ECの成功に貢献する『送料無料』の戦略とそのメリット・デメリット

ECでは、「送料無料」という言葉は最も顧客を引きつける言葉の一つです。この「ゼロ価格効果」として知られる現象は、何も支払わずに何かを手に入れるという誘惑に訴えかけ、何も得ない状態への引力を示しています。


アメリカ発の配送Webアプリである'Shippo'が1,000以上のEC業者と1,000人の消費者を対象に送料に関する調査を実施しました。結果、2/3以上の消費者が送料無料を提供していない小売業者からの購入を検討しないと回答しています。この調査から、「送料無料」という言葉のパワーが明らかです。


送料無料のオプションを見ていきましょう

送料無料費用を価格に組み込む:送料無料を提供する最も簡単な方法の一つは、配送料を商品価格に含めることです。これにより、販売するすべての商品に送料無料を提供し、お客様は追加料金を気にせず購入を完了する可能性が高まります。

一定の支出基準で送料無料を提供する:顧客が一定額以上の買い物をする場合に送料無料を提供することです。78%の消費者が送料無料の条件を満たすために購入商品をふやす意思があります。

新規顧客向けの送料無料:送料無料を継続的に提供することが難しい場合は、新しいお客様のみを対象に検討し、それをショッパーに購入を促すインセンティブとして考えられます。

期間限定の送料無料プロモーション:売上を増やすために、短期間だけ送料無料を提供することもできます。例えばクリスマス、ブラックフライデー、サイバーマンデーなど。

特定の商品に対する送料無料:大きな製品の配送料はかなり高額になる可能性がありますので、財政的に送料無料を提供するのは無理な場合があります。ただし、異なるサイズの製品を販売している場合、いくつかの小さな製品に対して送料無料を提供できるかもしれません。

報奨付きの送料無料:お客様が店舗のアカウントを作成するなど、ビジネスをサポートする他のアクションを通じて送料無料を提供することもできます。

では、次は「送料無料」のメリットとデメリットを解明していきましょう

送料無料のメリット:

  1. 多くの顧客を引き寄せる: 無料で何かを手に入れるというアイデアに引かれる顧客が増えます。
  2. カゴ落ちが減少: 48%の買い物カートが放棄される理由が送料です。送料無料を提供することで、最後の最後でのカートの放棄が減少する可能性があります。
  3. 大きな購買: 送料無料が目標とされると、顧客はそれに達するためにもっと購買する傾向があり、平均注文価値が向上します。
  4. 顧客のロイヤリティ向上: 送料無料は良いショッピング体験を提供し、顧客満足度とロイヤリティを向上させます。

送料無料のデメリット:

  1. マージンへの影響: これを提供することで、特に送料のコストが価格の増加や注文量の増加によって相殺されない場合、ビジネスの利益率が減少する可能性があります。
  2. すべてのビジネスモデルに適さない: 低価格の商品や高い送料がかかる場合など、送料無料は財務上合理的でないことがあります。
  3. 価格設定の難しさ: 配送料を製品価格に含めると、膨らんだ価格につながり、予算に敏感な顧客を遠ざける可能性があります。
  4. 期待の設定: 継続的な送料無料の提供は、顧客が常にそれを期待するようになり、送料を請求することが難しくなる可能性があります。

戦略

独自のルールの設定: 上記に記載したように、'送料無料'のオプションはたくさんあります。お持ちの店舗や商品にどのオプションが最適かを分析することが大切です。

ストラテジーを考える: どのオプションを選ぶか、なぜそのオプションが最適なのか、ちゃんとマージンを確保できているのか、価格と送料の計算は正確か、選択する前に戦略を練ってください。

柔軟性の大切さ: 柔軟性のある対応のために、他のオプションも検討してください。ビジネスにとって送料無料が適していない場合、戦略を迅速に切り替えることができるようにする準備が必要です。

まとめ

送料無料は顧客を引き寄せ、カゴ落ちを減少させ、購買を促進し、ロイヤリティを向上させる強力な手段です。しかし、注意深い計画と柔軟な戦略が必要です。メリットとしては、多くの顧客を引き付け、購買行動を促進しますが、デメリットとしては利益率への影響や適合性の難しさがあります。独自のルールを設定し、戦略的に計画し、柔軟性を持たせることが売上に寄与します。


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