延につながるリスクがあります。
この記事では、送り状の基本的な役割や必要性、発払い・着払い・代引などの種類の違いを整理しながら、記載すべき項目や作成時の注意点、効率的に発行・管理する方法についても詳しく解説します。
送り状とは
送り状とは、荷物を発送する際に荷物に貼り付けて使用する伝票の一種です。差出人と受取人の情報に加え、配送する品物の内容などが記載されており、配送業者が正確に届けるための基本情報となります。誤配を防ぎ、効率的な配達を行うために欠かせない役割を果たします。
送り状には複数の呼び方があり、以下のような名称で呼ばれることもあります。これらは呼び名は異なっても、役割は同じです。
・配送伝票
・宅配伝票
・荷札
・配送ラベル
・運送状
納品書との違い
送り状と納品書は、見た目が似ていても目的と役割が大きく異なります。配送伝票は、荷物を宛先へ確実に届けるために必要事項を明記した書類です。記載内容は、送り主と受取人の情報、送付日、品名などで、主に配送業者が使用します。
一方の納品書は、取引先に「商品を契約通りに納品した」ことを証明するための書類です。商品名や数量、単価、合計金額などが記載され、受取先が内容を確認するための基礎資料となります。紙の納品書を同封するケースが多いですが、近年ではデジタル化が進み、オンラインでの確認に切り替える企業も増えています。
送付状との違い
送付状は、主に書類を郵送する際に同封される文書です。送り状や納品書とは役割が異なり、差出人名や簡単な挨拶文、送付したもの、送付目的などが書かれています。ビジネス文書の一種として位置付けられ、相手に対する配慮や丁寧さを示す役割を持ちます。
一方で送り状は、物品の配送に特化した伝票です。郵送物や宅配便などの荷物に添付し、物流の現場での使用に合わせて設計されています。送付状は主にビジネスにおける挨拶状、送り状は物流上の管理目的というように、それぞれの用途に違いがある点を理解しておきましょう。
送り状の必要性
送り状は、荷物を正確に届けるために欠かせないものです。送り主や届け先の住所、品名などを記載することで、誤配や紛失のリスクを減らし、スムーズな配送が可能になります。
また、送り状に記載された「送り状番号」は荷物の追跡に利用され、現在地や配達状況の確認ができるようになっています。
受け取る側にとっても、荷物の内容や数量を事前に把握できるため便利です。送り状は配送において必須の伝票で、物流の正確性や効率を支える重要な役割を担っています。
送り状の種類
送り状には、送料を負担する人や支払い方法によって異なる種類があります。以下の表で、それぞれの特徴を比較してみましょう。
種類 | 送料を負担する人 | 特徴 | 備考 |
発払い | 送り主 | 配送業者すべてが対応 | 一般的に最も使われている |
着払い | 受取人 | 手数料が発生する場合あり・配送手段に制限 | 発払い伝票とは色が違うため区別可能 |
代引 | 受取人 | 商品代+送料+手数料を配送業者が回収 | 支払い後に商品受取 |
発払い伝票
発払い伝票とは、配送料金を荷物の送り主が支払う場合に使われる伝票で、「元払い伝票」とも呼ばれます。多くの国内配送業者が対応しており、発送時に支払いを済ませるため、受取人に金銭的な負担がかかりません。企業やEC事業者など、送り手が送料を管理したい場面でよく使用されます。
発払いは配送手段の選択肢も多く、トラブルのリスクを抑えやすいのが特徴です。送り状の中で最も利用されている形式といえるでしょう。
着払い伝票
着払い伝票は、荷物の送料を受取人が負担する際に使用される伝票です。受取時に送料を支払う仕組みのため、個人間取引や返品対応などで使われることが多い形式といえます。
ただし、配送業者によっては手数料が発生したり、配送手段が制限されたりすることもあります。
また、すべての配送サービスで着払いに対応しているわけではないため、事前に対応可否の確認が必要です。取り違え防止のため、発払い伝票とは色を分けるのが一般的です。
代引伝票
代引伝票は、荷物の受け渡し時に、商品代や配送費用を受取人から直接回収する「代金引換」で使用される専用書類です。配送業者が代金回収を代行する仕組みで、送り主は確実に代金を受け取れるメリットがあります。購入者も商品と引き換えに支払うため安心感があり、初めての取引などでも活用されています。
利用時には代引手数料がかかることが多く、送り主と受取人のどちらが負担するかを事前に決めておくことが一般的です。なお、配送業者によって対応範囲や取り扱い条件が異なる点にも注意が必要です。
送り状シートの入手方法
送り状シートはさまざまな方法で入手できます。配送業者の営業所での直接受取から、身近なコンビニでの入手、集荷時の受け渡し、さらには専用システムでの発行まで、利用者の都合に合わせて選択可能です。ここでは、主な入手先について紹介します。
営業所
送り状は、各配送業者の営業所で受け取れます。営業所では荷物の発送や受取が可能なほか、元払い・着払い・代引など用途に応じた伝票を取り扱っています。営業時間は業者や拠点によって異なるため、事前の確認が必要です。
また、業者によってはサービスセンターと営業所が分かれており、時間やサービス内容に違いがあるケースもあります。とくに法人で頻繁に利用する場合は、最寄りの営業所を把握しておくとスムーズな運用につながります。
取扱店・コンビニ
手書き用の送り状であれば、配送業者と提携している取扱店やコンビニでも入手できます。これらの店舗では荷物の発送受け付けと同時に伝票の配布を行っているため、伝票がすぐに必要な時に便利です。
特にコンビニは営業時間が長く、24時間営業の店舗も多いため、時間を気にせずに立ち寄れる利便性が強みです。
ただし、店舗ごとに対応している配送業者が異なるため、利用前に取り扱い状況を確認しておくと安心です。
集荷時
自宅やオフィスから荷物を発送する際、配送業者の集荷サービスを利用して、送り状を一緒に届けてもらうことが可能です。電話やWebで集荷依頼を行う際に、伝票の種類(元払い・着払い・代引)を伝えておけば、必要な枚数を持参してくれます。
忙しくて外出が難しい場合や、定期的に発送業務を行う企業にとっては、集荷時の伝票受取は効率的な手段といえるでしょう。
送り状に記載すべき内容
送り状には配送を円滑にするために必要な情報を正確に記載する必要があります。配送業者によって若干の違いはありますが、一般的に以下の内容が必要です。
・送り主の情報(郵便番号・住所・電話番号・氏名)
・届け先の情報(内容は送り主の情報と同様)
・お届け希望日(指定がある場合)
・希望時間帯(指定がある場合)
・荷物の品名(できるだけ具体的に記載)
また、利用する配送サービスによって記載項目が追加されることがあります。各配送会社の送り状様式を事前に確認しましょう。
配送サービスによって必要な追加項目の例
・ゴルフ便:プレー日・クラブ本数
・空港便:搭乗日・便名
・スキー便:滑走日・用具の本数 など
送り状を作成・貼付する際の4つの注意点
送り状を正しく作成して貼り付けることは、スムーズな配送とトラブル回避の鍵です。ここでは、記入時のミス防止や品名の記載、貼付位置、使用期限に関する注意点を紹介します。
1.記入ミスがないようにする
送り状の記入ミスは、配送遅延や誤配などにつながります。住所や名前の誤記、電話番号の記入漏れなどがあると、荷物が正確に届かず、個人情報の漏洩といった重大なトラブルになる可能性もあります。
こうしたリスクを避けるには、送り状作成をシステム化し、内容の確認・修正ができる体制を整えると効果的です。特に大量発送を行う事業者では、入力内容をダブルチェックするなど、人為的ミスを防ぐ仕組みづくりが求められます。
2.具体的な商品名を記載する
商品名は、内容物が一目でわかるように具体的に記載する必要があります。「電子機器」ではなく「スマートフォン(バッテリー有)」といったように詳細を記すと、配送業者は輸送条件を適切に判断できます。
特にリチウムイオン電池のような危険物を含む場合、運送方法に制限がかかることがあるため、詳細な記載が求められます。不適切な記載は輸送制限の原因になるだけでなく、損害賠償の対象になる恐れもあるため注意が必要です。
3.基本的には上面に貼り付ける
送り状は荷物の「顔」ともいえる存在です。運送中にしっかりと視認できるように、基本的に段ボールなどの上面に貼り付けるのが適切です。側面や底面に貼ると、見づらかったり上面と勘違いされたりする可能性があります。梱包材の素材や表面の凹凸にも注意し、はがれにくい場所を選んでしっかり貼り付けましょう。
多くの荷物を扱う現場では、送り状の貼り方のルールを明確にすることもミス防止につながります。
4.使用期限を守る
送り状には使用期限が設けられていることがあります。特に配送業者が提供する印字済み伝票やキャンペーン専用の送り状などには有効期限があり、古い伝票をそのまま使用すると受け付けを断られる場合があるため注意しましょう。
使用前には必ず有効期限を確認し、不要になった伝票は誤使用を防ぐために破棄することが推奨されます。正しい伝票を利用することがスムーズな集荷や発送手続きにつながり、配送トラブルを回避できます。
送り状発行システムで作業を効率化
送り状の記入や貼り付けミスを防ぎ、出荷業務をスムーズに行うには、送り状発行システムの活用が効果的です。手書きや表計算ソフトでの管理では人的ミスが起こりやすく、時間もかかります。送り状発行システムを導入すれば、配送業者ごとの送り状を一元管理でき、作業効率が大幅に向上します。
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