国際eパケットライトとは?EMSとの違いやサイズ、料金を解説
海外へ荷物を送る場合、どの配送サービスを選べばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。日本郵便の国際配送サービスには複数の種類があり、それぞれ料金や配達日数が異なります。
「国際eパケットライト」は、比較的安価で追跡機能も付いている便利なサービスです。しかし、EMSや小形包装物との違いがわからないと、自分の用途に合っているか判断が難しいかもしれません。
この記事では、国際eパケットライトの基本的な仕組みや他のサービスとの違い、料金体系のポイントを解説します。発送方法の手順やメリット・デメリットについても紹介していきます。
国際eパケットライトとは
国際eパケットライトとは、日本郵便が提供する小型荷物向けの国際郵便サービスです。受取人の郵便受けに配達され、手軽かつ低コストで利用できる点が特徴です。
新型コロナウイルスの影響により2023年から一時停止されていましたが、2025年3月3日よりサービスが再開されました。
以下は国際eパケットライトの主な特徴です。
【特徴】
重量制限:2kgまで
サイズ制限:3辺合計90cm以内 ・最長60cm (いずれも許容差 2mm)
配送手段:航空便
追跡サービス:あり
受取人の署名:不要
損害補償:なし
配達方法:受取人の郵便受けに配達
参考:国際eパケットライト|日本郵便
参考:国際eパケットライトの取り扱い再開|日本郵便
EMS・小形包装物との違い
国際eパケットライトと他の国際郵便サービスとの主な違いは以下のとおりです。
サービス名 | サイズ・重量 | 配送方法 | 追跡サービス | 損害補償 | 料金 |
国際eパケットライト | 3辺合計90cm以内 ・最長60cm (いずれも許容差 2mm)・2kg以内 | 航空便 | あり | なし | 安い |
EMS | 航空便 | あり | あり | 高い | |
小形包装物 | 3辺合計90cm以内 ・最長60cm (いずれも許容差 2mm)・2kg以内 | 船便/航空便 | 書留を選択することで可能 | 書留を選択することで可能 | 書留なし:安い 書留あり:やや高い |
なお、小形包装物の書留サービスは2025年末で終了予定となっており、これ以降、小形包装物の追跡・損害補償サービスは受けられなくなります。これらのサービスを重視する場合は、国際eパケットライトを利用するとよいでしょう。
参考:国際eパケットライト|日本郵便
参考:EMS|日本郵便
参考:EMS(国際スピード郵便)大きさ・重量制限一覧表|日本郵便
参考:小形包装物|日本郵便
参考:国際郵便の一部サービス終了|日本郵便
国際eパケットライトのサイズ・重量・料金
国際eパケットライトで送れるサイズは、長さ・幅・厚さの合計が90cm以内で、最長辺は60cm以内となっています。最小サイズは長さ14.8cm、幅10.5cmから利用できます。巻物の場合は、底面の直径の2倍と長さの合計が104cm以内で、最長辺が90cm以内であれば発送可能です。いずれも重量は2kgまでという制限があります。
料金は重量と送付先の地域によって決まり、国際特定記録料370円が含まれています。地域ごとの料金は以下のとおりです。
重量 | 第1地帯(中国・韓国・台湾) | 第2地帯(中国・韓国・台湾を除くアジア) | 第3地帯(オセアニア・ヨーロッパ等) | 第4地帯(米国) | 第5地帯(メキシコを除く中南米・アフリカ) |
100gまで | 720円 | 750円 | 880円 | 1,200円 | 920円 |
500gまで | 1,120円 | 1,230円 | 1,600円 | 2,040円 | 1,960円 |
1,000gまで | 1,620円 | 1,830円 | 2,500円 | 3,090円 | 3,260円 |
2,000gまで | 2,620円 | 3,030円 | 4,300円 | 5,190円 | 5,860円 |
※送料は100gごとに設定されています。詳細は日本郵便の料金表をご確認ください。
国際eパケットライトのお届け日数
国際eパケットライトの配達にかかる日数は5〜21日程度で、配送先の国や地域、通関事情によって前後します。繁忙期や国際情勢により遅延が発生する場合もあります。また、土日祝日の配達は行っていない点にも注意が必要です。
配送方法は航空便扱いで、発送後はオンラインで追跡できますが、確実な配達日を保証するものではありません。比較的安価な料金で送れる一方、EMSと比較すると時間がかかるため、急ぎの発送には向いていないといえます。
国際eパケットライトのメリット
国際eパケットライトは低コストで利便性が高く、追跡サービスも付いた海外への配送手段です。特に個人事業主や小規模なEC事業者にとって魅力的なメリットが揃っており、海外発送の選択肢として注目されています。
料金が安い
国際eパケットライトは、EMSや他の国際配送サービスと比べて送料がリーズナブルです。特に、小型で軽量な商品の海外発送に向いています。
例えば、アクセサリーやスマホケース、文房具、ハンドメイド雑貨などを扱う個人や小規模事業者にとって、送料の差は大きなコスト削減につながります。低コストながら航空便扱いのため、比較的スピーディーに配達できるのもポイントです。
また、一定の追跡機能も備えているため、コストパフォーマンスの高い発送手段といえます。
不在時でも配達できる
国際eパケットライトは、基本的に受取人の郵便受けに配達されるため、受け取り人が不在でも荷物を届けることが可能です。これにより、再配達の手間や受け取り拒否による返品リスクが減ることが期待されます。受け取りが簡単なため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
ただし、サイズが大きく郵便受けに入らない場合は、対面での受け取りが必要となります。
追跡サービスがある
国際eパケットライトは、追跡サービス付きで荷物の配送状況をオンラインで確認でき、送る側と受け取る側の双方が安心できるサービスといえます。特に長距離輸送となる海外配送では、荷物の現在地や到着予定の可視化が重要なため、顧客対応にも役立つでしょう。
ただし、すべての国・地域で配送状況が細かく追跡できるとは限りません。現地郵便事情やインフラの違いにより、一部の国では途中で追跡が止まるケースもあります。
国際eパケットライトのデメリット
国際eパケットライトには損害補償が付帯しておらず、万が一荷物が紛失・破損しても補償を受けることはできません。オプションで補償を追加することもできないため、高価な商品や壊れやすい荷物の発送には適していないといえるでしょう。
実際には配送中の紛失や破損の確率は低いとされていますが、リスクがゼロではないことを理解しておく必要があります。不安な場合は、EMSなど補償付きの配送手段を選ぶ方が安全です。取扱商品の性質や価値に応じて、最適な配送方法を選びましょう。
国際eパケットライトの発送方法
国際eパケットライトを利用するには、専用の発送手続きが求められます。通常の手書きラベルでは発送できず、国際郵便マイページサービスで送り状を作成する必要があります。手順は大きく3つのステップに分かれています。
1. 国際郵便マイページに登録・ログイン
国際eパケットライトを利用するには、まず日本郵便の「国際郵便マイページサービス」への無料登録が必要です。初回利用の際、登録画面で基本的な個人情報や住所を入力し、メール認証を完了させて登録します。アカウント情報は適切に管理し、第三者に漏洩しないよう注意しましょう。
すでにアカウントをお持ちの場合は、登録済みのメールアドレスとパスワードでログインしてください。
2. 送り状作成
ログイン後は「送り状作成」ボタンをクリックして、専用の送り状を作成します。まず依頼主(送り手)の住所、次にお届け先の情報を詳しく入力していきます。その後、内容品の情報入力に移り、内容品名や重量、価格などを正確に記載しましょう。
一部のヨーロッパ等の国・地域宛ての荷物には、HSコードの入力が必要で、入力がないと返送される可能性もあります。こちらで事前に確認しておきましょう。
送り状作成をより効率化したい場合は、国際郵便マイページサービスとも連携しているShip&coの活用がおすすめです。複数の配送業者を一元管理でき、作業時間の大幅な短縮が期待できます。
3. 郵便局へ持ち込み
国際eパケットライトは、コンビニや郵便ポストからは発送できず、郵便局の窓口で手続きを行う必要があります。送り状はA4サイズで印刷し、署名と日付の記入を行ってください。その後、税関告知書やインボイス(任意)とともに、専用パウチに封入します。専用パウチは郵便局で配布されています。
送り状の控え(ご依頼主控・受付店控)はパウチに入れず、荷物と一緒に窓口へ提出してください。発送後は追跡番号が記載された送り状の控えを必ず保管しましょう。
まとめ
日本郵便の国際eパケットライトは、低コストで追跡機能付きの国際配送サービスです。2kg以内の小型荷物に向いており、不在時でも配達可能な点が大きなメリットとなっています。一方で、補償がないため高価な商品の発送には注意が必要です。
発送には国際郵便マイページサービスでの送り状作成や郵便局窓口での手続きが必要ですが、事前準備をしっかり行えばスムーズに発送できます。海外発送を効率よく行いたい方は活用を検討してみてください。