フルフィルメントとは?|基本情報とおすすめシステム5選を紹介
「出荷ミスが多くて顧客からのクレームが増えてしまった」
「出荷作業が忙しくてコア業務に手が回らない」
「最近よく聞くフルフィルメントってどういう意味?」
こんな悩みや疑問を抱えている方には、この記事が参考になるはずです。
近年では通販業界やEC業界を中心に、「フルフィルメント」という言葉が聞かれるようになりました。とはいえ、まだフルフィルメントの意味をよく知らない方も多いでしょう。
そこで本記事ではフルフィルメントに関する基本情報をはじめ、フルフィルメントサービスのメリットやデメリット、おすすめ5選をご紹介します。
出荷業務に悩んでいる方、フルフィルメントについて詳しく知りたい方は、ぜひご一読ください。
フルフィルメントとはECサイトの運営における重要業務の一つ
フルフィルメントは、商品を受注してから注文者の元へ発送するまでの業務を総称する言葉です。
以下のように幅広い業務内容を含んでおり、ECサイトを運営するうえで非常に重要な業務の一つとなっています。
- 物流倉庫における在庫管理
- 受注処理、問い合わせ対応などのコールセンター業務
- 梱包・発送などの出荷作業
似た状況で使う言葉に「3PL(Third Party Logistics)」がありますが、こちらは物流業務に特化した業務を指す言葉で、受注処理やカスタマーサポートなどは含まれません。顧客との関わりを持たない点で、フルフィルメントとは異なります。
フルフィルメントの重要性
フルフィルメントがスムーズに機能していると、顧客満足度の向上や、企業のイメージアップにつながります。
たとえば「商品がスムーズに発送された」「丁寧に梱包されていた」という経験は注文者にとって満足のいくものであり、企業に対する印象も良くなるでしょう。
反対に「商品が届くまでに時間がかかった」「注文したものと違う商品が届いた」「購入した商品が在庫切れだった」などのトラブルがあると、顧客満足度や企業イメージは低下します。こうしたトラブルが積み重なると、売上にも影響が出てしまうのです。
だからこそECサイトを運営するにあたって、フルフィルメント業務が重要といえるのです。
フルフィルメント業務の具体的な内容
フルフィルメント業務を細分化すると、大きく5つのプロセスに分けられます。メインはバックヤード業務ですが、一部で顧客対応を含む場合もありますよ。一つずつ見ていきましょう。
(1)入荷・検品
最初の工程は商品の入荷と検品、つまり発注した商品と入荷した商品に相違がないか、汚破損がないかなどの確認をする作業です。以前は目視での確認が主流でしたが、最近はバーコードリーダーなどの機械を使った検品も増えています。
この工程でミスがあると、在庫数のズレや不良在庫の増加など、後のトラブルの原因になります。
(2)商品の保管・管理
検品が済んだ商品は、倉庫に保管します。扱う商品が増えると保管や管理が大変になるので、在庫管理システムを利用している企業もあるでしょう。
商品によっては、倉庫の温度や湿度の管理、使用期限や賞味期限等の管理も重要です。多くの商品を効率的に保管するには、環境整備も必要ですね。雑然とした倉庫に保管していると、ピッキング時のミスにもつながります。
(3)受注処理業務
顧客から注文が入ったら、それをまとめて倉庫に出荷指示を出します。手作業で受注処理をしている場合は、ここで転記ミスや記載漏れが起こりやすいため注意しましょう。
またECサイト経由、メール、電話などさまざまな受付方法がある場合は、それに応じた作業をしなければなりません。
(4)ピッキング・検品・梱包
ピッキングとは、出荷指示書や伝票をもとに倉庫から商品を取り出す作業です。
ここでピッキングした商品はそのまま注文者のもとに届くため、色や個数、商品の汚破損、同梱物など、細かい検品が求められます。
梱包の際は配送中の破損を防ぐためにも、適切な大きさの箱や緩衝材を選びましょう。さらに商品によっては、ギフト包装やのし貼付が必要となります。
(5)発送
梱包が済んだら送り状や明細を確認して、配送業者に引き渡します。引き渡して終了ではなく、ECサイトのステータス欄を「発送済」にするなどの細かな処理が残っている場合もあります。
商品の追跡番号や問い合わせ番号が発行されたら、顧客への連絡も欠かせません。
決済業務や返品対応が含まれることもある
業者によって「フルフィルメント」の定義は異なりますが、商品の代金回収や返品対応まで含むという考え方も多いです。
決済方法にはクレジットカード払いのほか、代金引換やコンビニ支払いなど多様な種類があるので、配送業者の対応範囲や顧客のニーズに合わせ、適切なものを選んでください。
また返品やクレームの対応を行う場合は、顧客と直接やり取りすることになります。ミスがあると顧客との信頼関係を損ねる可能性もあるので、慎重さと丁寧さをもって対応するようにしましょう。
フルフィルメントサービスって何?メリットは?
フルフィルメントサービスとは、企業に代わって一連のフルフィルメント業務を行うサービスです。
このサービスを利用することで、3つのメリットが得られます。
- 社員がコア業務に注力できる
- 豊富な決済方法・配送方法が選べる
- 業務の効率化ができる
社内でフルフィルメント業務を回していると、商品企画やマーケティングなどの業務にかける時間が減ってしまうでしょう。一方でフルフィルメントサービスを使えば、時間に余裕が生まれるため、主要な業務に時間が割けるようになります。
また豊富な決済方法や配送方法が選べるので、企業はもちろん顧客にとっても利便性が高まりますよ。業務の一部を自動化することで、業務効率化にもつながります。
フルフィルメントサービスにはデメリットもある
メリットがある一方で、フルフィルメントサービスにはデメリットも存在します。
- コストが高くなる
- 顧客の声が届きにくくなる
業務の外注をすることになるので、その分コストはかかります。予算の確保が重要なポイントとなるでしょう。ただ、フルフィルメントサービスの導入によって削減できるコストもあるため、一度試算してみることをおすすめします。
代行業者が顧客対応を行うので、企業が直接顧客と対話する機会がなくなり、顧客の声が届きにくくなる点もデメリットです。別の方法で顧客の声を吸い上げるなど、工夫が必要になります。
おすすめのフルフィルメントサービス5選
フルフィルメントサービスには多くの種類があります。ここでは特におすすめの5つをご紹介します。
料金や機能を確認して、自分に合ったサービスを選ぶようにしてください。
①オープンロジ|事業のニーズに応じた柔軟な物流サポート
引用:OPENLOGI オープンロジ |日々の物流業務をもっと簡単シンプルに
- 料金:従量課金制
メリット
- 冷蔵・冷凍や割れ物など幅広い商品に対応
- 全国70拠点以上の中から自社に最適な倉庫を選べる
- 国内だけでなく海外への出荷もできる
オープンロジは、出荷量に合わせて柔軟に拡張できる物流フルフィルメントプラットフォームです。
初期費用・固定費が無料の従量課金制で商品1件から受け付けているため、事業規模を問わず導入しやすいのが特徴。立ち上げから導入後まで物流のプロによる手厚いサポートがあり、安心して導入することができるでしょう。
出荷量増加による倉庫の拡張や梱包のカスタマイズなど、ビジネスの成長に合わせたニーズに柔軟に対応してくれます。
またオープンロジでは、出荷管理システムであるShip&co APIを導入することで、開発コストを抑えつつ、佐川急便やDHLなど国内外の配送会社と効率的に連携することに成功しています。
海外物流・越境ECにも対応しているので、これから海外へビジネス展開を考えている方にもおすすめですよ。
②ヤマト運輸株式会社|365日稼働中の倉庫でスピーディーな配送を実現
引用:フルフィルメントサービス(出荷業務代行)|ヤマト運輸
- 料金:個別見積もり
メリット
- 配送までのリードタイム短縮につながる
- 細かなオプション設定ができる
- 業種を問わず使いやすい
ヤマト運輸株式会社では、在庫型倉庫としてフルフィルメントサービスを提供しています。
Yahoo!ショッピングを運営するヤフー株式会社も導入しており、売上アップなどの成果を出しているとのこと。倉庫は年中無休で稼働しており、スピーディーに発送できるのが特徴です。FBA向け納品代行など、多様なオプションもありますよ。
またフルフィルメントではなく、帳票の発行から出荷までの工程を委託したい方に向けたピック&デリバリーサービスもあります。
「自社倉庫を使いたいが、梱包や配送は任せたい」という方には、こちらもおすすめです。
③アートトレーディング株式会社|EC事業に特化したきめ細やかなサポートが魅力
引用:フルフィルメント | ART TRADING
- 物流代行プラン:270円/件~
- 受注代行プラン:初期費用 15万円+税~、月額費用 30万円+税~
メリット
- ささげ業務(撮影・採寸・原稿)に対応している
- 電話、メール、チャットでの顧客対応ができる
- 月に1度オンラインミーティングを実施
アートトレーディング株式会社のフルフィルメントサービスは、EC事業に特化しているのが特徴。
だからこそECサイトの運営に欠かせないささげ業務にも対応しています。電話やメール、チャットで丁寧な顧客対応をしており、カスタマーサービスとしての質も高いですよ。
月に1度のオンラインミーティングでは、顧客の声をもとにしてECサイトの改善案を提案してくれます。
そのため「顧客の声が届きにくい」というデメリットを緩和することができるでしょう。提案内容をサイトに反映させるなど、サイト改善にも対応しています。
④フルフィルメントby Amazon(FBA)|Amazon出品事業者におすすめ
引用:フルフィルメント by Amazon(FBA)
- 料金:4,900円/月+税+販売手数料 ※出品サービスを利用していない場合
メリット
- Amazon出品サービスの利用者なら設定が簡単
- Amazonプライムのお急ぎ便、当日お急ぎ便が利用できる
- Amazonカスタマーサービスネットワークを使える
FBAは、Amazonで出店している方におすすめのフルフィルメントサービスです。
設定は簡単なので、すぐに使い始められるでしょう。FBAに納品した商品は、Amazonプライム商品として扱われるのが大きな魅力。ロゴが表示されるほか、お急ぎ便や当日お急ぎ便の利用もできますよ。
Amazonのカスタマーサービスは世界中で利用されており、信頼性も高いです。
問い合わせの管理・応対をはじめ、返金対応や返品対応も可能なので、安心して一任できます。
⑤楽天スーパーロジスティクス(RSL)|あす楽対応・365日の出荷対応もOK
皆様の出荷業務がより簡単になりますよう、全力でサポートして参ります!
引用:楽天スーパーロジスティクス(RSL)|楽天ロジスティクス事業
- 利用料金:要見積もり
- 配送料金:380円+税/件 ※100サイズまで
メリット
- 年中無休であす楽対応、出荷対応が可能
- 専任担当者のサポートがあるので安心
- 豊富なオプションサービスがある
RSLは楽天市場に出店している店舗向けのサービスで、年中無休で出荷対応しています。
楽天市場の「あす楽」サービスにも対応しているため、顧客にとっても利便性が高いでしょう。導入前から専任担当者が付き、安定して稼働できるまでサポートしてくれるので、初心者でも安心です。
オプションサービスも豊富で、賞味期限の管理やギフトラッピング、チラシや販促物の同梱などが可能。
海外からの大量入荷も受け付けているので、必要な方は相談してみると良いですね。
フルフィルメントサービスを利用して顧客満足度を高めよう
本記事では主に通販事業者やEC事業者向けに、フルフィルメントとは何か、フルフィルメントサービスのメリット・デメリットについて解説しました。
フルフィルメントは重要性が高いものの、在庫管理や配送管理、さらにクレーム対応などのコール業務まで幅広く含まれるため、負担の大きい業務でもあります。
そこでフルフィルメントサービスを利用すれば、効率よく業務を回しながら顧客満足度の向上につなげられます。
今回はおすすめのサービスを5つご紹介したので、出荷ミスの多さや顧客満足度の低下に悩んでいる方は、ぜひ導入を検討してみてくださいね。
Ship&co APIなら自社システムに送り状発行機能を実装できる!
オープンロジのさらなる物流業務の効率化を実現したShip&co APIは、ひとつのAPIで複数の運送業者と連携できる点が大きな特徴です。
Ship&co APIをフルフィルメントシステムやWMSに導入すれば、自社システムで直接送り状の作成ができるようになり、作業時間の削減とヒューマンエラーの防止につながります。出荷作業の改善もできるでしょう。
海外発送時の送料比較機能のほか、複数の倉庫での発送管理が簡単にできるのも便利なポイント。
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皆様の出荷業務がより簡単になりますよう、全力でサポートして参ります!